ポジティブ・トランジションの悪さが致命的だ
レビューを書く気にもなれないような凡戦だった。特に前半の日本は展開の遅さとサッカーの小ささが目についた。
マイボールになっても周囲の選手は棒立ちのまま味方のボールホルダーを眺めているだけ。フリーになる動きやスペースを作る動きがない。その結果、パスをもらってはボールの出しどころを探して立ちすくむ光景がひんぱんに見られた。ポジティブ・トランジションが致命的に悪い。全員がゾンビのように歩いている。
そのため意味のない短い横パスやバックパスが必然的に多くなり、そこを狙われるケースもあった。また同じ理由で最終ラインからのビルドアップもできず、ボールをキープしたCBの吉田が「もっと動け」と前線の味方に指示を出す場面が目立った。
シリアのブロックは高くもなく、低くもなく。中庸だった。日本はシリアとは地力が違うためそれなりに決定機は作れていたが、もしシリアに徹底的にリトリートされベタ引きで来られたら例によって苦戦したかもしれない。そんな格下のシリアに決定機さえ作られたが、相手の拙攻に助けられた。そもそも日本の選手はカラダが重く感じられ、フィジカル・コンディションに問題を抱えているように見えた。
宇佐美が途中出場した後半は前半になかった選手間のコンビネーションと連動性が生まれ、意図のあるパスが2本以上つながるようになった。だが「すごくいい」と賞賛に値するようなレベルではない。前半から通じて総体的に日本の選手からは「勝ちたい気持ち」が感じられず、「これは本当にW杯予選なのだろうか?」と愕然とさせられた。
ただし日本が属するE組の死命を制する、グループ首位のシリア戦に「勝ったこと」だけはとてつもなく大きい。悪いながらも、苦しみながらも、勝って行くーー。今の日本にはそれしかない。試合内容に失望感は深いが、今はそこに一縷の望みを託すしかない。
レビューを書く気にもなれないような凡戦だった。特に前半の日本は展開の遅さとサッカーの小ささが目についた。
マイボールになっても周囲の選手は棒立ちのまま味方のボールホルダーを眺めているだけ。フリーになる動きやスペースを作る動きがない。その結果、パスをもらってはボールの出しどころを探して立ちすくむ光景がひんぱんに見られた。ポジティブ・トランジションが致命的に悪い。全員がゾンビのように歩いている。
そのため意味のない短い横パスやバックパスが必然的に多くなり、そこを狙われるケースもあった。また同じ理由で最終ラインからのビルドアップもできず、ボールをキープしたCBの吉田が「もっと動け」と前線の味方に指示を出す場面が目立った。
シリアのブロックは高くもなく、低くもなく。中庸だった。日本はシリアとは地力が違うためそれなりに決定機は作れていたが、もしシリアに徹底的にリトリートされベタ引きで来られたら例によって苦戦したかもしれない。そんな格下のシリアに決定機さえ作られたが、相手の拙攻に助けられた。そもそも日本の選手はカラダが重く感じられ、フィジカル・コンディションに問題を抱えているように見えた。
宇佐美が途中出場した後半は前半になかった選手間のコンビネーションと連動性が生まれ、意図のあるパスが2本以上つながるようになった。だが「すごくいい」と賞賛に値するようなレベルではない。前半から通じて総体的に日本の選手からは「勝ちたい気持ち」が感じられず、「これは本当にW杯予選なのだろうか?」と愕然とさせられた。
ただし日本が属するE組の死命を制する、グループ首位のシリア戦に「勝ったこと」だけはとてつもなく大きい。悪いながらも、苦しみながらも、勝って行くーー。今の日本にはそれしかない。試合内容に失望感は深いが、今はそこに一縷の望みを託すしかない。