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モーツァルトの晩年のピアノソナタを弾くグルダ

2016年08月07日 22時08分47秒 | モーツァルト
三日間、東京出張でした。永田町界隈での会合に出席しました。あのあたりは警官がいたるところに配置され、なかなか警備がたいへんですね。夜に月島でもんじゃ焼きを食べました。微妙な食べ物ですねえ。最終日に時間があったので、スカイツリーに行ってみました。眼下に見える東京は広いですね。学生のころ、東京タワーから関東平野を見てみたいとおもっていましたが、やっと見ることができましたね。残念ながら、富士山とマリンスタジアムは見れませんでした。

さてさて、今回はフリードリヒ・グルダのモーツァルトのピアノソナタであります。グルダのモーツァルト、先年に失われたと思っていた録音が偶然にもテープに録音されて残っていたことが話題になりました。1980.82年の録音で、CD5枚に収められて発売されましたね。この辺りの事情はよく分かりませんが、このCDはまだ私は持っておらず、近々購入しようとおもっております。それで今回は、1978年9月にミュンヘンのヘラクレスザールで録音されたものの中から、ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調K.570であります。

意外にもグルダのモーツァルトは、アバドと共演した協奏曲(20.21.25,27番)が有名ですが、ソナタとなると、あまり聞きません。モノラルの第17番と第8番、1960年代と70年代にamadeoに録音した第11番、第13番、第15番、そしてこの1978年のミュンヘンでのセッション録音で、第16、17番があり、それにテープが発見された一連のものがあるということでしょうか。

さて、モーツァルトのピアノソナタですが、一応番号の付いている曲は18曲あります。1889年に最後の二曲が作曲されますが、その内の1曲がK.570です。曲としても平易な曲で、弟子のために作られてという見方もあります。そして、聴きやすい曲ですね。まあ一般的にモーツァルトのピアノソナタは、そんな曲が多いのです。美しく曲にうっとりさせられるような、そんななんともいいなあ、と思うのでありました。

グルダのピアノですが、実にピアノのタッチが滑らかで、一音一音が宝石のように美しいですねえ。ピアノの奏でる音楽が、旋律となって入って来るのではなく、旋律を構成するひとつの音として認識させてもらえるのでした。ゆえに、ピアノの演奏の美しさが心に染み込むのであります。そしてモーツァルトの純真でかつ昇華された美しさが、グルダのピアノから実に自然に、そして何の曇りもなく、奏でられるのでありました。

第1楽章アレグロ。非常に平明な主題で始まるが、非常に歯切れのいいピアノがどんどん旋律を重ねていき、平易な中にも快活な様子がうまく表されています。第2楽章アダージョ。この第2楽章とK.576の第2楽章のふたつのアダージョ楽章の美しさは、晩年のモーツァルトのいわゆる透き通った美ということで、特にいいですねえ。その美しさをグルダは、ことさら何もせず、平常心で自然に弾き通しています。穏やかで平静な雰囲気の中、ピアノの音色が心に染み込みます。このアダージョ、聴き込むほどに、モーツァルトの魅力が滲み出て来ています。とにかくグルダのピアノが美しいのでありました。そして第3楽章アレグレット。前楽章のしんどさから抜けだし、若干の楽しさや軽快さが出て来た。しかし、それは上部だけのことのような音楽が展開される。グルダの平明なピアノ、前楽章から語り口はほとんど変わっていないが、意識しすぎるのかもしてないが、諦観のような趣も感じられるのでありました。

しかし、暑くなりましたね。プロ野球に加えて、オリンピック、そして高校野球。なかなかこの暑さの中で大変であります。そして、あっという間にお盆ですねえ。
(DG 431 8\084-2 1990年 輸入盤)

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