すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【セレッソ大阪】「ロティーナ事件」は価値観の問題だ

2020-12-27 03:52:45 | Jリーグ
「守備的=悪」なのか?

 セレッソ大阪を退任することになったロティーナ監督の問題については、いろいろと考えさせられた。

 この「ロティ―ナ事件」を知らない人のために関単に説明しておこう。

 まずリーグがまだ終わる前から内部リーク(?)が行われ、スポーツ紙がいっせいに「ロティ―ナ監督は今季限りで退任する」と報道した。

 で、その理由をスポーツ各紙は「ロティ―ナは守備的だから」「攻撃的じゃないから」辞めるハメになったんだ、と報道した。つまり「攻撃的なサッカーをするために監督を変えるのだ」というわけである。

川崎フロンターレが大好きな日本人

 ここで強く思うのは、じゃあ「守備的=悪」なのか? ということだ。

 そんなものは個人の価値観によってまったくちがう。現にこの私なんかは川崎フロンターレのチマチマしたショートパスを足元だけで繋ぐスケールの小さなサッカーなんかより、セレッソ大阪のサッカーのほうが「おもしろい」と感じる。

 だがぶっちゃけ、川崎フロンターレのサッカーが大好きで「あれこそサッカーだ」と思っている日本人の大多数にとって「守備的=悪」なのだ。

 彼らには守備の「おもしろさ」や「コク」なんてわからないし、守備をめぐる駆け引きなんてものも理解できない。とにかくパッ、パッ、パッとド派手にパスがつながり、ガンガン点が入れば「攻撃的でおもしろい」のだ。

 理屈の問題じゃなく日本人はそういう感性なわけで、ゆえに「攻撃的なサッカーをするために監督を変えるのだ」と聞くと「なるほど、そうだろうな」と納得するわけである。

「攻撃的=もうかる」てな視点もある

 では、逆にこれを興行側から見てみよう。

 日本人の大多数にとって「守備的=悪」であり、川崎フロンターレが大好きな人ばかりなのであればどうだろうか?

 なら興行者サイドは「攻撃的」なサッカーをすれば、「カネが落ちるぞ」と考える。攻撃的であれば客が入るし、なによりスポンサーがついてウハウハ広告費がもうかる。これがデカい。

 興行側にとっては「攻撃的=バンザイ」なのである。

ハリルジャパンでも似たことは起こった

 これと似たようなことは代表チーム=ハリルジャパンをめぐっても起こった。

「守備的」で日本人が大好きなパスをつながないハリルジャパンに、日本サッカー協会が大爆発。なんとワールドカップへ行く切符はすでに取ってあるのにハリルの首を切った。

 つまりセレッソ同様、「攻撃的なサッカーをするために監督を変えた」わけである。「俺たちは華麗にパスをつなぐサッカーをするんだ」ってわけだ。

 まあそれだけじゃなく、「日本サッカー協会の言うことを何でも聞く森保サンみたいなナアナアの監督じゃなきゃダメだ」って話である。

日本人の価値観は変わらない

「守備的=悪」な日本では、これと似たようなことは今後何度でも起きるのだろう。

 過激派の私なんぞは、この日本の社会構造を作っているのは川崎フロンターレだ、川崎フロンターレこそ悪だ、などと公言するから顰蹙買うわけだが。

 でも過激に言えばそういうことだと思うのだ。

 まあ日本人はイタリア人みたいに、「今日の試合は0-0の引き分けで非常にコクがあった」なんてことには未来永劫ならないだろう。ゆえにこの風潮は今後も続くのだ。

 うんざりだけどね。

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