前日は早めに寝ることができましたので身体の疲れはすっかりとれています。
まだ暗い中、外を歩いている足音が聞こえました。
2人の足音が耳元に響いてきました。
こんなに早くから?と思いながら寝ていました。
4時に起きてテントの外へ出ると目の前には朝日に輝く穂高幌尻岳がドーンと大きな姿を見せてくれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f1/a407233be652a5c419b5ad22860140d4.jpg)
そして目を左の方へ転じると戸蔦別岳も輝いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/d8/fd09c499bbfc81218a3f9276a6dde7da.jpg)
今日もいい天気のようです。
俄然、やる気が出てきました。
朝食は前日造った残りのアルファー米をみそ汁のぶっかけご飯にしてサラサラと食べます。
朝食は汁物と一緒に流し込むのが私のやり方です。
テントの中のものを全部外へ出してパッキングをします。
テントはクロさんに任せてパッキングをしているときに事件は起きました。
後ろで、「アーッ!」という叫び声が聞こえます。
後ろを振り向くと私とクロさんが寝ていたテントが風に飛ばされハイ松の上を谷に向かって吹き飛ばされるとこでした。
クロさんが追いかけたのですがハイ松の枝に邪魔されて手が届きません。
テントはコロコロとハイ松の上を谷底に向かって転がっていきます。
「ア~ア!どうしょう!」、みいちゃん達はすでにあきらめ顔です。
私は、ハイ松の上から転がるテントを見ていました。
テントは70~80mほど下で一旦止まりました。
これなら回収できるかも?と思いハイ松の中に飛び込みます。
ハイ松は順目ですが、枝が複雑に絡み合っているのでなかなか進みません。
テントが風に吹かれて2度3度と転がります。
「止まってくれ!」と念じながらハイ松を降ります。
もう少し吹き飛ばされたら見えなくなるという辺りで幸いにテントは止まっています。
どのくらい時間が経ったか分かりませんが、やっとテントに手が届き無事に回収することができました。
テントは、幸運にも張り綱がハイ松の枝に絡まって止まっていました。
テントのポールを抜いて折り畳み、脱いだウインドブレーカーの中に仕舞い込んで肩掛けして落ちないようにします。
テント本体は腰にしっかり縛り付けてハイ松を登ります。
ここからの登りが辛かった!
ハイ松は逆目となっており枝が下向きになっており私の行く手を遮ります。
そのハイ松の枝を一枝ごとに左右に分けてその隙間に身体を入れて登ります。
できればテントを張っていた方へ行きたいのですが横方向への移動はまさに枝渡り状態となるのでできません。
辛抱しながらハイ松の枝を分けて真っ直ぐ上に向かって登ります。
やっと、テントを張っていた場所が見えるところまで登ってきました。
約40分ほどのアルバイトでしたが、無事にテントを回収できました。
よかった!!
6時を少し回りましたが、気を取り直して北戸蔦別岳へ向かいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/f6/18dfdfbbe84b9b744711367ec932f321.jpg)
一山越えたところにもう一つテントが張れる場所がありました。
そこには先客のテントが張られていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/76/026d987bc35dc389096d83c51ccb6242.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/df/f304b24d106b3abcbc923eada1618c8a.jpg)
高山植物の花々に癒されながらの一登りで北戸蔦別岳の山頂に到着です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/0d/2c523fb74df138a54c3990a7ab539bc1.jpg)
ここから戸蔦別岳のBカール、Cカールが見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/5c/2265a0a0fbd518864ab52c772b6fdbb5.jpg)
山頂にはテントを畳んでいる単独の人がいましたのでシャッターを押してもらいました。
ここから戸蔦別岳に向かって一旦降ります。
快適な尾根歩きとなります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/6d/6701e6cf1d50dfc9d2c493b387dfd4a4.jpg)
途中で見たムシトリスミレです。
