まんぼ~が歌舞伎へ。
大変ありがたいことに、タヒチリピーターのお客様が歌舞伎公演の
チケットをプレゼントして下さいました。
劇場の前にやってくると、熱心なファンと思われる人が沢山です。
気軽に入れる雰囲気ではありますが、初めて来た初心者であること
はバレたくないものです。 劇場だけに、上手く立ち回らないと。
松竹座に歌舞伎を観にくるのも50回目くらいかな~。
って言うか、いちいち回数なんて数えてないしな~。
という感じを出しながら、開演を待っています。
手元にある予約番号をもとに、チケットを発行しなければ。
劇場の周辺を散策して、チケットを発行するマシンを見つけました
ので、発行している人を遠くから観察しましょう。
食べ方の分からない料理が出て来た時に、隣の人の真似をする
感覚に似ています。 アレを押してから、アレを押すのか。
いざマシンの前に立つと、操作が分からずに固まってしまいました。
ここは大事ですよ。 初心者だとバレるかどうかの瀬戸際。
後ろの人に聞こえるように、大きな独りごとを言っておきます。
「あれ、このマシンは新しくなったのかな」
「以前のマシンに慣れてるから、急に新しくなると困るな」
マシンが変わったからモタモタしているという設定になりました。
銀行のATMのように、無言のプレッシャーがあるんですよね。
「早くしてよね」 「操作を間違えないでよ」 みたいな雰囲気が。
チケットの発行に成功して、劇場に入ろうかと思ったら、イヤホン
ガイドのレンタルがあるじゃないですか!
イヤホンで音声が色々と教えてくれる素晴らしいサービス。
時代背景や状況を説明してくれるサポートはありがたいです。
いるに決まってますけど、イヤホンを借りると自分が初心者である
と言っているようなものですから、少し工夫をしなければ。
「すみません。 イヤホンを1つ貸して下さい」
「僕は必要ありませんけど、仕事でイヤホンの開発に関わってい
ますので、色々なイヤホンに興味があるだけなんです」
ハイハイ、分かりました。 という感じで貸してくれました。
スマホの電源は切り、周囲の人の邪魔にならないようにして、演目
の間にはウロウロしない。
何か行動を起こすと、文化レベルが低いことがバレますから、普通
に静かにしておけば良いのです。
入り口には、満員御礼の看板が出ていました。
「今日は満員なのか~。 今度の歌舞伎座も満員だろうな~」
と独りごとを言いながら、ツウの感じで劇場へと入っていきました。
お芝居を観に来ているつもりが、自分が必死にお芝居をしている
不思議な感覚です。
私の大根芝居はさておき、劇場で観たものを簡単にお届けします。
獅子舞の踊りや口上に始まり、坂東玉三郎さんの生い立ちや所作
についての解説がありました。
舞踊には手ぬぐいや扇子を使った表現も含まれており、そこには
演者さんの様々な「技」が駆使されています。
「技というものは、相手に押しつけるものでは御座いません」
この言葉が特に印象に残りました。
自身の繰り出す技を、どう感じるかはお客様の自由であり、相手
がどのような反応であっても受け止めます。
玉三郎さんの、芸に対する美学を仰っていたのだと思います。
これ見よがしに、ブログで浅い笑いを発信している誰かとは役者
が違うのです。
歌舞伎というだけあって、歌あり、踊りあり。
煌びやかな着物に身を包みながら、面白いお話や琴の演奏もあり、
あっという間の2時間です。
イヤホンガイドの言っている意味が分からない部分もありましたが、
自分なりに初めての歌舞伎を楽しみました。
そこに集まっている人が、同じ空気感の中で楽しみを共有出来る
のも、劇場ならではの良さだと思います。
私が言える立場ではありませんが、皆様も機会があれば劇場に足
を運んで、歌舞伎をご覧になってみて下さい。
日本の伝統芸能に触れる機会を下さったお客様に、改めて感謝を
申し上げたいと思います。
神奈川県在住のK・Y様。 誠にありがとうございました。
大入りの歌舞伎だけに、新年早々から縁起(演技)が良かったな。
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