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バレンボイムのモーツアルト、ピアノ協奏曲

2011年02月03日 22時44分53秒 | モーツァルト
寒い今年の冬も、気がつけば立春。こころなしか、少し暖かくなったようです。この時期の多忙には、三つのヤマがありまして、最初のヤマにさしかかりつつあります。帰宅後も家で二時間ほどの残業が毎日続きまして、少々辛い毎日です。世間では、大相撲の八百長問題、ついに露見しましたねえ。どうなるんでしょう。もはや志ある親方や力士が、相撲協会から独立して、清く正しく美しい相撲団体を旗揚げする、まるで独立リーグのようですが、そんなこと、まあ無いでしょうねえ。なかなか国技にとって最大の危機でしょうかね。どうなるんでしょうか。

さてさて、ベートーヴェンが二回ほど続きましたので、今回はモーツァルトです。久々のピアノ協奏曲。先日、友人がバレンボイムとBPOの協奏曲全集を元町の中古やさんで買った!、ということを聴きまして、ほうほう、と思い、このCDを引っぱって来ました。バレンボイムのモーツァルトのピアノ協奏曲、周知の通り1970年代のイギリス室内管とのものと、1980年代後半のBPOによるものがあります。前者については、LPでよく聴いたもので、若いバレンボイムが一気に弾ききったて感じでしたが、BPOとのものは、円熟期に入ったバレンボイムがBPOを振り、熟考のピアノを展開しておる、とでもいうことでしょうか。後者については、まず20~27番が4枚組で発売されたのを聞いて、当時の同僚となんばに行って8000円で買ったように記憶しています。その後、それ以外の曲が1枚づつ発売されました。そして、すべてがBOXものとして4000円くらいで、加えて2台と、3台のための協奏曲のDVDも付いているということで、これはお得だ!ということで買い直した次第です。

モーツァルトのピアノ協奏曲の中で、好きなのはどれか。やはり27番が一番でしょうかね。その次は?、と言えば、私は24番を挙げます。二曲しかない短調の一曲。ハ短調K.491。1786年3月24日に作曲され。初演は同年4月7日、ウィーンのブルグ劇場での予約音楽会で初演されました。一般的に暗い曲、というイメージがありますが、ニ短調の20番よりは、と思います。そういった印象よりも、この短調の曲にモーツァルト音楽の独特の美しさを感じます。

バレンボイムのBPOの演奏、1988年2月の録音。この演奏はやはりバレンボイムのピアノとBPOの演奏、これが素晴らしいですね。まず、BPOですが、やはりこれはさすがの演奏。少々、イギリス室内管などに比べると、厚っぽいし大仰な印象はありますが、カラヤンの時代の最晩年、どの楽器も、生き生きとした、一縷のスキもない、堂々とした演奏が聴けます。モーツァルトのピアノ協奏曲で、これだけの管弦楽が聴ける演奏は、そうないでしょう。そして、バレンボイムですが、この人のピアノは否定的な意見をよく見ますが、私はこの人のピアノは嫌いではありません。ここでも、非常に表情が豊かで、端正かつ考え抜いたピアノを聴かせてくれています。
第1楽章、暗い主題ではじまります。それほどの暗さを感じないのは、BPOの美音とバレンボイムの端正なピアノのためでしょうか。BPOはそれぞれの楽器が縦横無尽の劇的な展開で、この曲をドラマティックに表現しています。ピアノも強弱を変化をうまく生かし、加えて刻々とした表情の変化もいいです、第2楽章、ここでのピアノと木管の音色の素晴らしさは何とも言えません。しかし、BPOの木管はすごいです。それにうまく呼応するピアノ。弱音の美しさも特筆すべきです。この楽章の持つ美しさが胸に染み込んできます。第3楽章、主題と8変奏曲。モーツァルトの短調らしい曲。変奏曲での曲の変化に対して、ピアノの変化もおもしろい。長調らしい曲はそのような情感があふれるピアノに終始して、木管の美しい響で惚れ惚れするうちにいくつかの変奏をへて終曲となりあす。バレンボイムがBPOを得て成し遂げた名演奏であります。

というわけで、20~27番はダブりなんですが、どうもこれを中古やさんなどに処分するのはもったいないな、って思ってしまう、小市民の私でありました。
(Warner Classics 2564619192 2005年 輸入盤)

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