黄色い葉にネバネバした液があり、ここで虫などを捕らえます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/ec/9cbb29b0783d709792abd8f48bfca2bf.jpg)
まさにイワヒゲです。
2時間ほどで戸蔦別岳に到着です。
ここで今晩テント泊する七つ沼カーの姿が目の下に見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/58/7b54f83d43f35aff7afcf1f6d4f756ce.jpg)
ずいぶんと大きな雪渓が残っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/3c/091d53e63b03936314aca1b333dd5a38.jpg)
この写真は4年前の8月に写した七つ沼カールの写真です。
両方の写真を比較すると写した時期の違いはありますが雪渓の残り具合が全然違いますね。
さて、七つ沼の下降点に来ると数人の人たちが休んでいます。
置いてあるザックもあります。
私達は七つ沼カールにテントを張ってから日高幌尻岳へ登ることにしてますのでカール目指して降ります。
この下降路がなかなか大変な路でした。
上部はガラガラの浮き石だらけのガラ場です。
そこをダブルストックを使いながら慎重に降ります。
そして雪渓に到着。
この雪渓も短いのですがなかなかの傾斜があります。
持ってきた軽アイゼンをつけてもらって慎重に降ります。
何とか七つ沼カールに到着。
さっそくテントを張る場所を探します。
砂地でテント2張りが十分に張れる場所を見つけたのでここにテントを張ります。
テントを張ってしまうと、何かやり遂げた感がメンバーに漂います。
それを払拭して目標の日高幌尻岳へ向かいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/c1/f0f049329add40d63270617fa409fe7f.jpg)
この雪渓を目の前にして多少戦意喪失気味のメンバーを引っ張ります。
やっと登ったカール壁の上の稜線、目の前にドーンと聳えるコブ山、適当に休憩を入れて歩きます。
25分ほど歩くと日高幌尻側に下降点に到着です。
ここから急な登りが続きます。
それをやっと登り終えてもまだまだいくつかのコブを越えなければ山頂には着きません。
我慢の重ねながらやっと日高幌尻岳の山頂に到着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/cf/2e7974c5e9c5dad5b9d9ac34f6a33054.jpg)
満足な顔です。
ここで意外な発言がありました。
クロさんがこの山頂で百名山に王手だというのです。
残るは利尻岳だというのです。
私達が日高幌尻岳に行くというのを聞いて急遽参加を決めたのはこれが理由だったようです。
山頂で30分ほど休みます。
その間にも沢山の方達が登ってきます。
新冠側から登ってきた人たちもいます。
やはり百名山人気は凄いものがありますね。
さあ、何時までも山頂にいるわけには行かないので七つ沼に戻ることにします。
登ってきた道を帰るだけですのでドンドン進みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/0e/9850d76ea1dc39dd1545a6ab7e1725b9.jpg)
さて、堀尻岳側から七つ沼への下降点にきて考えました。
上部は草津期の斜面にきっちりとしたジグが切られています。
下部には大きな雪渓が残っていますが、それほど難しいとは思えません。
みんなに相談してここを降ることにしました。
草付きは順調に降りました。
その下に10mの小さな雪渓があります。
ここはアイゼンをつけて降ります。
雪渓の雪が堅いので注意しながら降ります。
私は先に降って雪渓の下で、万が一滑落した場合に止めようと準備して待ってました。
そこへ、あと5mほどという場所でみいちゃんが足を滑らせて落ちてきます。
私のすぐ横へ落ちてきたので身体ごとぶつけるようにして止めました。
幸いに滑った距離も少ないためスピードが遅かったので何とか止めることができました。
みいちゃんに怪我もなく止められたのは幸いでした。
しかし、まだまだ難所は続きます。
雪渓下にあるガラ場はアイゼンを付けたままで降ります。
そして大きな雪渓に出ます。
最初の傾斜が急ですのでトラバース気味にして高度を落とします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/e3/e19fdd594219fbbc00993ef489d9a2aa.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/7f/b6ce7ec995463b3a6c8b3d5b1f1f7a44.jpg)
