日本のフォーメーションは3-4-2-1
オーストリア遠征での国際親善試合だ。日本のスタメンはGKが権田、3バックは右から植田、吉田、板倉。右のウイングバックが室屋成、左が長友。セントラルMFは左がアンカー的な橋本拳人、右が柴崎岳。2シャドーには右が三好、左が久保。ワントップは南野だ。
前半の日本はミドルプレスで始めたが、全体の重心が後ろに行ってしまい後ろが押し上げないので重たい展開になった。そのためボールを奪ってもいったんバックパスしては遅攻になる。よくも悪くも「日本らしいサッカー」だ。
前で奪って速いショートカウンター、などというパターンには絶対ならない。
もっと前に人数をかけ、前にパスコースを作る必要がある。
パナマはレベルの高いチームではないが日本もデキが悪く、前半はドングリの背比べだった。
後半の修正がきき日本ペースに
ところが後半のド頭から橋本に替えて遠藤航をアンカーに据えた日本は、打って変わってバランスが好転する。
選手の「矢印」がいっせいに前を向き、敵のビルドアップに対しては前からプレスをかける。
そのため前半分でボールを奪えるようになり、チャンスになれば前線へ飛び出す意識も高まった。
日本の心臓は遠藤航だ
遠藤航はさすがのデキだ。危ない急所を知っているし、敵のチャンスの芽をきっちり潰す。
マイボールの時には最終ラインからボールを引き出し、パスを前につける。遠くも見えており、はるか逆サイドへのサイドチェンジのボールも出している。
そしてチャンスになればスルーパスも出せる。
日本の先取点はそんな遠藤航の組み立てのパスから始まった。
後半13分。センターサークルの中心の位置で最終ラインの植田からボールを受けた遠藤航は、左前にいた久保に縦パスを出す。
それを受けた久保は敵最終ラインの裏のスペースへ飛び出した南野にスルーパス。決定的な場面にパナマのGKが南野をファウルで止める。
PKになり、南野が落ち着いてド真ん中に決めた。日本先制。1-0だ。
リード以後はたびたびチャンスを作る
これですっかりパスが繋がるようになった日本は、後半19分にも魅せた。
センターサークル付近で縦パスを受けた南野は後ろへフリック。このボールを受けた久保が右サイドの裏のスペースに飛び出した室屋へパス。
室屋が倒れながら左に出したパスを南野が受けて軽くドリブルし、左サイドを駆け上がった途中出場の原口にはたいた。
だがこれは南野のラストパスが弱かったぶん、敵DFに防がれてシュートが左にそれた。惜しいチャンスだった。
途中出場の鎌田と浅野が大爆発
そして日本は後半25分に久保に替えて鎌田を入れてシャドーにし、南野に替えて浅野をワントップに置いた。
この交代がまた奏功する。
鎌田は相手ボールになると低い位置まで下り、守備をしてボールを奪い組み立てのパスを出す。
一方、ワントップで周囲に空間を与えられたスピードスターの浅野は、長く難しいボールをダイレクトで味方にはたいたり、ライン裏のスペースに飛び出すなど大車輪の活躍をした。
後半31分には自陣の深い位置で柴崎から短い縦パスを受けた鎌田が、2タッチで前縦の浅野にすばらしい浮き球のスルーパス。
センターサークル付近で浅野は完全に敵ライン裏に飛び出し、GKと1対1に。ペナルティエリアから前へ飛び出した敵GKはたまらずファウルで浅野を止めた。
これで敵GKは一発レッドの退場になる。
また後半40分にはセンターサークル付近でパスを受けた鎌田が、前の浅野にまたもすばらしいスルーパスを出す。完全にスペースに抜け出した浅野はGKと正対したが、この好機はGKに防がれる。
このあともスペースを持った浅野は鎌田のスルーパスを受けて何度もライン裏に飛び出す動きをし、チャンスをたびたび作った。
選手の特徴がよく出た後半
鎌田はカバーエリアの広い守備とスルーパス、クロスで獅子奮迅の働き。何度も得点機を作った。特にスピードのある浅野とのコンビネーションは魅力的だ。
またなんといっても遠藤航はこれでレギュラー確定だろう。彼がド真ん中のアンカーに居座る日本はバランスがよく非常に機能した。
左サイドを激しくアップダウンする原口も効いていたし、吉田と植田、板倉の3バックも安定していた。浅野や鎌田、遠藤航を筆頭に選手それぞれの特徴がよく出た後半だった。
日本が不出来だった前半は「なかった」ような試合だったが、パナマのレベルが高くなかったことに加え後半は相手が1人退場となったこともあって、日本のよさがひさびさに光った試合だった。
課題はひんぱんに来た得点機に追加点を取れなかったことと、チームの中心であるはずの柴崎に元気がなかったことだ。柴崎はオランダ遠征でもいまいちだったし心配だ。
来週に控えた次の親善試合はメキシコだ。格上の彼ら相手にこんなラクな試合はできないだろうが、安定した守備をベースにしっかり無失点に抑えて戦ってほしい。
