天塩岳には夏道を二回ほど登っていますが、冬に来たことはありません。
そこで、粉雪を求めて道北の山、天塩岳へ行ってみることにしました。
今週初めは春の低気圧により道内は大荒れの天気でした。
やっと木曜日の未明には低気圧が道内から離れ、天気が回復しつつあります。
4月16日(金曜日)いつも一緒に行くS氏と二人で天塩岳へ行ってみることにしました。
この山に冬に登るのは二人とも初めてです。
冬のコースをどう取ればいいのか経験者からのアドバイスを受けてのスキー登山となりました。
札幌を早朝に出発して日帰りの予定です。
天気予報をチェックしている段階では、天候は晴れ時々曇りでまあまあなのですが
風の予測があまりよくありません。
千メートル付近からは10mを超える風の予測なのです。
さて、金曜日の朝は3時過ぎに札幌を発ちます。
高速道路をひた走り、上川町にある浮島で降ります。
ここから一般道を滝上町へ向かって走るとほどなく浮島トンネルがあります。
このトンネルを抜けると間もなく登山口となります。
登山口となる林道の入り口は雪の山です。
道路に車を止めるために路側帯の除雪をします。
車1台分を除雪してそこへ駐車します。
7:00分、それまで曇っていた空がパーッと晴れてきます。
時折吹く風の中、準備が整ったので出発します。
まずは、林道を2キロほど歩かなければなりません。
林道は足首が埋まるくらいの粉雪が積もっています。
初めての道ですので回りに注意を払いながら歩きます。
7~8分歩くと登山口の標識が見えてきます。
この標識を見ながら左折します。
右手に沢を見ながら歩いていくと沢にぶつかります。
林道は対岸に続いているのですが、スノーブリッジの一部が川の流れに押し流されたのか
欠落しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/db/8fc4ff5a9ffb51a2706ca4ee38a23644.jpg)
上流に渡れるところはないか調べたのですが見つかりません。
よく見ると川底はコンクリートで作られ橋があるのではなくて川の中を直接車が通るように作られているようです。
川下側をよく見ると深さは3センチほどのようです。
そこでスキーを担いで川を渡ることにします。
おそるおそる川の中にはいるとスキー靴の中に水は入ってきません。
爪先立ちになりながら川を渡ることが出来ました。
ホット一息ついてまたスキーを履きます。
こんな時期にスキー靴で渡渉するとは思いませんでした。
林道を詰めていくと一ノ沢と二ノ沢の出合いに着きます。
ここには入林届用のポストがありました。
ここまで1時間15分ほどかかっています。
さあ、ここから沢を渡り前方の尾根に取り付きます。
標高差5百メートルほどの急な尾根です。
沢に降りるとすぐにスノーブリッジを見つけることが出来ました。
急な斜面を登り出しますが、私達はこのコースは初めてですので慎重にコースを選び登ります。
林の中の雪はフカフカの粉雪です。
帰りの滑走を楽しみに辛いバイトが続きます。
10:00分、やっとこの斜面を登り終え1200メートルの平らな尾根に上がることが出来ました。
目の前には左側に続く尾根に大きな雪庇が出来ています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/2d/c2b36053f9b518d403243e76e7ba319e.jpg)
やっと天塩岳の山頂が姿を見せてくれました。
強い風が左手西側から吹いてきます。
遮るもののない平坦な尾根状ですので、ジャケットを着て歩きます。
山頂部にかかっている雲が猛烈な勢いで流れています。
でも、青空がドンドン広がっているので、広い尾根を快調に歩きます。
山頂から南北に繋がる稜線に突き当たる尾根を見ると右側に大きな雪庇が出来ています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/17/cc5332a180b56145497c8d34d608b0bd.jpg)
標高1250mほどに進むとそろそろ森林限界が近くなってきます。
平坦な尾根が終わり、ここから山頂に続く稜線を目指して登ります。
ここからが問題でした。
右手には雪庇があるので岳樺が生えている辺りを歩くのですが表面が固くクラストしています。
ここからスキーアイゼンを付けます。
しかし、標高が上がるにしたがってクラストというよりは氷化した斜面となってきます。
おまけに風が強くなってきて、バランスを取るのが大変です。
スキーアイゼンの歯を一歩一歩雪面に食い込ませ登っていきます。
やっとの思いでこの尾根を登りきり1400mの台地に出ます。
