NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音盤日誌「一日一枚」#357 ザ・ネヴィル・ブラザーズ「LIVE ON PLANET EARTH」(A&M POCM-1066)

2022-11-06 05:00:00 | Weblog

2007年5月6日(日)



#357 ザ・ネヴィル・ブラザーズ「LIVE ON PLANET EARTH」(A&M POCM-1066)

早いものでGWも最終日。あしたからまた仕事かと思うとちょっとブルーが入るが、そんなわたし&あなたに元気の出るこの一枚。ネヴィル・ブラザーズのライブ盤である。

94年リリース。タイトル通り、アメリカ、イギリス、フランスなど世界各地でのライブを収録したもの(らしい)。らしい、というのは、逐一クレジットが入ってないからなのだが、聴き手は一回分のライブとしてまるごと楽しめばいい。

おなじみ、アート、アーロン、シリル、チャールズのネヴィル兄弟に4人のバックを加えた8人編成。

NO系アーティスト・ジェラルド・ティルマンの「シェイク・ユア・タンバリン」に始まり、ボブ・マーリィ、カーティス・メイフィールドのメドレー「ワン・ラヴ/ピープル・ゲット・レディ/サーモン」に終わる全14トラック。

いずれもネヴィルズの120%ファンクなグルーヴが、めいっぱい詰まっている。

アーロンを主軸に四兄弟全員がボーカル担当というのも、強力やね。そのハーモニー・ワークのスゴさは、兄弟グループの多いブラック・ミュージック界でも、屈指のものであるな。

演奏されるナンバーは、彼らのオリジナルが中心だが、他のアーティストのカバーにも、なかなか大向こうを唸らせるものがある。

たとえば、スライド・ギタリスト、サニー・ランドレス作の名曲「コンゴ・スクエア」。これはいまではNO系のアーティスト達にとっては、彼の地を象徴する重要なナンバーとなっているようだ。

この曲でのネヴィルズ、そして観客の盛り上がりぶりは、ハンパじゃない。泣き、叫び、喚き、なんでもありの世界。これぞニューオリンズの熱狂。

続く「愛への讃歌/無情の世界」も、ロックファンを大いにくすぐる選曲やね。スティーヴン・スティルス作、アイズリー・ブラザーズでもおなじみ、ミーターズ時代にも録音のあるナンバーと、ストーンズの名曲のカップリング。特に後半へとシームレスでなだれ込む展開の見事さには、舌を巻く。

さらにはボブ・マーリィの「ゲット・アップ、スタンド・アップ」やトラッドの「アメイジング・グレイス」なども取り上げているが、いずれも魂にガツン!とくる歌とアレンジだ。

アートの達者なキーボード、アーロンの歌ごごろ溢れるボーカル、シリルの圧倒的なパーカッション・プレイ、そしてネヴィルズ・サウンドの見事なアクセントとなっているチャールズのサックス。さらには、彼らを支えるリズム・セクションのパワー・プレイ。もう、文句のつけようがない。

ファンク、セカンド・ライン、レゲエの強力無比なリズムの奔流に身をまかせて、音の世界旅行をたっぷり味わえる一枚。ネヴィルズ、やっぱええです。

<独断評価>★★★★



最新の画像もっと見る