NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#20 サンタナ「Well All Right」(Inner Secrets/Columbia)

2023-04-21 05:00:00 | Weblog
2008年1月20日(日)

#20 サンタナ「Well All Right」(Inner Secrets/Columbia)





「一日一曲」、記念すべき20曲目は、これ。サンタナ78年のシングルヒット、「Well All Right」。

この曲はエリック・クラプトンの参加した、ブラインド・フェイスのアルバム収録曲(スティーヴ・ウィンウッドがリード・ボーカル)としてよく知られているが、もともとバディ・ホリーが50年代末にヒットさせたナンバー。ホリー、クリケッツのメンバー、ジェリー・アリスン、ジョー・モールディン、そしてプロデューサー、ノーマン・ペティとの共作なんである。

サンタナ版カバーは、明らかにブラインド・フェイスのバージョンを下敷きにしており、それにサンタナ流泣きのギターを絡めたアレンジにしている。サンタナにしては、短めでキャッチーなヒット・チューン仕立てになってます。

収録アルバム「Inner Secrets」には、トラフィックのナンバー「Dealer」も入っているくらいだから、アルバムを制作する際に、ウィンウッドら元トラフィックのメンバーからの働きかけがあったのかもしれない。

歌のうまさに関していえば、オリジナルのホリーやブラインド・フェイス版にはやはり負けてしまうが、演奏としてはまずまずの出来ばえ。

三つのバージョンを通しで聴いていて感じることは、バディ・ホリー(とノーマン・ペティ) の作曲センスはやはりハンパじゃなくスゴいってこと。

なんていうか、白人向けに歌っている白人ミュージシャンなのに、ゴスペルとかブルースなどの、ブラックなフィーリングが横溢しているのですよ。サビの繰り返しの部分とか、特にね。

まあ、だからこそ、"もっとも黒いフィ-リングを持つ白人"と呼ばれたウィンウッドが、この曲を取り上げる気になったんでしょうな。「Peggy Sue」だったら、絶対歌わないだろーし(笑)。

50年代まで、ピアノ、サックスといった楽器が立役者だったロックンロール・バンドを、ギター中心、あるいはギター・オンリーにシフトさせていったのは、ホリーの功績がひじょうに大きいと思う。もし、バディ・ホリーがいなかったら、イギリスの60年代の音楽シーンはかなり違ったものになったはずで、ビートルズ、ストーンズ、キンクスといったギター中心のビート・バンドたちも、ホリーの存在あってこそ、自然発生してきたのではないかな。

大西洋を超えて多大な影響を与えた、元祖眼鏡ロッカー。ある意味でエルヴィス以上の神的存在といえそう。ビバ・バディ!

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