まちの安全管理センター

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水不足と水の汚染

2013-04-23 15:02:51 | 日記
 中国の64%の都市で、地下水が深刻な汚染に見舞われていることが報道されています。118都市で継続して調査したデータを基にしたもので、33%の都市も軽度の汚染があるといい「基本的に地下水が清潔な都市」は3%にとどまったそうです。河川の汚染は、水は流れているので、汚染元を絶つなら比較的短期間にきれいにすることができます。しかし、地下水は、流動はあるものの、 流れはみえにくく、ある一定の部分「溜まる」ので、その浄化には時間とお金がかかります。
 中国の場合、水資源の約3分の1を地下水に頼っています。この地下水は、汚染されると非常に厄介ですし、大量に水を使うと、地下水の枯渇や地盤沈下に繋がります。日本でも地下水の過剰な活用は様々な問題をよんできました。日本では地下水の利用率は低いうえに、長期的にその活用量も減る傾向にあります。
 しかし、中国の場合にはかなり実質的な活用があるうえに、汚染が進んでいる状況があります。中国の経済成長は、水の使用量も劇的に増やしています。工業はほとんどの場合、大量の水を必要とします。また生活レベルの向上は水の使用を増やします。風呂に毎日入り、水洗トイレの生活スタイルが13億の国で起きたら、莫大な水が必要になります。農業用水もその使用量は増えていきます。
 水の量も質も問題なのです。中国では地下水だけが問題ではありません。河川の水資源も危機に面しています。揚子江の水は赤く濁り、山東省などの穀倉地帯は慢性的な干ばつに悩まされています。世界銀行によると、中国では現在、安全に飲める水を入手できない人が3億人も存在しているといいます。経済を優先してきた結果といえます。中国の大気汚染が問題視されていますが、水の方も深刻です。水不足と水の汚染は、中国の工業、農業にも深刻な影響を与えます。地下水の問題となるとかなり長期にわたる可能性が高く、長期的な慢性の水不足となります。水がないと、工業も、農業も人の命もなりたたないのです。
 中国内陸部では砂漠化が進み、それが黄砂現象を深刻化させています。そうした現象は、河川の水の量と質、地下水の水の量と質にも影響を与えています。にもかかわらず、中国での水の使用量は急激に伸びると予想されます。
 資源が無尽蔵にあるかのように無限の成長を想定する「カウボーイ経済」は、破たんを迎えます。その資源の枯渇においては、食糧、エネルギー、鉱物などが話題にのりますが、まず最初に中国でやってくるのは水です。大量の水の輸入は困難であり、一度汚れた地下水の浄化には長年の時間と莫大な費用がかかります。水不足と水汚染が中国の経済成長を止めるおそれがあります。今、中国経済の成長が止まったら世界は大混乱です。
 日本の技術による協力が不可欠のはず。日本と中国の冷戦は、中国にも致命的なデメリットをもたらします。今こそ、日本の技術で中国を支援し、外交問題を解決させるチャンスではないでしょうか?