まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

締めのソバ

2010-03-17 17:37:32 | 飲んで幸せ・食べて幸せ
季節ネタをひとつ書き忘れていました。
今朝の福島はまた少し冷え込んで、雪も少しチラついていたので、
タイムリミットが来る前にかろうじて思い出せました。

私の日本酒の師匠のお店 「麦のはな」 では、
ひとり3500円で飲み放題の宴会ができます。
価格破壊が進んだ今の日本ではもはや標準的な価格設定で、
この値段自体にもう驚きはないかもしれません。
(学生たちがよく行くような居酒屋チェーン店をできるだけ避けている私なんかは、
 最初この値段を聞いたときはけっこう驚いたものでしたが…)
ただし、この店の特長は、冬のあいだは宴会のコースに鍋がつくわけですが、
宴会の人数が増えて、鍋の数が増えるにつれて、
鍋の種類を増やしてくれるというところです。
普通は鍋が2つ、3つ出てきても中身は同じなわけですが、
「麦のはな」 ではあっちの鍋とこっちの鍋で違う物を作っているということになるのです。
(最大3種類の鍋を出してもらえます)

先日は6人で宴会だったのですが、
鍋は2つ出て、ひとつは塩チャンコ、もうひとつは常夜鍋でした。
このシステムを楽しむためには、6人くらいで行くのがちょうどよく、
この人数ならあっちの鍋もこっちの鍋も味わうことが可能です。
これが10人超えて鍋が3種類出てきたとしても、
わざわざ一番向こうの鍋からよそってもらうのは至難の業です。
6人で2つの鍋というのはベストバランスだったと言えるでしょう。
特に私は真ん中へんに陣取っていましたから、
どちらの鍋も自力で味わうことができました。

塩チャンコはご存知の通り、塩味の薄い黄色っぽい色の出汁に、
大量の野菜と肉団子などを入れて味わう鍋です。
常夜鍋というのは、私も最近耳にするようになりましたが、
豚肉と白菜とホウレン草を主体とする鍋のことのようです。
毎晩食べても飽きないという意味で常夜鍋と呼ばれるというのは聞いたことがあります。
ウィキペディアには 「豚しゃぶと呼ばれることもある」 と書いてありますが、
私のイメージでは、常夜鍋と豚しゃぶは別ものだと思うのですが、どうなんでしょう?
「麦のはな」 の常夜鍋は醤油ベースの出汁になっていました。

さて、鍋と言えば最後の締めはうどんかおじやですね。
ところが驚いたことに、最後に持ってこられたのはうどんとソバだったのです。
塩チャンコはうどんで、常夜鍋のほうはソバでお楽しみくださいとのことです。
鍋にソバを入れるというのは初めてです。
鍋で煮込んでしまうということを考えるとソバはちょっと…という気がしますが、
師匠のお薦めですので黙って従うことにします。
おそるおそる食べてみると、これがみごとにビンゴでした。
一度これを食べてしまうと、
この醤油味の出汁にはソバ以外ありえないだろうという気がしてきてしまいます。
だいたいそんなに大した量でもないし、
6人でつつくわけですから、あっという間になくなってしまい、
煮込まれてしまうほど長時間加熱されるわけでもありませんので、
ソバが伸びてしまうなんていう心配は杞憂だったわけです。
こってり塩味の出汁で味わううどんとともに、
2種類の鍋を最後まで堪能することができました。
締めのソバ。
またひとつ新しい文化を学んでしまいました。

ちなみに私たちはひとり500円ずつプラスして、
純米酒も大吟醸も店に置いてある日本酒すべて飲み放題というコースにしていました。
全国の名だたる銘酒を総ナメにしてすっかりベロベロになったのでした。
これでたったの4000円です。
デフレ・スパイラルおそるべしっ。
果たして師匠はこれで儲けが出たのでしょうか?
今度は飲み放題ではなくおじゃまして、
適正な価格を支払って借りを返さなければと思います。