
借りようかどうしようか迷っていた
『小さな中国のお針子』がGyaOでやっていたので見ました。
文化大革命下の中国で、
親が知識階級のブルジョアだと言うことから山村で共産主義の再教育を受けることになった二人の青年マーとルオと、
2人が愛したお針子のお話です。
静かで美しい映画でした。
そして、悲しい映画でした。
知識と自由な考え方を手に入れることによって
お針子が得たものと失ったものを考えさせられました。
お針子の愛を手に入れながらも、
お針子がしたことを何も知らされないルオ。
お針子の理解者・協力者としてしか振舞えなかったマー。
お針子のその後の人生は決してHappyendとはいかなかったのではないでしょうか。
彼女は自分の大切なものを失うことによって、
この場所で生きていくことの限界を知りました。
だからといって、村を離れた時のお針子に何があったでしょうか。
後ろ盾も無くお金も無い彼女が、
当時の中国で簡単に自立できたとは思えませんでした。
映画を見終わった後、
苦しみながらも自分が自分らしく生きられる場所を求めて、
懸命に前だけを見て転々と渡り歩く、
その後のお針子の人生を想像して、辛くなりました。
成功してノスタルジーに浸れる二人の男のなんと幸せなことよ!
*中国映画だと思って見たのですが、実はフランス映画でした。
この映画は今も中国では上映されていないのだとか。
それぞれの国が背負う歴史と言うものも考えさせられました。
*画像は個人的な好みからマー役のリィウ・イエです。