こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

インバルのマーラーは、高かった。

2011年02月06日 22時41分45秒 | マーラー
大相撲春場所は、八百長問題で中止になりました。一方、プロ野球はキャンプに突入。前年の日本一チームもほとんどマスコミに取り上げられることはありません。斉藤くんに話題は独占されていますねえ。まだ早いですが、順位予想でもなんと5位!。まあまともに考えても、投打の中心が大リーグとセリーグに行ってもうたわけで、充実した補強をおこなったソフトバンクさんなどに比べても、なんともお寒い状態です。加えて、去年故障で大半を棒に振った選手を、まだ100%回復していないのに、こともあろうにショートにコンバートしようとする始末。なんともねえ。実に見通しが悪いこと限りありませんね。まあ、しゃかりきに頑張ってもらいたいものです。

さてさて、今回はマーラーです。最近、インバルが東京都交響楽団と、ライブによる録音を出して話題になっています。インバルさんも、大分のことお年を召されましたねえ。このインバル、ちょうど1980年代後半からのマーラー・ブームのころに、フランクフルト放送交響楽団と全集を完成されたことは、記憶に新しいところです。大分前にこのCDのことは、言及したことがあるのですが、高かったんです。DENONからの発売で輸入盤がなかったので、日本盤しか入手できず、また、二枚組とかが多く、そうなるとなんと6000円でありました。ですので、それほど買うこともできず、唯一7番を買ったのが精一杯でした。そして、それから20年たちまして、このインバルの全集は、BRILLIANTから、15枚組で再発売されました。そのときの販売価格は忘れましたが、それを3年前に元町の中古やさんで、なんと2500円で出てました。このコストパフォーマンスに感動しまして、思わず買ってしまいました。これには大地の歌や10番の完成版も入っており、他によく見られるツメツメの編集ではなく、その点でもいいですねえ。

それで、このインバルのマーラーから、交響曲第7番ホ短調『夜の歌』です。エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団の演奏。1986年5月14日~17日フランクフルトのアルテ・オーパーでの録音。この7番は、広く難解だ、と言われていますが、私に言わせると、マーラーの不可解な音楽は、この曲に限らず他の曲でも同じであります。この7番も最終楽章がよくわからなかったのですが、このインバルの演奏、この第5楽章がいいのです。それまでの楽章とこの楽章とにそれほどの違和感を感じないのです。第4楽章までの演奏は、暗い深刻なものではなく、それをとことん表現するというものでもないのです。そして、演奏は極めて明晰。マーラーの音楽が明瞭に表現されていることは、極めて暗部に光を当てたものなのです。どこを切り取ってみても、マーラーの音楽以外の何物でもなく、5番などと極めて共通の特徴を感じさせてくれる演奏なのです。第1楽章、ホルンを中心とする金管の響きが明るい。マーラーらしい旋律が屈託のない表情で演奏される。そこには、少しのためらいや陰な箇所を感じることはないですね。第2楽章「夜曲」。金管の響きが深刻ではありません。ここでも陰鬱な表情は感じることがなく、しっかり聴いていると、これはインバルの意志なのか、少々疑念を感じることもある。途中、行進曲風の部分は、快調な表情が感じられる。最後に木管によるさえずりも聴ける。第3楽章スケルツオ。インバルの演奏は、一点の曇りもなく、マーラーの旋律を着実に表現している。金管のみならず、弦の音色も美しささえ感じる。ここでも伸びやかな旋律が心に残る。そして、第4楽章。ここでもマーラーらしい旋律が満喫できる。ホルンとクラリネットとヴァイオリンなどの美しい調べや、チェロとホルンの旋律もいいですね。ここでも暗さを感じない演奏。そして、終楽章。金管の高らかな演奏に始まり、次第に祝典的になっていく。インバルの演奏は、前楽章までとのことさら印象が異なるようなものではないところがいいです。

しかし、このCD、発売されたときは、演奏時間が約77分にもかかわらず、2枚組となっていました。今は、Blu-spec CDで一枚組で値段は1200円…。以前に買った2枚組も、ダブっているので中古やさんに処分してもいいのですが、どうも買ったときの6000円が邪魔をして、そういう気にはならないのであります。誠に小市民の私でありました。
(DENON 60CO-1554・54 1987年)

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2 コメント

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インバルにはお世話になってました (ヒロノミンV)
2011-02-07 19:35:05
 こんばんは。
 自分がマーラーを聴きはじめたのが、まさにこのインバルのCDが売れてる頃でしたので、自分にとってはバーンスタインよりもインバルにマーラーを教えてもらったようなものです(笑) このコンビでは5番の実演も聴きましたし・・・
 自分の親父が音響技師だったもので、「研究」目的で?家には全巻揃ってました。演奏もはつらつとして、録音が素晴らしいですよねぇ。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2011-02-07 22:14:03
ヒロノミンV 様、コメントありがとうございます。このころのインバルは、このマーラーといい、またブルックナーといい、まさに八面六臂の活躍でしたね。今聴いてみても、このマーラーはインバルの最高の仕事ではないかとも思います。録音も、DENON自慢のものでしたしねえ。それゆえ日本では高いCDしか入手できませんでしたが…(笑)。またご教示ください。
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