井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

北部日高(伏美岳→北戸蔦別岳)縦走・その1 11年7月

2011-07-18 20:51:23 | 日高山系の山
  今年初めての日高挑戦を計画しました。
7月10日(日)の午後に札幌を出発して11日から登山開始、12日までの実質的には1泊2日の計画です。
 このコースを歩くには出発点となる伏美岳(1,792m)の登山口と下山口となる北戸蔦別岳(1,912m)の登山口に車を回送しておく必要があります。
私達は、札幌に近い新ひだか町の千栄からチロロ林道にある北戸蔦別岳の登山口に車をデポして出発地点となる伏美岳(1,792m)にある伏美小屋に1泊して歩くことにしました。

 今回のメンバーは、ニペソツ山に挑戦したメンバーの内O氏はこのコースを歩いたことがあるのでパス、その代わりにKo氏が新たに加わり、このコース初挑戦となる私にSu氏の3人で歩くことになりました。
Ko氏は芦別岳本谷を一緒に登った方です。


 7月10日、午後3時半に私とSu氏が札幌を出発します。
Ko氏は先に札幌を出発しており日高町の道の駅で合流する手はずとなっています。
午後6時に道の駅でKo氏と無事に合流、早速、コンビニで食料を買い込み北戸蔦別岳の登山口へ向かいます。

 チロロ林道にある北戸蔦別岳の登山口に到着。
この林道は、昨年まで林道ゲートに鍵が掛けられいたのですが、今年から解放されています。
駐車場に私の車を駐車して、Ko氏の車に乗り換えて伏美小屋を目指します。
9時頃、ようやく伏美小屋に到着です。
先着者がいればテントに泊まろうと考えていたのですが、幸いに誰もいないので小屋泊まりに切り替えます。

 日高町の道の駅にあるコンビニで買ってきた弁当を食べて、そうそうに寝ることにします。


 7月11日、 伏美小屋で快適な1夜を過ごしました。
目を覚まして外を見ると晴れています。
さあ、急いで出発の準備をします。

   
    伏美小屋は赤い屋根が特徴の可愛い小屋です。
    トイレは外の別棟にあり、炊事場は小屋の前の沢水を引いて作られてます。

 5:50分、いよいよ私達の縦走が始まります。
10分ほど歩くと大きな駐車場がありここが登山口です。
軽自動車が1台駐車しています。

 伏美岳までは快適な登山道です。
しかし、所々急な斜面がありドンドン上がる気温のため汗が噴き出してきます。
今回は、稜線での1泊用にSu氏が4リットル、私が3リットル、Ko氏が1リットルの水を担ぎ上げます。
その水の重さと高い気温のため給水用の水がドンドン消費されます。

 あまりの暑さに30分から40分ごとに休憩を入れます。
その度にノドを潤さなければ唇が乾いてくるのです。
水がドンドン消費されます。

 9:10分、ようやく伏見岳(1,792m)の山頂に到着です。
私にとって3度目の山頂です。
今までの山頂はいずれもガスで眺望がゼロでした。
しかし、今日の山頂は北部日高の山並みを見せてくれます。

   
     山頂から正面に戸蔦別岳、その奥に日高幌尻岳が見えています。

 しかし、何といっても存在感のあるのがエサオマントッタベツ岳です。
   
    左右に見える雪渓のある斜面がカールです。
    左が北東カール、右が北カールです。
    そして、両カールを従えている真ん中に山頂があります。

 この北東カールに昨年1泊しました。
しかし、残雪の量は昨年を遙かに超えています。
今年は、どこも、稜線の残雪量が多いと思います。
これは、5月の連休に降った雪の量が半端ではなかったということなのでしょう。

    
    左手奥にあるピークが日高幌尻岳です。
    右手のすっきりとした三角形のピークが戸蔦別岳です。

 戸蔦別岳の山頂左側の沢を40年ほど前に登ったことがあります。
この時は、この白く見える沢を詰め国境稜線を越えて7つ沼カールで2泊しました。
遠い昔のことですが、自分の登った足跡が確認できるのは素晴らしいことです。

