萩の原と笠の露
平成31年2月3日(日)
我ながらよく続くものよ、とも
自分を褒め、更に鼓舞する歩行禅!
今年も、一日も休まず続いている。
「素直・謙虚・・・・素直・感謝・・・等々」。
そして、今朝は加賀市へ。
道の駅「山中温泉湯けむり健康村」を
7時40分発。
前回と同じ芭蕉の館の近くの駐車場へ。
芭蕉の館は、芭蕉が山中温泉を訪れ、
逗留した泉屋に隣接していた「扇屋」の
別荘を、平成16年に再整備したもの。
明治38年の建築で、広い庭園や
庭園を望む雁行型の濡れ縁など、
和風情緒豊かな憩いの空間が
親しまれている。
今回、ここでは、芭蕉と曾良の別れを
偲ぶ。
元禄2年、芭蕉は曾良を伴い、山中温泉
に浴す。
「其功有馬に次と云ふ。
「山中や 菊は手折らぬ 湯の匂」 。
「あるじとする物は、久米之助とて、
いまだ小童也。かれが父俳諧を好み、
洛の貞室若輩 の昔爰に来りし比(ころ)、
風雅に辱しめられて、洛に帰て
貞徳の門人となって世に知らる。
功名の後、此一村判(はん)詞(じ)の料を
請ずと云ふ。今更むかし語とはなりぬ。
曾良は腹を病みて、 伊勢の国長島と
いふ所にゆかりあれば先立ちて・・・。」
と記すように、4ヶ月にわたる二人旅は、
この山中温泉で終わりを告げること
となる。
「行きゆきて 倒れ伏すとも 萩の原」
という曾良の書き置き。
「行く者の悲しみ残る者のうらみ、
隻梟(せきふ)の別れて雲に迷ふがごとし。
予も又、
「今日よりや 書付消さん 笠の露」 」。
苦楽を共にした二羽の鳥が今日から
一羽一羽になって、雲間に迷うように
笠に書いた「同行二人」の文字を、
落ちる涙で消すことにしようという
芭蕉の寂しい気持ちが伝わってくる。
八泊九日の逗留は、芭蕉の久米乃助
という小童への男色狂いという説も
あるが・・・。
生真面目な曾良の気性と病気と
旅の終着の間際など鑑みても疑問の
余地はある・・・?
山中温泉の観光案内と見所も
新に作成されている。