スペインにボールを持たせてカウンターを狙うが……
インドネシアで開かれている「U-17ワールドカップ2023」はラウンド16を迎えた。11月20日、アジアカップで優勝しているU-17日本代表はスペインと戦った。試合は常に日本が先行される展開で、1-2で日本が力負けした。
なにしろ日本が入ったヤマは、スペインはいるわドイツはいるはブラジルはいるはアルゼンチンはいるわ、という地獄のような組み分けだ。もし勝ち進んでも前途多難だっただろう。
さてこのゲーム、基本はスペインがボールを持ち、日本は4-4-2のブロックを作って守る展開で進んだ。相手にボールを持たせて打ち取ろうという作戦だ。だが後述するが、彼らは決定的にそのためのノウハウに欠けていた。彼らはカウンター攻撃のやり方を知らないのだ。
立ち上がりから、日本は最終ラインでマイボールになっても、きちんとビルドアップしようとしない。単にロングボールを放り込むだけでガッカリした。そんな日本にチャンスがあるとすればショートカウンターだろう。
それにしても日本はのんびりプレイするチームだ。プレイスピードとボールスピード、判断のスピードが致命的に遅い。トランジションにも鋭さがなく、インテンシティも低い。たまに速く鋭い縦パスが入るが、基本はのんびりムードだ。
なんでもかんでも遅攻にしてしまう
このU-17日本代表は今年7月に行われたアジアカップで優勝したときもそうだったが、(せっかく速攻が利く状況でも)なんでもかんでも遅攻にしてしまう。戦況に合わせて臨機応変に戦うのではなく、常に「自分たちのサッカー=遅攻」だけをやっている感じだ。
彼らはとにかく攻めが遅いので、たまにマイボールにできてもすぐ敵に引かれて自陣にブロックを作られてしまう。必要もないのにバックパスし、その間に敵に守備の態勢を整えられてしまう。
皮肉に言えば、彼らは敵がブロックを作るのを「待ってやってから」攻めているのだ。とにかく切り替えが遅い。
このゲームの日本はスペインにボールを持たせているのだから、敵は常に前がかりになっている状態だ。つまりスペインは守備の態勢が崩れている。ならばボールを奪ったら速く攻めなければダメだ。敵の守備隊形が整っていないうちに攻め切ってしまわなければ勝機はない。このチームはもっと「縦への速さ」が必要なのだ。(これは「縦にロングボールを入れろ」という意味ではない)
日本は男子のフル代表だけが縦に速いサッカーをやっているが、それが各年代に浸透していない。日本は(フル代表を除き)女子も含めて各年代とも遅攻に偏ったチームばかりだ。彼らは局面に応じたサッカーができていない。
スペインの鋭い攻めを浴びる
さて試合はスペインが前でボールを奪うと、たちまち牙をむき出しにして攻めて来る。試合開始早々の前半8分。左から中央に鋭いラストパスを通され、キム・ジュニェントにゴールされた。先制点だ。
日本は押し込まれると、中央の敵アタッカーを簡単にフリーにしてしまう。守備がガタガタだ。これでは何点取られるかわからない。
だがそんな40分、右サイドから佐藤龍之介がマイナスのクロスを入れた。するとなぜかスペインの中央の守備が甘く名和田我空がフリーになっており、彼はゴール右にコースを狙ってシュートを決めた。同点だ。
しかし74分にはライン裏に斜めのスルーパスを出され、CFマルク・ギウに見事なゴールを決められた。日本の冒険はこれで終わった。
結論として、このチームはサッカーがわかってないし、駆け引きがまるでなってない。根本からコンセプト自体を考え直さなければダメだろう。
【関連記事】
【U-17アジアカップ決勝】評価が難しい雨中の「凡戦」だった 〜U-17日本 3-0 U-17韓国
【サッカーメディア】欠点だらけのU-17日本代表を誉めそやす「気持ち悪さ」
インドネシアで開かれている「U-17ワールドカップ2023」はラウンド16を迎えた。11月20日、アジアカップで優勝しているU-17日本代表はスペインと戦った。試合は常に日本が先行される展開で、1-2で日本が力負けした。
なにしろ日本が入ったヤマは、スペインはいるわドイツはいるはブラジルはいるはアルゼンチンはいるわ、という地獄のような組み分けだ。もし勝ち進んでも前途多難だっただろう。
さてこのゲーム、基本はスペインがボールを持ち、日本は4-4-2のブロックを作って守る展開で進んだ。相手にボールを持たせて打ち取ろうという作戦だ。だが後述するが、彼らは決定的にそのためのノウハウに欠けていた。彼らはカウンター攻撃のやり方を知らないのだ。
立ち上がりから、日本は最終ラインでマイボールになっても、きちんとビルドアップしようとしない。単にロングボールを放り込むだけでガッカリした。そんな日本にチャンスがあるとすればショートカウンターだろう。
それにしても日本はのんびりプレイするチームだ。プレイスピードとボールスピード、判断のスピードが致命的に遅い。トランジションにも鋭さがなく、インテンシティも低い。たまに速く鋭い縦パスが入るが、基本はのんびりムードだ。
なんでもかんでも遅攻にしてしまう
このU-17日本代表は今年7月に行われたアジアカップで優勝したときもそうだったが、(せっかく速攻が利く状況でも)なんでもかんでも遅攻にしてしまう。戦況に合わせて臨機応変に戦うのではなく、常に「自分たちのサッカー=遅攻」だけをやっている感じだ。
彼らはとにかく攻めが遅いので、たまにマイボールにできてもすぐ敵に引かれて自陣にブロックを作られてしまう。必要もないのにバックパスし、その間に敵に守備の態勢を整えられてしまう。
皮肉に言えば、彼らは敵がブロックを作るのを「待ってやってから」攻めているのだ。とにかく切り替えが遅い。
このゲームの日本はスペインにボールを持たせているのだから、敵は常に前がかりになっている状態だ。つまりスペインは守備の態勢が崩れている。ならばボールを奪ったら速く攻めなければダメだ。敵の守備隊形が整っていないうちに攻め切ってしまわなければ勝機はない。このチームはもっと「縦への速さ」が必要なのだ。(これは「縦にロングボールを入れろ」という意味ではない)
日本は男子のフル代表だけが縦に速いサッカーをやっているが、それが各年代に浸透していない。日本は(フル代表を除き)女子も含めて各年代とも遅攻に偏ったチームばかりだ。彼らは局面に応じたサッカーができていない。
スペインの鋭い攻めを浴びる
さて試合はスペインが前でボールを奪うと、たちまち牙をむき出しにして攻めて来る。試合開始早々の前半8分。左から中央に鋭いラストパスを通され、キム・ジュニェントにゴールされた。先制点だ。
日本は押し込まれると、中央の敵アタッカーを簡単にフリーにしてしまう。守備がガタガタだ。これでは何点取られるかわからない。
だがそんな40分、右サイドから佐藤龍之介がマイナスのクロスを入れた。するとなぜかスペインの中央の守備が甘く名和田我空がフリーになっており、彼はゴール右にコースを狙ってシュートを決めた。同点だ。
しかし74分にはライン裏に斜めのスルーパスを出され、CFマルク・ギウに見事なゴールを決められた。日本の冒険はこれで終わった。
結論として、このチームはサッカーがわかってないし、駆け引きがまるでなってない。根本からコンセプト自体を考え直さなければダメだろう。
【関連記事】
【U-17アジアカップ決勝】評価が難しい雨中の「凡戦」だった 〜U-17日本 3-0 U-17韓国
【サッカーメディア】欠点だらけのU-17日本代表を誉めそやす「気持ち悪さ」