8月21日(土) 晴れ
昨夜は、適度な疲れもありぐっすりと寝ることができました。
テントから顔を出して外を見ると青空が広がっています。
今日もいい天気です。
今日はカムエクの山頂まで登り、そこから折り返してピラミッドピークを越えて南へ向かいます。
朝食を終えて荷物をまとめます。
今回は、テントはS氏、夕食とガスコンロはO氏、朝食とコッフェルは私が背負います。
ここからの主稜線はコイカクまで水場がありませんので担ぎ上げなければなりません。
それぞれ、水を7~8リットル背負います。
私は7リットル背負うことにします。
この水に加えフエルト底が水を吸いずっしりと重くなった沢靴とネオプレーンのスパッツもありますので、10キロは増えたでしょうか。
この荷物を背負っての主稜線歩きとなります。
5時30分、いよいよ縦走が始まります。
まずはカムエクとピラミッドピークのコルを目指します。
ウーン、重い! こんな重さのザックを背負ったのは何十年ぶりです。
この重さに耐えて歩けるか!?
ちょっと不安ですが歩くしかないのです。
一歩、一歩慎重に足を運んでコルを目指します。

足元は踏み分け道がしっかりしているので迷う心配はありません。
20分ほどでコルに到着です。
重い荷物に喘ぎあえぎでしたがここまで背負った感じでは何とかなりそうです。
ここにザックをデポして水とカメラだけを持ってカムエクの山頂を目指します。

分岐点から見た八の沢カールです。

カムエクの山頂(一番奥の丸い頂)が遙か先に見えています。
空身となった身体ですので足元も軽く山頂へ向かいます。
登山道はハッキリしています。
快調なペースで登っていきます。
登るにしたがってドンドン視界が開けてきます。
主稜線の西側、日高側は谷から雲が湧き上がってきます。
約一時間ほどでカムエクの山頂へ到着です。
まずは北側を見ます。

先日敗退したエサオマントッタベツ岳が遠くにかすんでいます。
この稜線を歩き、ここから繋ぐはずでした。
この稜線歩きは来年の課題として残りました。
手強そうな稜線ですが何とか来年は歩きたいと思います。
南側には遙か彼方に1839峰が見えています。

1839峰は水平の尾根の先に聳えていますので直ぐに分かります。

カムエクの山頂から南に広がる主稜線を見るS氏とO氏
カムエクは日本二百名山に取り上げられているのでこの山を目出して全国から登山者が登りに来ています。
日高山脈の中では日高幌尻岳に次いで二番目の標高を誇る山です。
日高幌尻岳と違ってカムエクは日高山脈の中程に堂々と聳える山ですので盟主といって良いほどの存在感があります。
そんなことで、この山を目指すツァーも沢山企画され全国から登りに来ていますが、ご承知の通り遭難騒ぎで物議を醸している山でもあります。

先ほどザックをデポしたコルをまるで竜のような雲が吹き抜けていきます。
この光景は幾ら見ていてもあきないのですが、私達は先へ進まなければ行けません。
もう一度カクエクから北の山並みを心に刻んで山頂を後にします。
ザックをデポしたコルへ戻ります。
ここからまずはピラミッドピークを目指して急な斜面に挑みます。
足元の道は思いの外ハッキリとしています。
膝下ほどの灌木を掻き分けゆっくりと登ります。
後ろを振り返ると八の沢カールがドンドン目の下になっていきます。
ピラミッドピークに着きました。
休憩していると八の沢カールからコルへ向かって歩いている人達が見えています。
10人ほどの人達と、少し離れて6人ほどの人達が歩いています。
どうやらツァーできた人達のようです。
私達はピラミッドピークを越えて今度は急な斜面を下ります。
ハイ松に掴まり岳樺に掴まりながらドンドン下ります。
太陽が真正面から照りつけてきます。
暑さと肩に食い込む荷物に負けずに下ります。

ところどころ鋭い岩稜となっているところがあります。
左右はスッパリと切れ落ちています。
こんなところで足を踏み外すと大変です。
慎重に行動します。
トップはO氏と私が務めます。
S氏は後ろから全体を見ています。
ところどころ踏み分け道が分からないところろがあります。
そんな時には直ぐに変わって道を探します。
ほとんど足を止めることなく、交代でトップを務めます。
背中の荷物の重さにも身体が慣れてきます。
1602mのコルに着きます。
ここにはしっかりとしたテントサイトがあります。
日高側の風に耐える石積が作られています。
ここで昼食を取ります。

