おはようございます^^
昨日、家の前で日向ぼっこしていた近所のおばぁさんを見掛け 暇だったもので ちょっと お喋りをしました。
今日はええ天気ですねぇ^^と声を掛けると おばぁさんも 手持ちぶさた暇を持て余していたんでしょう すぐに 「ほんま、エエ天気やわぁ」
とこれは関西地方の会話を 分かり易く翻訳しながら書いていますが、できるだけ 関西風味も愉しんで頂こうと思っています。
ですから あれれ‥なんや分からへんがな となりましても 投げ出さないで最後までお付き合いを頂けたら幸いです(笑)
さて話を戻します。
家の前に縁台があってその真ん中に おっちん(座る) していたおばぁちゃん 耳はお伊勢さんではないようで
※(こちらでは耳がお伊勢さん、と言います‥関西からお伊勢参りが盛んであった頃ですから明治の始めでしょうか。兎に角 旅行と言えば、
自力、自分の足で歩いてゆくしか方法がなかったのですから関西からかなり時間が掛ったようで、そこから お伊勢さんは遠い、
という評判になって 遠いというのを耳が遠いと比喩(ひゆ)したのが始まりのようです。
最初は誰やったかいな、と警戒をした顔をしていましたが、すぐに町内の若い衆(このおばぁちゃんは自身が子育てを終えて一段落した
四十代かそれくらいの年であるつもりでいたようですだから二十歳近く離れている目の前の男は、自分の40歳-20歳=二十歳、すなわちこの町内では若い衆となるわけですね)
と気が付いて ああ‥健ちゃんか (私の本名です)と笑顔になりました。 ところで、最近このような田舎町に イエ田舎だからこそ 千三屋(せんみつや)
みたいな輩(やから)が横行して困っています。
千三屋 とは千に三つの本当しか言わない つまり嘘つき、詐欺師を軽蔑して言ったのです。 そりゃ田舎の人は生活空間が村やその周辺だけの
狭い世界です。その中で各自が小さな田んぼを一生懸命耕し主食のお米を収穫して 副食はこれまた田んぼの空いたところや畔(あぜ)を使って栽培した
大根やかぼちゃ、ほうれん草、ネギ、豆、じゃが芋、里芋、さつま芋などの自給自足の生活でした。そんな慎(つつ)ましい生活をするにはできるだけ始末をして
寝る間も惜しみ真っ黒になって働くことでした。
併(しか)し普段から身体は使っていますし粗食であるので 成人病などとは全く縁がないの長寿の方が良いところかも知れません。
先程 世間が狭いと言いましたが、狭いだけに ほとんどの人と顔見知りですから 嘘をついたりだましたりは出来ません。
そんな事をしたら一遍に村八分(これは分かりますよねぇ)になってしまい生きてゆけませんから‥‥
昔の田舎は粗末な暮らしてありましたが 気楽さではパラダイス・理想郷だったかも知れませんね。 そんな環境で生きてきた おばぁちゃん、近頃の世相の乱れを
どう見てるのでしょうか。 家人から 他所(よそ)の人が喋ってきても 相手になったらアカンでぇ‥
(普通はアカンよ‥となるのですが関西弁はでぇ と子音が最後について来るようです) と念を押されているのですねぇ。(ここも子音で終わります)
まぁ、それだけ世の中が世知辛(せちがら)くなっているのです。
それで 話を本題に戻します。
おばぁちゃんはお歳(恐らく80歳半ばくらいかな)の割にはしっかりされていて 私の事をしっかりと確信した風で くしゃくしゃの顔を向けながら
昨日は寒かったなぁ と震えるふりをして ニコニコ。顔の半分に皺が寄ってしまって シワくちゃばばぁ‥と小学生の頃に言っていたのを
思い出して笑ってしまいましたが おばぁちゃんは私が話しの中から笑顔を作ったのと思って もう一度、皺くちゃな笑顔になりました。
話しはそれから 一年は早いなぁ とこぼした後に 孫が18歳で 早(はよ)うもらわんとお金が貰(もら)えんようになるとヨメが言うてた、
と今度は小さく笑ったので 皺も細かくなりました。 ん、 早くせんと(早くしないと)‥? 私はおばぁちゃんのいう意味が判りませんでした。
すると おばぁちゃんは 真顔になり もうすぐ誕生日が来るとなぁ19になりやるのよ。(19になる の丁寧語の方言です)
ほぉ~ 私も18歳以下の子供のいる世帯に10万円を支給する施策は知っていましたが 何分対象外なの興味がありません。
ですが支給日に誕生日が来て満年齢19歳になると対象から外れるなんて 意外でした。(これが本当かはウラは取ってません)
「そら、早うもらえるようにしやんと損するなぁ」‥私も話を合わせましたが 内心はそんなことはどっちでもいいし
それより 我々年金生活者の方への支給はないのか、とは同世代の人なら必ず口を尖(とが)らせ泡を飛び散らせて抗議しますよねぇ。
それを このおばぁちゃんに言うと 「そら、これからの若い子が大事やさかいなぁ・・」 おばぁちゃんはさも当然のような顔をして
笑いました。 う~ん 私はこの日向ぼっこして暇そうにみえた おばぁちゃんに一本取られた格好になりました^^
お邪魔さん、また 来るわ、
これ以上話をする気力が失せてしまった私は冷蔵庫に冷していたコーヒーゼリーを思い出して 挨拶もそこそこに帰ってしまいました。