24日に、アメリカの名バリトン歌手のトマス・スチュアートが死去されたそうです。78才で、なんでもゴルフをプレー中、心臓発作のためだそうです。トマス・スチュアートといえば、私が一番印象に残っているのは、ワーグナーですね。ざっと、思い当たるだけで、クーベリックの「マイスタージンガー」のザックス、カラヤンの「ワルキューレ」のヴォータン、「神々のたそがれ」のグンター、ベームの「オランダ人」のオランダ人、クーベリックの「ローエングリン」のテルラムント、ブーレーズの「パルジファル」のアンフォルタスなどが思い浮かびます。陰影にどんだ声は、ワーグナーの諸役には欠くことのできない存在感を持った歌手でした。CD-Rを初めて買ったときに、これらの歌唱を集めて、一枚のCDに焼きました。「Thomas Stewart sings Wagner」と名付けたCDを作成して喜んでました。中でも、カラヤンの「ワルキューレ」のヴォータンは、一番印象に残っています。カラヤンの「ワルキューレ」はけっこう気に入ってます。よく室内楽的なカラヤンの演奏といいますが、それにも増して、歌手たちも繊細で確実な歌唱を聴かせています。ヤノヴィッツのシークリンデやクレスパンのブリュンヒルデ、タルヴィラのフンディングなど、多少軽めですが、カラヤンの演奏とともに深く印象に残っています。トマス・スチュアートのヴォータンも、第二幕の若き日の回顧のくだりと、第三幕の最後のブリュンヒルデの告別のくだりの歌唱は、美声ともあいまって、素晴らしいものでした。このCDは、指環の全曲のCDとして初めて買ったもので(レコードはベームとフルトヴェングラーを持ってました)、唯一の国内盤でした。三万円で日本橋のディスクピアで買いました。高かったですね。今では、HMVでは、13000円ほどで買えます。安くなりましたが「入手困難」と書いてました。
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