1602mのコルから少し先へ進み後ろを振り返る。
1602のコルから少し登りさらに下って1573mのコルを目指す。
今日の宿をこの1573m辺りで探すつもりです。
標高が下がるにしたがって灌木が立ってきて枝が邪魔になります。
ハイ松の枝もヨコバイから立ち上がっている枝が多くなり行く手を遮ります。
この遮る枝を両手で分けながら進むのですが、ところどころ踏み分け道自体が無くなっているところがあります。
そんなところは稜線を外さないように進みます。
1573mのコルに近づいているのですがテントサイトらしいものが見つかりません。
地面が平らになっている場所があるので最悪の場合にはここにテントを立てるつもりで準備をすることにします。
私がここに残りテントサイトを作ることにして2人はこの先を偵察に出掛けます。
ほどなく、S氏の声がします。
直ぐ先にテントサイトとして絶好の場所を見つけたと言います。

ここは最高のテントサイトです。
稜線上にある大きな岩陰で日高側に開けた地面が草原となってます。
おまけに日高側は岳樺などが生い茂り沢からの風を防いでいます。
広さも3人用のテントを立てるに十分です。
私は、先ほどの場所から2人のザックを移します。
偵察に行っていた2人が帰ってきますが、この先に適当なテントサイトは見つからなかったようです。
今夜の宿はこのサイトに決定して早速テントを立てます。
テントを立て終わり荷物の整理を終えた頃をまるで察知したかのように雨がパラパラと降ってきます。
最高のタイミングでした。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今日は天気のも恵まれ初めてカムエクの山頂を踏むことができました。
昨年の日高幌尻岳に続き標高一位、二位の山の頂を踏んだことになります。
日高の主稜線は標高が落ちてくるとハイ松や灌木の枝が立ってきて
踏み跡を隠すようになりとても歩きづらくなります。
その踏み跡ですが、笹藪などは笹の勢いに押され登山道そのものが
ほとんど消えている場所があります。
そういった場所では、枝に付いている登山靴によってつけられた傷や
枝先に残るノコ目などを探しながら歩きます。
そういった意味では、主稜線は原始性一杯の道を歩きます。
今回は7リットルの水を担いで歩きましたが、どれだけ担ぐのが
いいのか?難しい問題です。
一番のネックとなるのは、物理的に何キロ担いで歩けるか?
これが一番の問題です。
私は、1日3リットルで何とかなると考えて7リットル担ぎました。
行動中の水は1.5リットルを目標に消費しました。
天候にも左右されますが、何とかこの量を守って歩きました。
今日は好天にもかかわらず1.5リットルで歩けたのは、こまめに水を
口に含んでのどの渇きを感じないようにして、決してがぶ飲みを
しないようにしたのが良かったと思っています。
昨夜は、適度な疲れもありぐっすりと寝ることができました。
テントから顔を出して外を見ると青空が広がっています。
今日もいい天気です。
今日はカムエクの山頂まで登り、そこから折り返してピラミッドピークを越えて南へ向かいます。
朝食を終えて荷物をまとめます。
今回は、テントはS氏、夕食とガスコンロはO氏、朝食とコッフェルは私が背負います。
ここからの主稜線はコイカクまで水場がありませんので担ぎ上げなければなりません。
それぞれ、水を7~8リットル背負います。
私は7リットル背負うことにします。
この水に加えフエルト底が水を吸いずっしりと重くなった沢靴とネオプレーンのスパッツもありますので、10キロは増えたでしょうか。
この荷物を背負っての主稜線歩きとなります。
5時30分、いよいよ縦走が始まります。
まずはカムエクとピラミッドピークのコルを目指します。
ウーン、重い! こんな重さのザックを背負ったのは何十年ぶりです。
この重さに耐えて歩けるか!?
ちょっと不安ですが歩くしかないのです。
一歩、一歩慎重に足を運んでコルを目指します。

足元は踏み分け道がしっかりしているので迷う心配はありません。
20分ほどでコルに到着です。
重い荷物に喘ぎあえぎでしたがここまで背負った感じでは何とかなりそうです。
ここにザックをデポして水とカメラだけを持ってカムエクの山頂を目指します。

分岐点から見た八の沢カールです。

カムエクの山頂(一番奥の丸い頂)が遙か先に見えています。
空身となった身体ですので足元も軽く山頂へ向かいます。
登山道はハッキリしています。
快調なペースで登っていきます。
登るにしたがってドンドン視界が開けてきます。
主稜線の西側、日高側は谷から雲が湧き上がってきます。

約一時間ほどでカムエクの山頂へ到着です。
まずは北側を見ます。

先日敗退したエサオマントッタベツ岳が遠くにかすんでいます。
この稜線を歩き、ここから繋ぐはずでした。
この稜線歩きは来年の課題として残りました。
手強そうな稜線ですが何とか来年は歩きたいと思います。
南側には遙か彼方に1839峰が見えています。