11:20分、ここまで来ると山頂は目の前です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/b3/cb0fc5186d1f1f176e7da213526a5e6d.jpg)
ここまで来ると山頂まで1時間ほどでしょうか。
ここで、進むか退却するか二人で話し合いました。
その結果、この風の強さは山頂へ向かえばさらに強くなってくると思われるので潔く退却することにします。
氷化した斜面をスキーで下るのは危険です。
ここからはアイゼンを着けて下ることにします。
スキーをザックに縛り付けストックでバランスを取りながらアイゼンの歯を斜面に食い込ませて慎重に降ります。
風が強く吹くと身体が押されバランスを崩しそうになります。
それを両手に持ったストックと体の向きを風に対して微妙に変えながら慎重に降ります。
平坦な尾根にたどり着くと心なしか風が弱まったような気がしてホッとしました。
ここからスキーでも良いのですが、登る斜面もありますのでもうすこし先までアイゼンで歩きます。
1236mのポコまで来たのでここで休憩します。
後ろを振り返ると青空の中に天塩岳の山頂が見えています。
この姿を見ると直ぐにでも行けそうなのですが、風は相変わらず強いようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/7b/cd1b37330a8906e6f5f2394d28c4e52d.jpg)
う~ん!残念!
軽く昼食を取って、気持ちを入れ替えます。
何といっても、ここから出合いまでは粉雪の斜面が待っているのです。
1218mポコの北側を回り込むとここから標高差500mの斜面が続きます。
見た目は急な斜面ですがタップリある粉雪ですので快適な回転が楽しめます。
スキーのエッジを利かせながら2回3回とターンをする度に粉雪が舞い上がります。
自分のスキーがとても上手くなったような気がします。
これは、雪質がいいからなので決して自分の腕が上がったわけではありません。
何回か休みながら滑り降りると、あっけないほどの時間で出合いまで降りてしまいます。今日、最大の楽しみがこれで終わってしまいました。
でも、良い一日を過ごすことが出来ました。
残り少なくなったスキージーズンです。
さあ、この次はどこへ行きましょう?
そこで、粉雪を求めて道北の山、天塩岳へ行ってみることにしました。
今週初めは春の低気圧により道内は大荒れの天気でした。
やっと木曜日の未明には低気圧が道内から離れ、天気が回復しつつあります。
4月16日(金曜日)いつも一緒に行くS氏と二人で天塩岳へ行ってみることにしました。
この山に冬に登るのは二人とも初めてです。
冬のコースをどう取ればいいのか経験者からのアドバイスを受けてのスキー登山となりました。
札幌を早朝に出発して日帰りの予定です。
天気予報をチェックしている段階では、天候は晴れ時々曇りでまあまあなのですが
風の予測があまりよくありません。
千メートル付近からは10mを超える風の予測なのです。
さて、金曜日の朝は3時過ぎに札幌を発ちます。
高速道路をひた走り、上川町にある浮島で降ります。
ここから一般道を滝上町へ向かって走るとほどなく浮島トンネルがあります。
このトンネルを抜けると間もなく登山口となります。
登山口となる林道の入り口は雪の山です。
道路に車を止めるために路側帯の除雪をします。
車1台分を除雪してそこへ駐車します。
7:00分、それまで曇っていた空がパーッと晴れてきます。
時折吹く風の中、準備が整ったので出発します。
まずは、林道を2キロほど歩かなければなりません。
林道は足首が埋まるくらいの粉雪が積もっています。
初めての道ですので回りに注意を払いながら歩きます。
7~8分歩くと登山口の標識が見えてきます。
この標識を見ながら左折します。
右手に沢を見ながら歩いていくと沢にぶつかります。
林道は対岸に続いているのですが、スノーブリッジの一部が川の流れに押し流されたのか
欠落しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/db/8fc4ff5a9ffb51a2706ca4ee38a23644.jpg)
上流に渡れるところはないか調べたのですが見つかりません。
よく見ると川底はコンクリートで作られ橋があるのではなくて川の中を直接車が通るように作られているようです。
川下側をよく見ると深さは3センチほどのようです。
そこでスキーを担いで川を渡ることにします。
おそるおそる川の中にはいるとスキー靴の中に水は入ってきません。
