「逃げたら…か…」
鬼塚専務は考え込みます。
「おい、食べないのか!?」
「ああ…お前に任すよ」山形副社長の喰いっぷりに唖然としながら、 こいつはつくづくハートが強くできているなぁ…と改めて眺めていました。
「なぁ…山形よ」
「うん?」
「円山の事だけど…」「円山?」
「ああ…あれを役員に推薦したのは俺達だけど」
それがどうした…と言わんばかりにギョロリと目を剥きますが、鬼塚専務は怯(ひる)みません。
「お前だったらどうする」
この勝ち気一辺倒な男に訊くまでもなく答えは出ていましたが、
案の定山形副社長はギョロリギョロリと目を回しながら
「お前俺に何を言わせたいんだよ」
箸は止まりません(苦笑)
「いやぁ~お前と腹の探り合いはしたくないからハッキリ言ってほしいよ」
「う?」ここで箸が止まりました。
ビールをグビリと飲み「うなぎはやっぱり白焼きだな…」
九州出身の山形副社長は腹開きのタレの掛かっていない白焼きが好物です。東京で腹開きがお目にかかれるのはここくらいです。
因(ちなみ)にうなぎの裂き方は背開きと腹開きがあります。(この話しは結構有名ですが…)
東京は江戸時代の名残で切腹を連想する腹開きは敬遠されてきました。 関西は逆に腹開きが主流ですが…
二人前のうなぎをぺロリと平らげた山形副社長は満足気にビールを飲み干していました。「お前昔からうなぎが好きだったからなぁ」山形副社長にとってうなぎは○○の次に好物でした。
タレの付かないうなぎは巧く焼かないと泥臭さが鼻につきますが、さすが名物の看板を掲げている老舗でした。 「ここの焼き方は抜群だよ、」
「そうか…」
「ああ…ちょっと焦げ目が着いているんだよ」
大柄な山形副社長は身体を縮めてクスリと笑いました。
こんな仕草をするときはご機嫌の時です。
「この香ばしいさと歯触りがいいんだなぁ…」
名残惜しそうに空っぽになったお皿を撫でていました。
そんなものか…鬼塚専務は思いますが「うなぎを語らせたらうるさいで、俺は!! 」
(うそぶ)嘯く山形副社長(笑)訊いた俺がバカだったかな(苦笑)
「円山はだめなら切ったらええんじゃあ!」お皿を眺めていた山形副社長がいきなり話し始めます。
「社長もあまりいい印象をもっていらっしゃらないからなぁ」
去年円山本部長を役員に推薦したとき確かに速答が貰えなかったのは事実でした。
「う~ん」
鬼塚専務は腕組みしながら唸ります。
自ら推薦した円山事業部長が降格になれば推薦した自分の責任も問われてしまいます。
「それはマズイ…」
「だろ!!」
山形副社長はうなずきながら鬼塚専務をジロッと睨み付けました。 「だったら円山を育てるしかないんだよ」「う~ん」
人事ですら言うことを訊かない円山事業部長…
わしらが育てるなんて、いずれ力を付けた円山にクビにされるかもしれないぞ…
「う~ん」
又々唸り出しました(笑)
鬼塚専務は考え込みます。
「おい、食べないのか!?」
「ああ…お前に任すよ」山形副社長の喰いっぷりに唖然としながら、 こいつはつくづくハートが強くできているなぁ…と改めて眺めていました。
「なぁ…山形よ」
「うん?」
「円山の事だけど…」「円山?」
「ああ…あれを役員に推薦したのは俺達だけど」
それがどうした…と言わんばかりにギョロリと目を剥きますが、鬼塚専務は怯(ひる)みません。
「お前だったらどうする」
この勝ち気一辺倒な男に訊くまでもなく答えは出ていましたが、
案の定山形副社長はギョロリギョロリと目を回しながら
「お前俺に何を言わせたいんだよ」
箸は止まりません(苦笑)
「いやぁ~お前と腹の探り合いはしたくないからハッキリ言ってほしいよ」
「う?」ここで箸が止まりました。
ビールをグビリと飲み「うなぎはやっぱり白焼きだな…」
九州出身の山形副社長は腹開きのタレの掛かっていない白焼きが好物です。東京で腹開きがお目にかかれるのはここくらいです。
因(ちなみ)にうなぎの裂き方は背開きと腹開きがあります。(この話しは結構有名ですが…)
東京は江戸時代の名残で切腹を連想する腹開きは敬遠されてきました。 関西は逆に腹開きが主流ですが…
二人前のうなぎをぺロリと平らげた山形副社長は満足気にビールを飲み干していました。「お前昔からうなぎが好きだったからなぁ」山形副社長にとってうなぎは○○の次に好物でした。
タレの付かないうなぎは巧く焼かないと泥臭さが鼻につきますが、さすが名物の看板を掲げている老舗でした。 「ここの焼き方は抜群だよ、」
「そうか…」
「ああ…ちょっと焦げ目が着いているんだよ」
大柄な山形副社長は身体を縮めてクスリと笑いました。
こんな仕草をするときはご機嫌の時です。
「この香ばしいさと歯触りがいいんだなぁ…」
名残惜しそうに空っぽになったお皿を撫でていました。
そんなものか…鬼塚専務は思いますが「うなぎを語らせたらうるさいで、俺は!! 」
(うそぶ)嘯く山形副社長(笑)訊いた俺がバカだったかな(苦笑)
「円山はだめなら切ったらええんじゃあ!」お皿を眺めていた山形副社長がいきなり話し始めます。
「社長もあまりいい印象をもっていらっしゃらないからなぁ」
去年円山本部長を役員に推薦したとき確かに速答が貰えなかったのは事実でした。
「う~ん」
鬼塚専務は腕組みしながら唸ります。
自ら推薦した円山事業部長が降格になれば推薦した自分の責任も問われてしまいます。
「それはマズイ…」
「だろ!!」
山形副社長はうなずきながら鬼塚専務をジロッと睨み付けました。 「だったら円山を育てるしかないんだよ」「う~ん」
人事ですら言うことを訊かない円山事業部長…
わしらが育てるなんて、いずれ力を付けた円山にクビにされるかもしれないぞ…
「う~ん」
又々唸り出しました(笑)