音曲日誌「一日一曲」#203 ジョニー・ギター・ワトスン「One Room Country Shack」(The Original Gangster of Love:/Jasmine Rocords)
2012年2月12日(日)
#203 ジョニー・ギター・ワトスン「One Room Country Shack」(The Original Gangster of Love: 1953-1959/Jasmine Rocords)
#203 ジョニー・ギター・ワトスン「One Room Country Shack」(The Original Gangster of Love: 1953-1959/Jasmine Rocords)
ジョニー・ギター・ワトスンの50年代の録音より。マーシー・ディ・ウォルトンの作品。
ジョニー・ギター・ワトスンといえば、筆者オキニのアーティストのひとりで、「一日一枚」あたりでも何度か取り上げたことがある。ヤクザっぽくて、粋でいなせで、とにかくイカしているの一言なのだが、この50年代の曲も実にカッコいい。
オリジナルは、テキサス州出身のシンガー/ピアニスト、マーシー・ディ・ウォルトン。もともとはブギウギ/バレルハウスのスタイルだったが、これをモーズ・アリスン、ジミー・ロジャーズ、バディ・ガイ、オーティス・スパン、ジョン・リー・フッカー、ローウェル・フルスン、アル・クーパー&シュギー・オーティスといったさまざまなアーティストがカバーしたことで、ブルース・スタンダードとなった。
ジョニー・ギター・ワトスンは50年代半ば「ゾーズ・ロンリー・ロンリー・ナイツ」「ギャングスター・オブ・ラブ」のヒットで一躍スターとなったが、きょうの一曲もその時代のもの。まだはたちそこそこの、若さに溢れた歌声が聴ける。
歌の内容としては、ブルースのおおかたにもれず、独り身のやるせなさを歌ったものだが、ワトスンのあくの強い声で歌われると、ありふれた哀感とはまた違った、彼一流の「大見得」のようなものを感じる。
女にふられようが、俺は俺、負けねーぜ、みたいな。
時代を感じさせるペナペナなギター、ドタドタのドラムなれど、これがえらくカコイイ。
70年代以降のファンクなジョニーGもヒップなのだが、こちらも負けじとヒップなのだ。
要するに、カッコいい人は、いつの時代でもカッコいいのだ。これ永遠不滅の真理ね、ということで。