井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

野塚岳から十勝岳を歩く!

2014-03-02 14:31:33 | 日高山系の山
 2月27日に今年初めてとなる日高の主稜線を歩いてきました。
歩いた区間は、南日高の野塚岳(1,352m)からオムシャヌプリ経由して十勝岳(1,456m)までの稜線です。
メンバーは、いつものSz氏にOn氏の3人です。

 この区間のスタートは、日高の浦河町から十勝の広尾町に抜ける通称「天馬街道」の真ん中にある野塚トンネルの駐車場となります。
しかし、このスタート地点まで遠く、札幌から車で3時間半はかかります。
そんなことで26日の夕方に札幌を発ち現地で前泊をします。
前泊は、野塚トンネルの日高側にある除雪センターの駐車場です。


 2月27日(木曜日)

 朝4時に起きます。
辺りは真っ暗なのですが、軽く朝食を済ませて早速行動開始です。
銘々で用意したお弁当などを食べますが、私は冷やし中華を用意しました。

 今日の天気は、予報によれば晴れで気温がプラス7~8度とこの時期としては異常に高い予報が出ています。
気温が高いので雪崩などには十分に注意しなければなりません。

 5時を回ったところでスタート地点となる野塚トンネルの駐車場に到着です。
辺りを見渡して雪が少ないのが目に付きます。
今年の南日高は例年に比べても異常に雪が少ないようです。

   
   この駐車場付近を見ても全く雪がないような状態です。

 5:25分、準備ができたので出発です。
スノーシューを履いて暗い斜面を1,147mのコブをを目指して登ります。
表面が軽くクラストしていますが中はザクザクの雪です。
50分ほどでコブに達すると右手には朝日に輝くトヨニ岳が見えてきます。
   

 ここからは、稜線歩きとなります。
左手には今日の目標十勝岳やその先にある楽古岳などが霞んで見えています。
   

 さて、稜線に出ると雪庇がありますが規模が小さく、昨年のように根元に亀裂が入っていません。
この状態であれば安心して歩けます。
   

 登るに従って右手にあるトヨニ岳が存在感を増してきます。
   
    この山には、一昨年登っています。
    中央に刻まれた深い谷の右にある尾根を登りました。

 懐かしい眺めなのですが、先を急がなければなりません。
1,223mのコブに達すると目の前に野塚岳の山頂部が見えてきました。
   
   急な斜面に雪庇が出来ています。

 いったんコルまで降り、再度、登り返します。
稜線は西風が強く吹き、時々足下を掬われそうになります。
しかし、天気がいいので快調に歩くことが出来ます。

 8:35分、約3時間ほどで野塚岳に到着です。
   
   何年振りかの山頂ですのでSz氏と記念写真を写しました。

 さあ、ここからの稜線は私にとって初めて歩く区間となります。
   
   目の前にはこれから歩く山々が見えています。
   二つ並んでいる山がオムシャヌプリです。

 山々が霞んで見えますが、今日はPM2.5が中国から日本までかなりの量が飛散しているとのことです。
北海道も飛散量が多いとの予報が出ていますのでその影響で霞んでいるのかもしれません。

 オムシャヌプリに向かって降ります。
今日はこの登り返しを何度も繰り返さなければなりません。

   
   オムシャヌプリの西峰に向かって最後の登りは、雪面の表面がクラストして凍っておりテカテカと輝いています。
この薄く凍った氷が板状にパリパリと割れます。

 10:45分、オムシャヌプリ西峰に到着です。
この山頂からは、今日のゴールとなる十勝岳や目の下には上二股の沢などが見えています。
しかし、十勝岳まではずいぶん距離があるように見えて気持ちが萎えそうになります。
風が強いので山頂部では休めません。

 コルまで降ってから休むことにします。
   
   オムシャヌプリ東峰です。

 ここまでほぼ予定通りに進んでいます。
十勝岳まで14時を目標に歩いてますが、何とか到着できそうです。

 それにしても、目の前に見える十勝岳の山容はなんと堂々としているのでしょうか。
   
   山頂から右手の上二股の沢へ野斜面は急峻です。
下山路を探しましたが、どの稜線を下るか判断に困るくらいです。

 谷から吹きあがってくる風がいっそう強くなってきました。
ところどころ尾根が狭くなっているので注意して歩きます。
   
   最後の稜線が迫力を増して近づいてきます。

   
   この辺りはスノーシューで歩きました。

 後ろを振り返ると、今日歩いてきた稜線とさらに北側に延びる日高の主稜線が見えています。

 13:55分、ほぼ予定通りの時間で十勝岳の山頂に到着することが出来ました。 
   
   On氏とSz氏です。

   
   歩いてきた稜線です。

 そして、目を転じると楽古岳が間近に見えています。
   
   この稜線は未踏の区間です。

 十勝岳の山頂部は風を防ぐ場所がないので少し降ります。
そして、風陰で休憩します。

 そこから下山路に選んだ西の尾根は広い尾根となっています。
この尾根を快調に降ります。
   
   アッという間に十勝岳の山頂が遠くなります。

 目の前にコブ山が見えています。
この山から上二股の沢に向かって下降します。
   
   急な尾根であることがわかります。
   見かけの角度が45度はありそうです。

 しかし、この尾根がくせ者でした。
狭い上に急なのです。
しかも、雪がサラサラで足下から崩れてしまいます。

 私は、ツボ足で降りましたが、所々で腰まで埋まってしまいます。
何度か転んでしまいましたが、何とか下降することが出来ました。

 後は林道を歩いて天馬街道を目指します。
この林道歩きが辛かった!!

 日暮れが近づいてきていることもあり沢の中は急速に気温が低くなってきました。
16:40分、何とか国道まで帰ってくることが出来ました。
やあ、やあ、長い1日でした。

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  今回は、ここから野塚トンネルの駐車場に駐車した車を取りに行くのをヒッチハイクで
 行くことにしていました。
 そのため、日が暮れるまでになんとしても天馬街道まで戻らなければと思って歩いていました。

 しかし、ヒッチハイクしようにも浦河方面から広尾方面に走ってくる車が少ないのです。
 十勝側からはそれなりの数が走ってきます。
 10分以上1台も車が走ってこないのです。
 日暮れが近づいてきます。
 気が焦りますが、こればかりはどうにもなりません。

 ようやく走ってきた車は大きなトラックで硝酸運搬車とあります。
 この次の車に何とか拾って貰わねばと思い道路の両側で待ちました。

  1台のワンボックス車が浦河方面から走ってきます。
 この車に向かって道路の反対側から私が手を振ります。
 車のスピードが弛んだような気がしました。

 さかさず、反対側にいたSz氏が合図すると車が止まってくれました。
 運転している人にSz氏が話をしているようです。
 どうやらOKの返事がいただけたようです。

 On氏がワンボックスに乗り込んで車の回収に向かいます。
 正直、これで帰れると、ホッとしました!!

 品川ナンバーを運転していた人、本当にありがとうございました!!