爪先立ちになりながら川を渡ることが出来ました。
ホット一息ついてまたスキーを履きます。
こんな時期にスキー靴で渡渉するとは思いませんでした。
林道を詰めていくと一ノ沢と二ノ沢の出合いに着きます。
ここには入林届用のポストがありました。
ここまで1時間15分ほどかかっています。
さあ、ここから沢を渡り前方の尾根に取り付きます。
標高差5百メートルほどの急な尾根です。
沢に降りるとすぐにスノーブリッジを見つけることが出来ました。
急な斜面を登り出しますが、私達はこのコースは初めてですので慎重にコースを選び登ります。
林の中の雪はフカフカの粉雪です。
帰りの滑走を楽しみに辛いバイトが続きます。
10:00分、やっとこの斜面を登り終え1200メートルの平らな尾根に上がることが出来ました。
目の前には左側に続く尾根に大きな雪庇が出来ています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/2d/c2b36053f9b518d403243e76e7ba319e.jpg)
やっと天塩岳の山頂が姿を見せてくれました。
強い風が左手西側から吹いてきます。
遮るもののない平坦な尾根状ですので、ジャケットを着て歩きます。
山頂部にかかっている雲が猛烈な勢いで流れています。
でも、青空がドンドン広がっているので、広い尾根を快調に歩きます。
山頂から南北に繋がる稜線に突き当たる尾根を見ると右側に大きな雪庇が出来ています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/17/cc5332a180b56145497c8d34d608b0bd.jpg)
標高1250mほどに進むとそろそろ森林限界が近くなってきます。
平坦な尾根が終わり、ここから山頂に続く稜線を目指して登ります。
ここからが問題でした。
右手には雪庇があるので岳樺が生えている辺りを歩くのですが表面が固くクラストしています。
ここからスキーアイゼンを付けます。
しかし、標高が上がるにしたがってクラストというよりは氷化した斜面となってきます。
おまけに風が強くなってきて、バランスを取るのが大変です。
スキーアイゼンの歯を一歩一歩雪面に食い込ませ登っていきます。
やっとの思いでこの尾根を登りきり1400mの台地に出ます。
11:20分、ここまで来ると山頂は目の前です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/b3/cb0fc5186d1f1f176e7da213526a5e6d.jpg)
ここまで来ると山頂まで1時間ほどでしょうか。
ここで、進むか退却するか二人で話し合いました。
その結果、この風の強さは山頂へ向かえばさらに強くなってくると思われるので潔く退却することにします。
氷化した斜面をスキーで下るのは危険です。
ここからはアイゼンを着けて下ることにします。
スキーをザックに縛り付けストックでバランスを取りながらアイゼンの歯を斜面に食い込ませて慎重に降ります。
風が強く吹くと身体が押されバランスを崩しそうになります。
それを両手に持ったストックと体の向きを風に対して微妙に変えながら慎重に降ります。
平坦な尾根にたどり着くと心なしか風が弱まったような気がしてホッとしました。
ここからスキーでも良いのですが、登る斜面もありますのでもうすこし先までアイゼンで歩きます。
1236mのポコまで来たのでここで休憩します。
後ろを振り返ると青空の中に天塩岳の山頂が見えています。
この姿を見ると直ぐにでも行けそうなのですが、風は相変わらず強いようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/7b/cd1b37330a8906e6f5f2394d28c4e52d.jpg)
う~ん!残念!
軽く昼食を取って、気持ちを入れ替えます。
何といっても、ここから出合いまでは粉雪の斜面が待っているのです。
1218mポコの北側を回り込むとここから標高差500mの斜面が続きます。
見た目は急な斜面ですがタップリある粉雪ですので快適な回転が楽しめます。
スキーのエッジを利かせながら2回3回とターンをする度に粉雪が舞い上がります。
自分のスキーがとても上手くなったような気がします。
これは、雪質がいいからなので決して自分の腕が上がったわけではありません。
何回か休みながら滑り降りると、あっけないほどの時間で出合いまで降りてしまいます。今日、最大の楽しみがこれで終わってしまいました。
でも、良い一日を過ごすことが出来ました。
残り少なくなったスキージーズンです。
さあ、この次はどこへ行きましょう?