2008年8月17日(日)
#46 ロベン・フォード&ザ・ブルー・ライン「Good Thing」(Handful Of Blues/Blue Thumb)
ロベン・フォード、95年のアルバム「Handful Of Blues」より、彼のオリジナル・ナンバーを。
ロベンは51年カリフォルニア州ユキア生まれ。フュージョン・バンド「イエロージャケッツ」のメンバーとして名を上げ、83年にバンドを離れてからはソロとして活躍している。
基本的にはジャズ畑のひとだが、ラリー・カールトンなどと同様、その音楽的ルーツにはブルース、R&Bが色濃く感じられる。
自らもブルース・ナンバーをよく歌い、これが結構イケるのである。ソロ・シンガーとしてやっていけるほどの個性はないが、バンドの一パートとしてのボーカルは、十分にこなしている。
「歌えるジャズ・ギタリスト」としては、ジョージ・ベンスンあたりを別にすれば、当代随一といえるんじゃないかな。
彼のバンド、ザ・ブルー・ラインはトリオ。ロベンのギターにベース、ドラムスという、いたってシンプルな編成である。この曲では、キーボードがゲストで参加しているが。
「Good Thing」は、ちょっとダルな、スロー・ブルース。ここでのロベンのソロがいい。ソリッド&クリアーでメリハリのあるサウンド、ブルースとジャズを巧みに織り交ぜたフレージング。
ことに、後半、尻上がりにエキサイトしていくところなど、カッコいいのひとこと。
でも、これだけセンスのいいロベンなのに、たったひとつだけ残念なことがある。
それは髪型、コスチュ-ムなどのセンスがイマイチなこと。もともと身なりに構わないってひとなんなら、まだいいんですが、本人はお洒落をしているつもりだから、タチが悪いのです。あれはどうにかならんものかねぇ~。
プロなんだから、専属スタイリストくらいつけたほうがいいのにと、彼の奇妙なステージ衣装を見るたびに思います。
ということで、そのファッションを除けば歌はうまいし、ギターは最高だしで、文句のつけようのないロベン君なのであります。