ノーベル賞、今年も文学賞に村上春樹さん、だめでしたね。まあ、ご本人さんもそれほどでもないかもしれませんね。でも、世界的な評価では、たいしたものとは思うのですが…。一方、医学の方で山中伸弥さんが受賞されました。iPS細胞、体のあらゆる臓器や組織になるとされ、医学での応用が期待されています。実用化したら、ガンなど不治の病とされていたものが、治るようになるんでしょうか。もし、そうなら人間が病気の苦悩から解放されるのでしょうかねえ。
まあ、それはそれとして、今回は前回に続いてシューベルト。八重奏曲ヘ長調D.803です。この曲について、今からもう20年ほど前に『レコード芸術』で読んだ記事が至極印象に残っています。それは、秋のある日、友人宅に行って帰らなければ、と思いながら、長居をしてしまい、夜も更けてしまった。そのときバックにはこの曲が流れており、まさに秋の夜長に聴くに相応しい曲だった、とまあこんな内容だったように思います(ちょっと違うかも知れません…)。この記事を読んで以来、この八重奏曲は、秋の夜長に止めどもなく流れる音楽、と理解しているのでした。
確かに長い曲で、全曲で一時間ほど。六楽章からなり、ベートーヴェンの七重奏曲を意識して作られたことも有名です。さて、この曲の演奏。今回はベルリン・フィルハーモニー八重奏団が1998年に録音したもの。昨年も来日公演をしており、、結成から70年以上という、BPOのメンバーが組織する多くの室内楽アンサンブルの中で、もとも長い歴史と伝統をもつ団体のひとつだそうです。ただ最近のメンバーとこのCDで演奏しているのとでは、ヴィオラのヴィルフリート・シュトレーだけが共通のメンバーです。現在は、ホルンのラデク・バボラークなどがいます。
さて、この演奏ですが、一言でいうと「上手い!」のであります。各それぞれの8つの楽器が、まったくもって正しい音程で演奏している。まったくもって音程が乱れたりすることがないのです。いくつかの楽器が合わさって同じ旋律を演奏しても、少しの狂いもなく、正しく同じ音程の音がいくつかの楽器で同時に演奏されているのです。つまり、最初の音符から最後のまで、これほどきれいな音でムダな音もなく演奏されているのは、すごいですねえ。
第1楽章、アダージョーアレグロ。弦とクラリネットのによる導入部から、ユニゾンによって力強く奏でられる第1主題。そしてチェロによる夜第2主題、その後クラリネットやホルンなど様々な楽器に受け継がれていくが、純粋な響きは心地よい。甘く歌うような演奏ではなく、あくまで客観的であるが、各楽器が生き生きとシューベルトの夢を歌っている。第2楽章アダージョ、緩やかで優しげなメロディがクラリネットで歌われ、その後延々と終わることなく演奏されるよう。この曲の長大さはここでまず印象づけられる。そんな中も、各楽器が雄弁な表情をたたえて締まった演奏が展開される。第3楽章スケルツオ。深い表情が演奏されるようではなく、あくま各楽器の締まった演奏が心に響きます。旋律の美しさと相俟って演奏の巧さも光りますね。第4楽章アンダンテの7つの変奏曲。弦の主題がいろんな変化していく中でも、見通しのいい冷静な演奏が光る。第5楽章は、初めてのメヌエット。おとなしめのメヌエットか。ここまでは冗長さよりも、曲の演奏の切れ味をたっぷり楽しめる。ゆったりとしたホルンが夢見心地を増幅させる。そしていよいよ終楽章、慌ただしいトレモロで始まる。その後の主題は全曲中最も印象深い。曲想の貧困さをいいたいが、この演奏ではそれはあまり感じず、最後に愉悦感一杯で、長い曲が終わります。
このCDは、Brillantから出ていますが、原盤はNinbusです。H○Vで、3種類買わないと安くならないので、先のウェストミンスターのBOXを買ったときに、もう2種類、最も安いやつを買おう!ということで、出て来たのが、これでした。798円で買いました。安かったですが演奏は超一品でありました。
(Brilliant Classics BRL93844 輸入盤)
まあ、それはそれとして、今回は前回に続いてシューベルト。八重奏曲ヘ長調D.803です。この曲について、今からもう20年ほど前に『レコード芸術』で読んだ記事が至極印象に残っています。それは、秋のある日、友人宅に行って帰らなければ、と思いながら、長居をしてしまい、夜も更けてしまった。そのときバックにはこの曲が流れており、まさに秋の夜長に聴くに相応しい曲だった、とまあこんな内容だったように思います(ちょっと違うかも知れません…)。この記事を読んで以来、この八重奏曲は、秋の夜長に止めどもなく流れる音楽、と理解しているのでした。
確かに長い曲で、全曲で一時間ほど。六楽章からなり、ベートーヴェンの七重奏曲を意識して作られたことも有名です。さて、この曲の演奏。今回はベルリン・フィルハーモニー八重奏団が1998年に録音したもの。昨年も来日公演をしており、、結成から70年以上という、BPOのメンバーが組織する多くの室内楽アンサンブルの中で、もとも長い歴史と伝統をもつ団体のひとつだそうです。ただ最近のメンバーとこのCDで演奏しているのとでは、ヴィオラのヴィルフリート・シュトレーだけが共通のメンバーです。現在は、ホルンのラデク・バボラークなどがいます。
さて、この演奏ですが、一言でいうと「上手い!」のであります。各それぞれの8つの楽器が、まったくもって正しい音程で演奏している。まったくもって音程が乱れたりすることがないのです。いくつかの楽器が合わさって同じ旋律を演奏しても、少しの狂いもなく、正しく同じ音程の音がいくつかの楽器で同時に演奏されているのです。つまり、最初の音符から最後のまで、これほどきれいな音でムダな音もなく演奏されているのは、すごいですねえ。
第1楽章、アダージョーアレグロ。弦とクラリネットのによる導入部から、ユニゾンによって力強く奏でられる第1主題。そしてチェロによる夜第2主題、その後クラリネットやホルンなど様々な楽器に受け継がれていくが、純粋な響きは心地よい。甘く歌うような演奏ではなく、あくまで客観的であるが、各楽器が生き生きとシューベルトの夢を歌っている。第2楽章アダージョ、緩やかで優しげなメロディがクラリネットで歌われ、その後延々と終わることなく演奏されるよう。この曲の長大さはここでまず印象づけられる。そんな中も、各楽器が雄弁な表情をたたえて締まった演奏が展開される。第3楽章スケルツオ。深い表情が演奏されるようではなく、あくま各楽器の締まった演奏が心に響きます。旋律の美しさと相俟って演奏の巧さも光りますね。第4楽章アンダンテの7つの変奏曲。弦の主題がいろんな変化していく中でも、見通しのいい冷静な演奏が光る。第5楽章は、初めてのメヌエット。おとなしめのメヌエットか。ここまでは冗長さよりも、曲の演奏の切れ味をたっぷり楽しめる。ゆったりとしたホルンが夢見心地を増幅させる。そしていよいよ終楽章、慌ただしいトレモロで始まる。その後の主題は全曲中最も印象深い。曲想の貧困さをいいたいが、この演奏ではそれはあまり感じず、最後に愉悦感一杯で、長い曲が終わります。
このCDは、Brillantから出ていますが、原盤はNinbusです。H○Vで、3種類買わないと安くならないので、先のウェストミンスターのBOXを買ったときに、もう2種類、最も安いやつを買おう!ということで、出て来たのが、これでした。798円で買いました。安かったですが演奏は超一品でありました。
(Brilliant Classics BRL93844 輸入盤)
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