2008年4月19日(土)
#30 マジック・スリム「I'm A Bluesman」(Anything Can Happen/Blind Pig)
マジック・スリム&ザ・ティアドロップス、2005年のライブ・アルバム「Anything Can Happen」より、トップの一曲を。カリフォルニア州チコ、シェラネバダ・ブリュワリーにて収録。
マジック・スリムは現在70才。50年代なかばからシカゴで活躍している、筋金入りのブル-スマンだ。
そんな彼の、まさに名刺代わりのオープニング・ナンバー。何の衒いもなく「オレはブルースマンだ」と仁義を切る。ストレート極まりないのだが、それがまさにマジック・スリムの持ち味じゃないかと思う。
先日取り上げた、彼の盟友、ジョン・プライマーもそうだが、こういうザックリとした感触のブルースが最近あまり見られないだけに、聴くとなんだか嬉しくなる。
愛器フェンダー・ジャガー(ちょっと珍しいよね)を手に、七十間近の男が力強く歌いまくる。ぐいぐいと曲を進めるそのパワーには、なんというか「漢(おとこ)」を感じざるをえない。
前作「Blue Magic」('02)ではパパ・チャビーをプロデューサーに迎えて、少しサウンドに変化が出てきたような印象もあったが、どっこい、ライブではあくまでも「押し相撲」を通している。
バックのティアドロップスが生み出すリズムも、実にキレがよい。
これぞ永遠不滅のブルースのグルーヴ。さすがだぜ、マジック・スリム!