オーストリア遠征での国際親善試合だ。日本のスタメンはGKが権田、3バックは右から植田、吉田、板倉。右のウイングバックが室屋成、左が長友。セントラルMFは左がアンカー的な橋本拳人、右が柴崎岳。2シャドーには右が三好、左が久保。ワントップは南野だ。
前半の日本はミドルプレスで始めたが、全体の重心が後ろに行ってしまい後ろが押し上げないので重たい展開になった。そのためボールを奪ってもいったんバックパスしては遅攻になる。よくも悪くも「日本らしいサッカー」だ。
前で奪って速いショートカウンター、などというパターンには絶対ならない。
もっと前に人数をかけ、前にパスコースを作る必要がある。
パナマはレベルの高いチームではないが日本もデキが悪く、前半はドングリの背比べだった。
後半の修正がきき日本ペースに
ところが後半のド頭から橋本に替えて遠藤航をアンカーに据えた日本は、打って変わってバランスが好転する。
選手の「矢印」がいっせいに前を向き、敵のビルドアップに対しては前からプレスをかける。
そのため前半分でボールを奪えるようになり、チャンスになれば前線へ飛び出す意識も高まった。
日本の心臓は遠藤航だ
遠藤航はさすがのデキだ。危ない急所を知っているし、敵のチャンスの芽をきっちり潰す。
マイボールの時には最終ラインからボールを引き出し、パスを前につける。遠くも見えており、はるか逆サイドへのサイドチェンジのボールも出している。
そしてチャンスになればスルーパスも出せる。
日本の先取点はそんな遠藤航の組み立てのパスから始まった。
後半13分。センターサークルの中心の位置で最終ラインの植田からボールを受けた遠藤航は、左前にいた久保に縦パスを出す。
それを受けた久保は敵最終ラインの裏のスペースへ飛び出した南野にスルーパス。決定的な場面にパナマのGKが南野をファウルで止める。
PKになり、南野が落ち着いてド真ん中に決めた。日本先制。1-0だ。
リード以後はたびたびチャンスを作る
これですっかりパスが繋がるようになった日本は、後半19分にも魅せた。
センターサークル付近で縦パスを受けた南野は後ろへフリック。このボールを受けた久保が右サイドの裏のスペースに飛び出した室屋へパス。
室屋が倒れながら左に出したパスを南野が受けて軽くドリブルし、左サイドを駆け上がった途中出場の原口にはたいた。
だがこれは南野のラストパスが弱かったぶん、敵DFに防がれてシュートが左にそれた。惜しいチャンスだった。
途中出場の鎌田と浅野が大爆発
そして日本は後半25分に久保に替えて鎌田を入れてシャドーにし、南野に替えて浅野をワントップに置いた。
この交代がまた奏功する。
鎌田は相手ボールになると低い位置まで下り、守備をしてボールを奪い組み立てのパスを出す。
一方、ワントップで周囲に空間を与えられたスピードスターの浅野は、長く難しいボールをダイレクトで味方にはたいたり、ライン裏のスペースに飛び出すなど大車輪の活躍をした。
後半31分には自陣の深い位置で柴崎から短い縦パスを受けた鎌田が、2タッチで前縦の浅野にすばらしい浮き球のスルーパス。
センターサークル付近で浅野は完全に敵ライン裏に飛び出し、GKと1対1に。ペナルティエリアから前へ飛び出した敵GKはたまらずファウルで浅野を止めた。
これで敵GKは一発レッドの退場になる。
また後半40分にはセンターサークル付近でパスを受けた鎌田が、前の浅野にまたもすばらしいスルーパスを出す。完全にスペースに抜け出した浅野はGKと正対したが、この好機はGKに防がれる。
このあともスペースを持った浅野は鎌田のスルーパスを受けて何度もライン裏に飛び出す動きをし、チャンスをたびたび作った。
選手の特徴がよく出た後半
鎌田はカバーエリアの広い守備とスルーパス、クロスで獅子奮迅の働き。何度も得点機を作った。特にスピードのある浅野とのコンビネーションは魅力的だ。
またなんといっても遠藤航はこれでレギュラー確定だろう。彼がド真ん中のアンカーに居座る日本はバランスがよく非常に機能した。
左サイドを激しくアップダウンする原口も効いていたし、吉田と植田、板倉の3バックも安定していた。浅野や鎌田、遠藤航を筆頭に選手それぞれの特徴がよく出た後半だった。
日本が不出来だった前半は「なかった」ような試合だったが、パナマのレベルが高くなかったことに加え後半は相手が1人退場となったこともあって、日本のよさがひさびさに光った試合だった。
課題はひんぱんに来た得点機に追加点を取れなかったことと、チームの中心であるはずの柴崎に元気がなかったことだ。柴崎はオランダ遠征でもいまいちだったし心配だ。
来週に控えた次の親善試合はメキシコだ。格上の彼ら相手にこんなラクな試合はできないだろうが、安定した守備をベースにしっかり無失点に抑えて戦ってほしい。