1839峰は水平の尾根の先に聳えていますので直ぐに分かります。

カムエクの山頂から南に広がる主稜線を見るS氏とO氏
カムエクは日本二百名山に取り上げられているのでこの山を目出して全国から登山者が登りに来ています。
日高山脈の中では日高幌尻岳に次いで二番目の標高を誇る山です。
日高幌尻岳と違ってカムエクは日高山脈の中程に堂々と聳える山ですので盟主といって良いほどの存在感があります。
そんなことで、この山を目指すツァーも沢山企画され全国から登りに来ていますが、ご承知の通り遭難騒ぎで物議を醸している山でもあります。

先ほどザックをデポしたコルをまるで竜のような雲が吹き抜けていきます。
この光景は幾ら見ていてもあきないのですが、私達は先へ進まなければ行けません。
もう一度カクエクから北の山並みを心に刻んで山頂を後にします。
ザックをデポしたコルへ戻ります。
ここからまずはピラミッドピークを目指して急な斜面に挑みます。
足元の道は思いの外ハッキリとしています。
膝下ほどの灌木を掻き分けゆっくりと登ります。
後ろを振り返ると八の沢カールがドンドン目の下になっていきます。
ピラミッドピークに着きました。
休憩していると八の沢カールからコルへ向かって歩いている人達が見えています。
10人ほどの人達と、少し離れて6人ほどの人達が歩いています。
どうやらツァーできた人達のようです。
私達はピラミッドピークを越えて今度は急な斜面を下ります。
ハイ松に掴まり岳樺に掴まりながらドンドン下ります。
太陽が真正面から照りつけてきます。
暑さと肩に食い込む荷物に負けずに下ります。

ところどころ鋭い岩稜となっているところがあります。
左右はスッパリと切れ落ちています。
こんなところで足を踏み外すと大変です。
慎重に行動します。
トップはO氏と私が務めます。
S氏は後ろから全体を見ています。
ところどころ踏み分け道が分からないところろがあります。
そんな時には直ぐに変わって道を探します。
ほとんど足を止めることなく、交代でトップを務めます。
背中の荷物の重さにも身体が慣れてきます。
1602mのコルに着きます。
ここにはしっかりとしたテントサイトがあります。
日高側の風に耐える石積が作られています。
ここで昼食を取ります。

1602mのコルから少し先へ進み後ろを振り返る。
1602のコルから少し登りさらに下って1573mのコルを目指す。
今日の宿をこの1573m辺りで探すつもりです。
標高が下がるにしたがって灌木が立ってきて枝が邪魔になります。
ハイ松の枝もヨコバイから立ち上がっている枝が多くなり行く手を遮ります。
この遮る枝を両手で分けながら進むのですが、ところどころ踏み分け道自体が無くなっているところがあります。
そんなところは稜線を外さないように進みます。
1573mのコルに近づいているのですがテントサイトらしいものが見つかりません。
地面が平らになっている場所があるので最悪の場合にはここにテントを立てるつもりで準備をすることにします。
私がここに残りテントサイトを作ることにして2人はこの先を偵察に出掛けます。
ほどなく、S氏の声がします。
直ぐ先にテントサイトとして絶好の場所を見つけたと言います。

ここは最高のテントサイトです。
稜線上にある大きな岩陰で日高側に開けた地面が草原となってます。
おまけに日高側は岳樺などが生い茂り沢からの風を防いでいます。
広さも3人用のテントを立てるに十分です。
私は、先ほどの場所から2人のザックを移します。
偵察に行っていた2人が帰ってきますが、この先に適当なテントサイトは見つからなかったようです。
今夜の宿はこのサイトに決定して早速テントを立てます。
テントを立て終わり荷物の整理を終えた頃をまるで察知したかのように雨がパラパラと降ってきます。
最高のタイミングでした。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今日は天気のも恵まれ初めてカムエクの山頂を踏むことができました。
昨年の日高幌尻岳に続き標高一位、二位の山の頂を踏んだことになります。
日高の主稜線は標高が落ちてくるとハイ松や灌木の枝が立ってきて
踏み跡を隠すようになりとても歩きづらくなります。
その踏み跡ですが、笹藪などは笹の勢いに押され登山道そのものが
ほとんど消えている場所があります。
そういった場所では、枝に付いている登山靴によってつけられた傷や
枝先に残るノコ目などを探しながら歩きます。
そういった意味では、主稜線は原始性一杯の道を歩きます。
今回は7リットルの水を担いで歩きましたが、どれだけ担ぐのが
いいのか?難しい問題です。
一番のネックとなるのは、物理的に何キロ担いで歩けるか?
これが一番の問題です。
私は、1日3リットルで何とかなると考えて7リットル担ぎました。
行動中の水は1.5リットルを目標に消費しました。
天候にも左右されますが、何とかこの量を守って歩きました。
今日は好天にもかかわらず1.5リットルで歩けたのは、こまめに水を
口に含んでのどの渇きを感じないようにして、決してがぶ飲みを
しないようにしたのが良かったと思っています。