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音曲日誌「一日一曲」#138 ザ・ホームズ・ブラザーズ「Speaking in Tongues」(Speaking in Tongues/Alligator)

2023-08-17 05:00:00 | Weblog
2010年9月12日(日)

#138 ザ・ホームズ・ブラザーズ「Speaking in Tongues」(Speaking in Tongues/Alligator)





ザ・ホームズ・ブラザーズ、2001年アリゲーター・レーベル移籍第一弾のアルバムより、タイトル曲を。シャーマン&ウェンデルのホームズ兄弟の作品。

ホームズ・ブラザーズ(ホルムズと表記されることも多い)は80年ニューヨークにてホームズ兄弟、そしてポプシー・ディクスンの3人により結成。以来、現在に至るまで30年間、不動のメンバーで活動し続けている。

シャーマンが今年71才、ウェンデルが67才、ポプシーが68才と、現役黒人バンドの中でも相当高齢の部類に入るが、そのパワーはいまだに衰えていない。

CDデビューは90年。ラウンダーで4枚、アリゲーターで4枚のアルバムを出している。最新作は今年リリースの「Feed My Soul」。

もともと彼らはゴスペル畑の出身で、レパートリーもゴスペル調の曲が多いのだが、ブルースも同じくらい好きなようで、ライブステージでもゴスペルとブルースが交互に演奏されたりして、かなーり異色のバンドといえる。

で、歌が基本のゴスペル系だけあって、非常に達者なボーカルを聴かせてくれるのが、彼らの魅力。ギター/キーボードのウェンデルを中心に、他のふたりもコーラスだけでなく曲によってはリードもとるなど、歌がきわめて充実しているのである。とりわけポプシーのファルセット・ボイス、これまたバンドのチャーム・ポイントといえる。

きょうの一曲は、ソウルな味わいのアップテンポ・ナンバー。ゴスペルやブルースといったルーツ・ミュージックを土台に、ロックなどのコンテンポラリーな音楽のセンスも取り入れた音作りが見られる。

レコーディング当時の彼らの平均年齢は、57.7才といったところか。とてもそうは思えない、実に若々しくタイトでパワフルな音である。

最新作ではビートルズの「I'll Be Back」もカバーしている、ホームズ・ブラザーズ。何才になったって、ロックンロールは出来る。「Too Old to Rock'n'Roll」なんてことはないと、これを聴いて確信できる。

たった3人で、これだけの歌と演奏をこなすバンドなんて、他にはそう見当たらない。ネヴィル・ブラザーズと並ぶベテラン黒人バンドとして、今後も精力的に作品を世に出し続けてほしいもんだ。

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