この雪渓の中ほどまで降るとあとは傾斜の緩んだ斜面ですので、ホッと一息つけました。
後は雪渓下まで降りアイゼンを外して一休みします。
ここからは藪の中の踏み分け路を見つけてテントサイトへ戻ります。
テントサイトには私達以外のテントが4張りあり10人ほどの人たちがいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/3a/0d44534842530ca76a97c10d07391cbb.jpg)
夕暮れ時に鹿が草をハミに出てきました。
雄鹿が姿を見せるのは珍しいことです。
おまけにこの雄鹿の角は皮膚に覆われて赤く見えます。
風もなく穏やかな七つ沼でのんびりした時間を楽しみます。
もう日が暮れるという6時30分頃に七つ沼に向かって降ってくるグループがいます。
4人グループのようですが雪渓の上部をウロウロしています。
みいちゃんの話では、このグループは私達が降ってきた幌尻側の下降路を降ってきたが雪渓が降れずに登り返したグループでないかといいます。
アイゼンを持っているか声を掛けると持っていないといいます。
そこから動かないように声を掛けてから私はメンバーのアイゼンを持って雪渓を登ります。
東京から来た4人のグループでした。
すでに日が落ちて暗くなる寸前でしたので私が持ってきたアイゼンを付けさせて降ります。
中にはアイゼンの付け方が分からない人もいます。
最初の急な雪渓をゆっくり歩かせて何とか全員を降ろすことができました。
すでに暗くなってきたのでヘッ電を付けさせて水路となっている藪を降ります。
下の雪渓は傾斜が緩いのでそのままテントサイトへ誘導します。
リーダーらしい人が上の雪渓で下降路が発見できずに困っていたといいます。
こんなに雪渓が残っていると思わなかったのでアイゼンは持ってこなかったともいいます。
完全な準備不足です。
しかも、こんなに遅い時間まで行動するのは異常です。
最初の計画からして甘いものだとしかいえません。
北海道の山は標識がほとんどありません。
まして、日高は大雪山や十勝岳とは違いあるとすればピンクテープがちょこっと付いているくらいのものです。
地図をしっかり読んで登山道の周辺にも十分に目配りをしていないと登れないところなのです。
日高幌尻岳は本州の登山道が整備された百名山とは違います。
そのことを十分に理解した上で登って欲しいものです。
まだ暗い中、外を歩いている足音が聞こえました。
2人の足音が耳元に響いてきました。
こんなに早くから?と思いながら寝ていました。
4時に起きてテントの外へ出ると目の前には朝日に輝く穂高幌尻岳がドーンと大きな姿を見せてくれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f1/a407233be652a5c419b5ad22860140d4.jpg)
そして目を左の方へ転じると戸蔦別岳も輝いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/d8/fd09c499bbfc81218a3f9276a6dde7da.jpg)
今日もいい天気のようです。
俄然、やる気が出てきました。
朝食は前日造った残りのアルファー米をみそ汁のぶっかけご飯にしてサラサラと食べます。
朝食は汁物と一緒に流し込むのが私のやり方です。
テントの中のものを全部外へ出してパッキングをします。
テントはクロさんに任せてパッキングをしているときに事件は起きました。
後ろで、「アーッ!」という叫び声が聞こえます。
後ろを振り向くと私とクロさんが寝ていたテントが風に飛ばされハイ松の上を谷に向かって吹き飛ばされるとこでした。
クロさんが追いかけたのですがハイ松の枝に邪魔されて手が届きません。
テントはコロコロとハイ松の上を谷底に向かって転がっていきます。
「ア~ア!どうしょう!」、みいちゃん達はすでにあきらめ顔です。
私は、ハイ松の上から転がるテントを見ていました。
テントは70~80mほど下で一旦止まりました。
これなら回収できるかも?と思いハイ松の中に飛び込みます。
ハイ松は順目ですが、枝が複雑に絡み合っているのでなかなか進みません。
テントが風に吹かれて2度3度と転がります。
「止まってくれ!」と念じながらハイ松を降ります。
もう少し吹き飛ばされたら見えなくなるという辺りで幸いにテントは止まっています。
どのくらい時間が経ったか分かりませんが、やっとテントに手が届き無事に回収することができました。
テントは、幸運にも張り綱がハイ松の枝に絡まって止まっていました。
テントのポールを抜いて折り畳み、脱いだウインドブレーカーの中に仕舞い込んで肩掛けして落ちないようにします。
テント本体は腰にしっかり縛り付けてハイ松を登ります。
ここからの登りが辛かった!
