「~さる」言葉は否定文でよく使う→「~さらない」
使用例:
1)このペン書かさらない。─インク固まってるんでないの?
2)ファックス送らさってない。─切り替え式だべか?
3)シャッター押ささらない。─フイルム巻かさってないんでないかい?
(アナログな例文ですみません)
なにそれ?
北海道弁です。ワタシ道産子です。
東京で会社員やっていたころ、「ファックス送らさらないわ」などと言って「その日本語はおかしい」と指摘されました。しかし旭川出身の同僚二人と(札幌出身の私は)一致団結して「なんもおかしくないしょ!」と強気に出たものです。
どうも標準語では「送れなかった」と言うらしいけど、それじゃあ主語が「ワタシ」みたいに聞こえません? 私が「できなかった」わけじゃなくて、ファックスが送信先に届かなかったのです。「届かなかった」といえば主語はファックスでしょうかね。原因が当方の機械なのか先方の機械なのか、はたまた回線のせいなのかはわからないけど、とにかくワタシの意志とは関係なく「送らさらなかった」のだから、その表現以外では満足できないのです。
動詞の活用が変だとしても、北海道では「送らさらない」に「送れない」とは違う意味があるのです。「ペンが書けない」のではなく「書かさらない」のだし、シャッターは「押せない」のじゃなく「押ささらない」のです。物に敬語を使っているわけではありませーん。
肯定文ではどういう例があるかなー。と、ちょっと考えました。
「テレビついてるとさー、ついつい見らさっちゃうよね~」
見ようとしてるわけじゃない、というニュアンスが伝わりませんか?
「追い風が強くて、走らさっちゃった」
走るつもりはないのに、風にあおられて足早になるのは、「走る」という意識的な行為ではなく、「走らさる」にほかならないと思うんですが、、、ダメでしょうか? 理解不能?
しかしながら、「~さる」言葉を使用できる動詞は限られているし、文法的にどういうことになってるのかよくわかりませんわ。とにかく、これだって日本語ネイティブの表現なんですよぅ~!
続きもあるでよ→[さる]言葉を解く