2008年11月30日(月)
#59 フレディ・キング「Feelin' Alright」(Live At Liberty Hall/Blue Moon)
76年に42才の若さで亡くなったフレディ・キング。彼の70年代のライブから、トラフィックのカバーナンバーを。デイヴ・メイスンの作品。
68年のセカンド・アルバム「Traffic」に収録されたこの「Feelin' Alright」、白人・黒人を問わず、実にさまざまなアーティストがカバーしている。
おもだったところでは、白人ならジョー・コッカー、グランド・ファンク・レイルロード、スリー・ドッグ・ナイト、レア・アース、ジェイムズ・ギャング、バッド・フィンガー、ドクター・ジョンに、ポール・ウェラー。変わり種では可愛い子ちゃん系女性シンガーの、ルルなんてのもいる。
そしてもちろん、オリジネイターのデイヴ・メイスンやその盟友、スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディもソロで録音している。
黒人ならこのフレディ・キングを代表格としてジャクスン5、オハイオ・プレイヤーズ、シュープリームス、フィフス・ディメンションと、さまざまな個性のアーティストがカバー。アイザック・ヘイズ、スタッフなんて人たちまでやっている。
白人が作曲したファンク・チューンとしては、もっともポピュラーになった一曲だといえるね。
さて、このフレディ・キング版は、ライブということもあいまって、非常にテンションの高い仕上がりだ。バック(フェンダー・ローズ、ハモンド・オルガン、ベース、ドラムス)の演奏も非常に重心の低い、スーパー・ヘビーなグルーヴだが、フレディはひとりでそれらに拮抗するボーカル&ギターを聴かせてくれる。
「気合い!」「一発!!」とかいうドリンク剤のCMに匹敵するノリといいますか、とにかく、フレディの歌声のインパクトは強烈だ。
トラフィックら白人系のバンドは、サビ、つまり「Feelin' Alright」の繰返し部分の歌を、コーラスにして迫力を出そうとしているのが多いが、フレディはそんなの必要なし。
ひたすらひとりで歌いまくって、全然問題ないのである。さすが、ミスター・タフネス。
これに太刀打ちできる白人シンガーは、ジョー・コッカーくらいしかおらんね(笑)。
ロック、ファンク、ブルース。すべてを飲み込んで、うねり流れる大河を思わせる、フレディ・キングのサウンド。
そのスケールの大きさには、ただただ脱帽であります。必聴。