神戸から西に行くときによく使う加古川バイパス。最近ここを通るたびに、渋滞に巻きこまれました。原因は事故。事故が起こると、約一時間は抜けるのにかかる。この道路、事故が多いんです。まっすぐな直線でアップダウンがあることなどが原因と言われてますが、ほんとに、事故による渋滞はたいへんです。やはり事故をしないように、安全運転をしましょうと、いつもと思っています。今日も、午前中姫路に行っての帰路、やはり事故渋滞。とほほであります。
ということで、今回はモーツァルト。ピアノ・ソナタであります。最近、ピアノ曲を聴くことが多いんですねえ。K.300番台の曲が有名ですが、それより少し前のもの。ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調K.282です。この曲は、K.279~274までの6曲のピアノ・ソナタの1曲。1774年に秋にザルツブルクで作曲されたと言われています。モーツァルトのピアノ・ソナタの中では、若いときのものであります。一部には、この6曲を「デュルニッツ・ソナタ」と呼ぶ向きがありますが、この呼称は第6番K.274に対するものではないかと思いますが…。
この曲は、三楽章からなりますが、第1楽章アダージョ、第2楽章メヌエット、第3楽章アレグロ、という構成。第1楽章からアダージョで始まるという形式。まあ援徐楽章とメヌエットと終楽章ということで、第1楽章のアレグロあたりがない、ということでしょうか。私的にはこの非常に美しいアダージョと、それに続くピアノソナタでは珍しいメヌエット(11番とこの曲にしかありません)ということで、けっこう気に入っているものであります。
さて、この演奏ですが、クラウディオ・アラウのピアノで。1987年の録音。1991年に88才で亡くなったアラウが最晩年の84才のときのものです。このアラウのピアノ・ソナタは、その昔尼崎に勤めていたころに、職場の先輩が持っていたCDをお借りして、当時のDATではなく、カセットに録音して聴いたことを憶えています。Philipsから出ていたCDで、確か12番と13番が二曲しか入ってなく、それでも、アラウの演奏は、非常にテンポが遅いため、この二曲でも60分近くもかかっておりました。聴くと、確かに遅い。例えばピレシュなどと比べても、5分ほど遅いですからねえ。
ということで、テンポがたいそうゆっくりのアラウの演奏です。でもアラウのピアノの音色は非常に優しい。例えば、非常に鋭角な音で響くピレシュなどに比べると、実にまろやかで丸みを帯びた優しいピアノであります。それに、テンポがゆったりとなれば、この4番の第1楽章などは、実にぴったりの演奏になるのでありました。「無骨で重々しいアラウ」には、モーツァルトは不似合いであると言われますが、私はこの落ち着いたテンポで、モーツァルトの音楽を優しく語りかけてくれるアラウのピアノは、かなり気に入っております。
やはり聴きどころは、第1楽章ですねえ。このアダージョ、実にいいです。モーツァルトの曲の美しさが滲み出る演奏です。この遅めのテンポと丸い音色が、実にこの曲に合っていますし、それが詩情あふれるこれ以上の優しさがあろうかという演奏になっています。この楽章の演奏時間は約10分。終わりを拒むような演奏であります。この楽章だけで、もうアラウの演奏がベストになってしまう。第2楽章。といってもこの楽章は少々メヌエットらしくない演奏かも。第1楽章の遅いテンポでのゆったりとしたメヌエット。まあ嫌な人はいると思いますが、こんなメヌエットも悪くはない。後半は、それなりに躍動感も見えてきますね。そして第3楽章。わずか三分半の曲。ここにきてアラウのテンポもアップ。普通のモーツァルトには近くなっているが、それでもまだゆっくりか。やはり重量感を感じる演奏。技巧の衰えもなんのその。味わい深いモーツァルトがありました。最晩年のアラウの慈しむようなモーツァルトでありました。
このソナタ全集、以前のものは7枚組でしたが、今回は6枚組で再発売。安くなりましたが、幻想曲ニ短調K.397とアダージョロ短調K.540が収められておりません。これは悲しいことでありました。
(DECCA Eloquence 4806026 2012年 輸入盤)
ということで、今回はモーツァルト。ピアノ・ソナタであります。最近、ピアノ曲を聴くことが多いんですねえ。K.300番台の曲が有名ですが、それより少し前のもの。ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調K.282です。この曲は、K.279~274までの6曲のピアノ・ソナタの1曲。1774年に秋にザルツブルクで作曲されたと言われています。モーツァルトのピアノ・ソナタの中では、若いときのものであります。一部には、この6曲を「デュルニッツ・ソナタ」と呼ぶ向きがありますが、この呼称は第6番K.274に対するものではないかと思いますが…。
この曲は、三楽章からなりますが、第1楽章アダージョ、第2楽章メヌエット、第3楽章アレグロ、という構成。第1楽章からアダージョで始まるという形式。まあ援徐楽章とメヌエットと終楽章ということで、第1楽章のアレグロあたりがない、ということでしょうか。私的にはこの非常に美しいアダージョと、それに続くピアノソナタでは珍しいメヌエット(11番とこの曲にしかありません)ということで、けっこう気に入っているものであります。
さて、この演奏ですが、クラウディオ・アラウのピアノで。1987年の録音。1991年に88才で亡くなったアラウが最晩年の84才のときのものです。このアラウのピアノ・ソナタは、その昔尼崎に勤めていたころに、職場の先輩が持っていたCDをお借りして、当時のDATではなく、カセットに録音して聴いたことを憶えています。Philipsから出ていたCDで、確か12番と13番が二曲しか入ってなく、それでも、アラウの演奏は、非常にテンポが遅いため、この二曲でも60分近くもかかっておりました。聴くと、確かに遅い。例えばピレシュなどと比べても、5分ほど遅いですからねえ。
ということで、テンポがたいそうゆっくりのアラウの演奏です。でもアラウのピアノの音色は非常に優しい。例えば、非常に鋭角な音で響くピレシュなどに比べると、実にまろやかで丸みを帯びた優しいピアノであります。それに、テンポがゆったりとなれば、この4番の第1楽章などは、実にぴったりの演奏になるのでありました。「無骨で重々しいアラウ」には、モーツァルトは不似合いであると言われますが、私はこの落ち着いたテンポで、モーツァルトの音楽を優しく語りかけてくれるアラウのピアノは、かなり気に入っております。
やはり聴きどころは、第1楽章ですねえ。このアダージョ、実にいいです。モーツァルトの曲の美しさが滲み出る演奏です。この遅めのテンポと丸い音色が、実にこの曲に合っていますし、それが詩情あふれるこれ以上の優しさがあろうかという演奏になっています。この楽章の演奏時間は約10分。終わりを拒むような演奏であります。この楽章だけで、もうアラウの演奏がベストになってしまう。第2楽章。といってもこの楽章は少々メヌエットらしくない演奏かも。第1楽章の遅いテンポでのゆったりとしたメヌエット。まあ嫌な人はいると思いますが、こんなメヌエットも悪くはない。後半は、それなりに躍動感も見えてきますね。そして第3楽章。わずか三分半の曲。ここにきてアラウのテンポもアップ。普通のモーツァルトには近くなっているが、それでもまだゆっくりか。やはり重量感を感じる演奏。技巧の衰えもなんのその。味わい深いモーツァルトがありました。最晩年のアラウの慈しむようなモーツァルトでありました。
このソナタ全集、以前のものは7枚組でしたが、今回は6枚組で再発売。安くなりましたが、幻想曲ニ短調K.397とアダージョロ短調K.540が収められておりません。これは悲しいことでありました。
(DECCA Eloquence 4806026 2012年 輸入盤)
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