![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/79/bd6e85badc45a71a6c5794d0543e111a.jpg)
私は、カイラスに向かって手を合わせ般若心経を唱える。
私と妻の両親をはじめ身近でなくなった人達の冥福を祈る。
それと、妻の姉の病気が良くなるように祈る。
湖岸にある小石をお守りにするために拾う。
白い色の小石が多い。波に洗われて表面がツルツルしている。
あとは湖岸に座り、ただただ遠くに見えるカイラスの真っ白な頂と
マナサロワール湖の濃い藍色の水を眺めていた。
自然に涙がポロポロと落ちてきた。
嬉しいとか、悲しいとかそういった感情が心に湧いていないのに
なぜか、ポロポロと涙が出てくる。
このマナサロワール湖の湖面の色とカイラス山の純白が
心の奥に揺さぶりをかけているのだろうか?
昼食を挟んでこのマナサロワール湖岸には3時間は居ただろうか。
私達が湖を離れる少し前にインド人と思われるご夫婦がやってきて、
湖岸でカイラス山に向かってお祈りを始めた。
年齢は私と同じくらいと思われる。
二人はロウソクに火をつけ、いろいろな祭具を出して
熱心にお祈りを始めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/38/fdf51fe05dc41494e8765057e474b676.jpg)
その姿を写真に納めようとしてお参りのじゃまにならないように
少し離れたところから数枚写していると、
男の人が私に自分のカメラを持って手招きする。
どうやらお参りをしている自分たちを写してほしいと言っているようだ。
カイラス山がバックに来るようにアングルを決めて2~3枚シャッターを切る。
カメラを返すと短くお礼を言われた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/b3/1923da36cbd4731fb307da0f28484a08.jpg)
ランクルに乗って沐浴した場所からさらに右回りで湖の周りを走る。
しばらく走ると湖岸にお寺が見えてくる。
土造りのお寺なので最初は気がつかなかった。
トゥルゴ・ゴンパだ。このお寺の正面にカイラス山が見える。
車から写真を数枚撮っただけでさらに走る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/05/48df4d26655d482f05d1b69858be95f7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/5c/324141847edb60b2f8e16ffd555a6f07.jpg)
道は小高い丘を越えて、隣にあるラカスタル湖の湖岸を走る。
幾筋もの踏み跡をどう選ぶのか分からないがウェイさんは右に左に
コースを変えながら走っていく。
ラカスタル湖に注ぐ小さな川があり、
そこから右折すると数軒の建物がある。
その大きさからすると宿のようだ。
そしてこの川は、マナサロワール湖から流れ込んでいる。
見たところマナサロワール湖とラカスタル湖の湖面の高さは
それほど違わないように見える。
ということは、この二つの湖は昔は繋がっていて
一つだったのかもしれない。
左側の小高い丘の山頂部に白い建物が建っている。
右手にある小さな建物から四方に張られたタルチョンが風にたなびいている。
これはチューゴンパに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/84/b7423315eea7a459b10e8ccec803163c.jpg)
今日の宿は、このチューゴンパの下にありマナサロワール湖が
見える小高い丘の上にある。
マナサロワール湖が見える方に小さな窓があるだけの狭い部屋に
ベットが4台置いてあります。
土埃のニオイがする部屋の中に自分のダッフルバックを入れて
ベットの横に置きます。
この頃になると、部屋の中での4人の場所が決まってきます。
入り口のすぐそばにはグレゴリーと私、
奥の方にゲリーとヴィジュヌー、
いつの間にかそんな位置関係が決まっています。
それにしても大変な旅ですね。最初は若し出来たら私もと、思っていた気持ちはすでに消えてしまいました。
今はただこの旅行記を読んで満足するしかないようです
なぜかというと、インド人の老人達もここまで来ているからです。
「意思あれば通ず!」です。
思いを持っていれば必ず実現するはずです。
ですから、諦めることはないと思います。