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音曲日誌「一日一曲」#304 田中良「Jazz Me Blues」(ジャズ・ミー・ブルース/Dreamsville Records)

2024-02-03 06:09:00 | Weblog
2014年1月26日(日)

#304 田中良「Jazz Me Blues」(ジャズ・ミー・ブルース/Dreamsville Records)





シンガー/ソングライター、田中良(まこと)のサード・アルバム(2001年リリース)よりタイトル・チューンを。田中自身の作品。

田中良は1962年宮城県白石市生まれ。ギター、ピアノを独学でマスター。ブルース、ニューオーリンズR&B、ジャズなどのルーツミュージックに強く影響を受けたノスタルジックな楽曲作り、そしてその強烈なダミ声がクロウト筋にも高い評価を受けて、スローペースながらもアルバム制作、そして全国でのライブ活動を続けているシンガーだ。

筆者も一度、渋谷のタワーレコードで彼のインストアライブを観たことがあるが、巧みなドブロギター演奏、そして一度聴いたら忘れられない、ルイ・アームストロングばりのしゃがれ声に、ノックアウトされたのを覚えている。日本にも、こんなスゲー歌い手がいたんだと。見た目はわりとスマートな容姿なのに、声はもろにアーシィ。ギャップがスゴいのだ。

まずは、きょうの音源を聴いていただこう。ジャズィなバッキング、それもモダン以前の古いスタイルのジャズ・サウンドにのせて、唸るような田中の歌声が堪能できる。とにかく、その声には唯一無二の存在感があり、しかも非常に表現力がゆたかだ。筆者も同じ歌い手として「彼こそホンモノだ」と脱帽せざるをえない。

youtubeにはこのほか、ライブ版の「Jazz Me Blues」もアップされているが、そちらはバンド演奏でなく、ギター弾き語りによるもので、スタジオ録音版以上にパワフルである。ギターも歌も、ひたすらラウドなんで圧倒されてしまう。

われわれは、音楽を聴くとき、どうしてもマスメディア露出の多いアーティスト、メジャーレーベルから出ているCDばかり選びがちだが、こういう草の根的な活動を続ける非メジャーなアーティストにも、本場アメリカに出しても恥ずかしくないリアル・シンガーがいるのだ。ぜひ、覚えておいてほしい。

歌こそは彼のセールスポイントであるが、もちろん楽器演奏も素晴らしい。ギターはアコースティック、エレクトリックともにこなし、スライドも上手い。そのライブステージは、彼のパワーで満ちあふれている。

50代に入り、いよいよブルースマンとしても磨きが入ってきた田中良。今年こそは、彼のようなミュージシャンが注目され、好んで聴かれるようなミュージック・シーンになってほしいものだが。

田中のタフでハートウォームな歌声、聴くと元気が出まっせ。





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