2001年1月13日(土)
ザ・フー「ライヴ・アット・リーズ」(ポリドール)
70年代から、このアルバムをいったい何度聴いたことであろう。
だが、いまだに聴きあきるということが、この「ライヴ・アット・リーズ」に関しては、まるでない。
それくらいロックの名盤中の名盤であり、数あるライヴ録音の中でも間違いなく五指に入る傑作だと思う。
アナログ盤時代は7曲しか収録されていなかったが、CD化されたことで一気に14曲にふえ、もちろんコンサート全曲ではないのだが、彼らのライヴのスゴさがよりはっきりとわかるようになった。
「ヘヴン・アンド・ヘル」にはじまり、「マジック・バス」に終わる77分余り、ハードでありながらも、メロディアスなザ・フーならではの世界がそこにある。
編成が同じということや、ボーカリストのルックスが似ていることなどから、日本ではどうもZEPの亜流ハードロックバンドくらいの評価しか受けていないフシがあるが、どっこい、こちらのほうがキャリアもあるし、音楽的な引き出しの多さでもまったく負けていない。ことに、メンバー全員がちゃんと「歌える」という、ZEPにはない強みもある。
「クイック・ワン」のような、いわゆるロック・オペラのナンバーで、その威力は最大限に発揮されている。
録音のコンディションも非常によく、ハード、ヘビーであっても決してマッシー(ぐちゃぐちゃ)な音ではない。クリアでしかも力強い。
以後のライヴ・アルバムの作り方の、お手本的存在になったというのが、十分納得がいく。
それから、プレイヤーとしてみてスゴい!と感じるのは、リズム・セクションのふたりである。
ジョンとキース、彼らのステージでの「アバれよう」は尋常ではない。聴くたびにそう思う。
こんなライヴを演奏できるグループは、後にも先にも、やっぱり「ザ・フー」だけに違いない。