ハイ松は逆目となっており枝が下向きになっており私の行く手を遮ります。
そのハイ松の枝を一枝ごとに左右に分けてその隙間に身体を入れて登ります。
できればテントを張っていた方へ行きたいのですが横方向への移動はまさに枝渡り状態となるのでできません。
辛抱しながらハイ松の枝を分けて真っ直ぐ上に向かって登ります。
やっと、テントを張っていた場所が見えるところまで登ってきました。
約40分ほどのアルバイトでしたが、無事にテントを回収できました。
よかった!!
6時を少し回りましたが、気を取り直して北戸蔦別岳へ向かいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/f6/18dfdfbbe84b9b744711367ec932f321.jpg)
一山越えたところにもう一つテントが張れる場所がありました。
そこには先客のテントが張られていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/76/026d987bc35dc389096d83c51ccb6242.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/df/f304b24d106b3abcbc923eada1618c8a.jpg)
高山植物の花々に癒されながらの一登りで北戸蔦別岳の山頂に到着です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/0d/2c523fb74df138a54c3990a7ab539bc1.jpg)
ここから戸蔦別岳のBカール、Cカールが見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/5c/2265a0a0fbd518864ab52c772b6fdbb5.jpg)
山頂にはテントを畳んでいる単独の人がいましたのでシャッターを押してもらいました。
ここから戸蔦別岳に向かって一旦降ります。
快適な尾根歩きとなります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/6d/6701e6cf1d50dfc9d2c493b387dfd4a4.jpg)
途中で見たムシトリスミレです。
黄色い葉にネバネバした液があり、ここで虫などを捕らえます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/ec/9cbb29b0783d709792abd8f48bfca2bf.jpg)
まさにイワヒゲです。
2時間ほどで戸蔦別岳に到着です。
ここで今晩テント泊する七つ沼カーの姿が目の下に見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/58/7b54f83d43f35aff7afcf1f6d4f756ce.jpg)
ずいぶんと大きな雪渓が残っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/3c/091d53e63b03936314aca1b333dd5a38.jpg)
この写真は4年前の8月に写した七つ沼カールの写真です。
両方の写真を比較すると写した時期の違いはありますが雪渓の残り具合が全然違いますね。
さて、七つ沼の下降点に来ると数人の人たちが休んでいます。
置いてあるザックもあります。
私達は七つ沼カールにテントを張ってから日高幌尻岳へ登ることにしてますのでカール目指して降ります。
この下降路がなかなか大変な路でした。
上部はガラガラの浮き石だらけのガラ場です。
そこをダブルストックを使いながら慎重に降ります。
そして雪渓に到着。
この雪渓も短いのですがなかなかの傾斜があります。
持ってきた軽アイゼンをつけてもらって慎重に降ります。
何とか七つ沼カールに到着。
さっそくテントを張る場所を探します。
砂地でテント2張りが十分に張れる場所を見つけたのでここにテントを張ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/9f/eb542b3616dcbbbdf1eefbf70a37ebd3.jpg)
テントを張ってしまうと、何かやり遂げた感がメンバーに漂います。
それを払拭して目標の日高幌尻岳へ向かいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/c1/f0f049329add40d63270617fa409fe7f.jpg)
この雪渓を目の前にして多少戦意喪失気味のメンバーを引っ張ります。
やっと登ったカール壁の上の稜線、目の前にドーンと聳えるコブ山、適当に休憩を入れて歩きます。
25分ほど歩くと日高幌尻側に下降点に到着です。
ここから急な登りが続きます。