 40分ほど伏見岳の山頂で休み、いよいよ水場のコルへ向かって降ります。
林の中をドンドン降りますが、林の中に熱気がこもり暑くてしょうがありません。
温度計を見ると20度もあります。

 噴き出す汗を拭きながら降りますが、なかなか水場のコルへ降りることが出来ません。
10:50分、しょうがないので昼食を取ることにします。
久しぶりの1泊装備が肩に堪えます。
しかし焦りは禁物です。
幸いに天気がいいので、ここはじっくり攻めるしかありません。

 昼食を取って少し元気が戻りました。
1時間ほど歩いてやっと水場のコルに着きました。
さあ、ここからはピパイロ岳までの急な登りとなります。

 Su氏の調子があまり良くありません。
どうやら脱水症状が現れているようです。
残雪がありますので足を冷やして体温を下げます。
そうして、荷物を少なくするためにSu氏が担ぎ上げている水を飲むことにします。

ピパイロ岳(1,916m)まで3度の休みを挟んで14:05分、山頂に到着です。
ここでゆっくり休憩を入れます。
今日のテントサイトは、ピパイロ岳の先に見える1911m峰辺りと考えています。
ここまで来れば先が見えてきました。

    
     ピパイロ岳の山頂下にテント1張分のサイトがあります。
     右に見えるピークが1911m峰です。
     この峰から北に向かうと芽室岳へ行けます。

 でも、私達はもう少し先を目指すことにします。
ピパイロ岳から1911m峰へは小さな起伏があるだけです。
少し眺めの休憩を入れたのでSu氏が少し回復してきました。

 14:30分、1911m峰目指して進みます。
 
 岩混じりの尾根を慎重に歩きます。
でも、踏み分け道がついているので迷うことはありません。

 14:50分、1911m峰に到着です。
しかし、1911m峰は岩だらけの山頂です。
どこにテントサイトがあるのだろうと思い少し降ることにしました。

   
    1911m峰から見たピパイロ岳です。

 1911m方を少し降った尾根上にテントサイトを見つけました。
しかし、このテントサイトは風の影響をまともに受けそうです。
その上、近くに雪渓もないので水を手に入れることが出来ません。

前方を見ると右手の斜面に細長い雪渓が見えています。
その上部にテントが張れそうな気がします。
ザックをこのテントサイトにおいて様子を見に行くことにします。

 3人で5分ほど降るとちょっとしたコル状の地形があり明らかにテントサイトとして使っている場所です。
風も幾らか防げそうです。
おまけによく見ると雪渓のある斜面に踏み分け道が付いています。
3人の意見がここにテントを張ることで一致します。
早速、ザックを取りに戻ります。

 15:25分、テントサイトに到着です。
   

早速テントを立てると、雪渓に向かって降ります。
踏み分け道をほんの2分ほど降ると雪渓が目の下に見えてきます。
ビニール袋に残雪を詰めてテントサイトに戻ります。
この雪を融かして水を作れば、もう水の心配はありません。

 今回、残雪を溶かして水を作るときにゴミを漉し取るためにコーヒフィルターを持ってきました。
ニペソツ山で雪を融かして作った水は細かな砂粒やゴミが多かったのです。
このゴミを漉し取るのにコーヒーフィルターを使おうと思ったわけです。

さあ、コッヘルに水を少し入れてから雪を沢山入れます。
お玉で雪を崩しながら水を作っていきます。
そして出来た水をフイルターで漉します。
最初はなかなかいい調子で漉し取れます。
でも直ぐに水の流れが悪くなります。

なぜかと思いフィルターをよく見ると黒い小さなツブツブが一杯見えます。
どうやら黄砂のような細かな砂粒で目詰まりしているようです。
これには参りました。
500ccも濃し撮る前に目詰まりしてしまいます。
少し多めに用意してきたフィルターが無くなってしまいます。

仕方がないので残りはタオルで濃し取り、大きなゴミだけ取り除くことにしてこの水は調理用にします。
こんな事で、必要な水の確保が出来たので腹一杯水を飲み事が出来るようになりました。