音曲日誌「一日一曲」#47 ミシシッピ・ジョン・ハート「Hot Time In The Old Town Tonight」(The Best Of Mississippi John Hurt/Aim)
2008年8月24日(日)
#47 ミシシッピ・ジョン・ハート「Hot Time In The Old Town Tonight」(The Best Of Mississippi John Hurt/Aim)
ミシシッピ・ジョン・ハート、66年の録音。トラディショナル・ナンバー。
1893年、ミシシッピ州テオクに生まれたハートは、1928年に13曲のレコーディングを行っているが、それきりチャンスはなく、農業をはじめとする肉体労働で生計をたてていたという。
ところが63年、齢70才にして、おりからのトラディショナル・フォーク・ブームもあって、再度、片田舎で暮らしていた彼に脚光があたる。
史上最高齢ともいえる爺ちゃんシンガー、カムバック・デビューである。
3年後73才で亡くなるまで、65年のニューポート・フォーク・フェスティバルに出演したり、数枚のアルバムをレコーディングするなど、充実した晩年を過ごすことになる。
まさに、人生最後にして初めて訪れた、輝かしき日々といえますな。
ハートの歌や演奏は、ブルースのジャンルにとらわれることなく、バラード、スピリチュアル、フォーク、そして流行り歌と、さまざまなスタイルの音楽を包括していた。
ブルース・シンガー以前から存在していた、いわゆる「ソングスター」とよばれる、歌うたいだったのである。
そのギター・サウンドはあくまでも軽快なフィンギー・ピッキングによるものだし、歌いぶりも、鼻歌ふうで力みのまるでないスタイル。
でもこれが実にいい味を出しているんですわ。
たぶん、歌もギターも、若いころから特に変化することなく、ずっとあのホンワカした感じだったんだろうな。
きょう聴いていただく「Hot Time In The Old Town Tonight」は、田舎の小さな町の、週末のダンス・パーティを歌ったトラッド・ナンバー。
肉体労働者の唯一の娯楽ともいえる宴のさまを、例の和みと癒しにみちた声で素朴に歌いあげている。
そして、意外と力強くしっかりしているのが、彼のギター・プレイ。フィンガー・ピッキングを志すひとにとっては、格好のお手本となりそうな、リズミカルな演奏も聴きもの。70代にしてこのプレイとは、さすが昔とった杵柄ですな。
ハート翁の最晩年の置き土産。日頃、刺激の強い音楽に食傷気味のかたにはおすすめの、心安らぐハッピー・ミュージックであります。
1893年、ミシシッピ州テオクに生まれたハートは、1928年に13曲のレコーディングを行っているが、それきりチャンスはなく、農業をはじめとする肉体労働で生計をたてていたという。
ところが63年、齢70才にして、おりからのトラディショナル・フォーク・ブームもあって、再度、片田舎で暮らしていた彼に脚光があたる。
史上最高齢ともいえる爺ちゃんシンガー、カムバック・デビューである。
3年後73才で亡くなるまで、65年のニューポート・フォーク・フェスティバルに出演したり、数枚のアルバムをレコーディングするなど、充実した晩年を過ごすことになる。
まさに、人生最後にして初めて訪れた、輝かしき日々といえますな。
ハートの歌や演奏は、ブルースのジャンルにとらわれることなく、バラード、スピリチュアル、フォーク、そして流行り歌と、さまざまなスタイルの音楽を包括していた。
ブルース・シンガー以前から存在していた、いわゆる「ソングスター」とよばれる、歌うたいだったのである。
そのギター・サウンドはあくまでも軽快なフィンギー・ピッキングによるものだし、歌いぶりも、鼻歌ふうで力みのまるでないスタイル。
でもこれが実にいい味を出しているんですわ。
たぶん、歌もギターも、若いころから特に変化することなく、ずっとあのホンワカした感じだったんだろうな。
きょう聴いていただく「Hot Time In The Old Town Tonight」は、田舎の小さな町の、週末のダンス・パーティを歌ったトラッド・ナンバー。
肉体労働者の唯一の娯楽ともいえる宴のさまを、例の和みと癒しにみちた声で素朴に歌いあげている。
そして、意外と力強くしっかりしているのが、彼のギター・プレイ。フィンガー・ピッキングを志すひとにとっては、格好のお手本となりそうな、リズミカルな演奏も聴きもの。70代にしてこのプレイとは、さすが昔とった杵柄ですな。
ハート翁の最晩年の置き土産。日頃、刺激の強い音楽に食傷気味のかたにはおすすめの、心安らぐハッピー・ミュージックであります。