寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

さあ大変、異動だ…(36)

2012年03月05日 07時19分01秒 | 日記
円山事業部長と亀田部長…同期の師弟?(笑)は怖々(こわごわ)とキャバクラに向かいました。
「いらっしゃいませ」黒服が恭(うやうや)しく最敬礼でお出迎えでした。
入り口のドアは、これはかなりの年代物だと分かる木製のものでした。
壁はあくまでも穏やかなベージュカラーを基調に落ち着いた石垣をモチーフした造りです。「こんなもの…」張りぼてだろう…と亀田部長が「コンコン!」触ると本物です♪
ドアの上に黒塗りの看板が掲げていて、
king & madam
「う~ん」
見上げる二人…うち亀田部長はそれを見て「俺たちが王様だろうか…」たかがぼったくだとタカをくくっていたのが以外と豪華な作りにチョッピリイメージを変えていました。
「ねえ事業部長…」
ん?「何だよ」
「ここって…何だか響(ひびき…クラブ名)みたいですね」
亀田部長がいくつか接待に使う祇園の高級クラブとひけを取らない造りについ声を掛けてしまいました。
「ああ…凄いなぁ」
たかがキャバクラだと思っていた円山事業部長も驚きの声をあげていました。
「カード…」
「しっ!」
円山事業部長は口に指を当てて制しました。木製のドアが開かれると、中は眩(まばゆ)いばかりのカクテル光線が二人を迎えます。ソウル調の気だるい音楽が部屋内にまとわりつくように流れています。
「これはエライところにきたみたいだぞ」…亀田部長は経験からそう感じました。
「…」さすがの円山事業部長も唖然とするよりありません♪
二人が立ち尽くしているホールの入り口には洋風の衝立がありました。それがスーと、音もなく動くと中からベージュのドレス姿が現れました。
髪は艶やかな黒、
潤んだ瞳に摘まんだように高い鼻
真一文字に結んだ唇から白い歯が覗き笑みを魅せました。
万事が大用に作られた顔の箇所がバランスよく配置されていて外国人に見間違うくらいエキゾチックでした。
実はこのタイプに滅法弱い亀田部長は一遍に惚れてしまいました(笑)
「ようこそお出でくださいました」
会釈も堂に入っていて如何にもお客扱いに慣れている感じです。
「あ、どうも、」
マダムから目を離さない亀田部長…彼女にペコペコしてどちらがお客かわからない有り様ですが(笑)…
「若宮が待っているんだって!」
円山事業部長は冷静を取り戻していました。 「はい…中でお待ちかねですよ」
ニッコリ笑うと片笑窪「えくぼ」ができました。
「ほ~い♪」
元気よく返事する側で円山事業部長はあきれていました。
「お前なぁ…」さっきまでビビっていたのは何なんだょ(苦笑)
苦笑いしながら
「じゃあ案内頼むよ」場馴れした様子で円山事業部長の懐の深さを亀田部長は改めて感じましたが、
キリリとした円山事業部長にダレ~ンとニヤケた亀田部長…マダムの放つ妖艶な肢体に恋い焦がれる浅ましい中年に成り下がっているのに気がついていないのでしょうね(笑)
コメント
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