それをやっと登り終えてもまだまだいくつかのコブを越えなければ山頂には着きません。
我慢の重ねながらやっと日高幌尻岳の山頂に到着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/cf/2e7974c5e9c5dad5b9d9ac34f6a33054.jpg)
満足な顔です。
ここで意外な発言がありました。
クロさんがこの山頂で百名山に王手だというのです。
残るは利尻岳だというのです。
私達が日高幌尻岳に行くというのを聞いて急遽参加を決めたのはこれが理由だったようです。
山頂で30分ほど休みます。
その間にも沢山の方達が登ってきます。
新冠側から登ってきた人たちもいます。
やはり百名山人気は凄いものがありますね。
さあ、何時までも山頂にいるわけには行かないので七つ沼に戻ることにします。
登ってきた道を帰るだけですのでドンドン進みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/0e/9850d76ea1dc39dd1545a6ab7e1725b9.jpg)
さて、堀尻岳側から七つ沼への下降点にきて考えました。
上部は草津期の斜面にきっちりとしたジグが切られています。
下部には大きな雪渓が残っていますが、それほど難しいとは思えません。
みんなに相談してここを降ることにしました。
草付きは順調に降りました。
その下に10mの小さな雪渓があります。
ここはアイゼンをつけて降ります。
雪渓の雪が堅いので注意しながら降ります。
私は先に降って雪渓の下で、万が一滑落した場合に止めようと準備して待ってました。
そこへ、あと5mほどという場所でみいちゃんが足を滑らせて落ちてきます。
私のすぐ横へ落ちてきたので身体ごとぶつけるようにして止めました。
幸いに滑った距離も少ないためスピードが遅かったので何とか止めることができました。
みいちゃんに怪我もなく止められたのは幸いでした。
しかし、まだまだ難所は続きます。
雪渓下にあるガラ場はアイゼンを付けたままで降ります。
そして大きな雪渓に出ます。
最初の傾斜が急ですのでトラバース気味にして高度を落とします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/e3/e19fdd594219fbbc00993ef489d9a2aa.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/7f/b6ce7ec995463b3a6c8b3d5b1f1f7a44.jpg)
この雪渓の中ほどまで降るとあとは傾斜の緩んだ斜面ですので、ホッと一息つけました。
後は雪渓下まで降りアイゼンを外して一休みします。
ここからは藪の中の踏み分け路を見つけてテントサイトへ戻ります。
テントサイトには私達以外のテントが4張りあり10人ほどの人たちがいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/3a/0d44534842530ca76a97c10d07391cbb.jpg)
夕暮れ時に鹿が草をハミに出てきました。
雄鹿が姿を見せるのは珍しいことです。
おまけにこの雄鹿の角は皮膚に覆われて赤く見えます。
風もなく穏やかな七つ沼でのんびりした時間を楽しみます。
もう日が暮れるという6時30分頃に七つ沼に向かって降ってくるグループがいます。
4人グループのようですが雪渓の上部をウロウロしています。
みいちゃんの話では、このグループは私達が降ってきた幌尻側の下降路を降ってきたが雪渓が降れずに登り返したグループでないかといいます。
アイゼンを持っているか声を掛けると持っていないといいます。
そこから動かないように声を掛けてから私はメンバーのアイゼンを持って雪渓を登ります。
東京から来た4人のグループでした。
すでに日が落ちて暗くなる寸前でしたので私が持ってきたアイゼンを付けさせて降ります。
中にはアイゼンの付け方が分からない人もいます。
最初の急な雪渓をゆっくり歩かせて何とか全員を降ろすことができました。
すでに暗くなってきたのでヘッ電を付けさせて水路となっている藪を降ります。
下の雪渓は傾斜が緩いのでそのままテントサイトへ誘導します。
リーダーらしい人が上の雪渓で下降路が発見できずに困っていたといいます。
こんなに雪渓が残っていると思わなかったのでアイゼンは持ってこなかったともいいます。
完全な準備不足です。
しかも、こんなに遅い時間まで行動するのは異常です。
最初の計画からして甘いものだとしかいえません。
北海道の山は標識がほとんどありません。
まして、日高は大雪山や十勝岳とは違いあるとすればピンクテープがちょこっと付いているくらいのものです。
地図をしっかり読んで登山道の周辺にも十分に目配りをしていないと登れないところなのです。
日高幌尻岳は本州の登山道が整備された百名山とは違います。
そのことを十分に理解した上で登って欲しいものです。