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ムーティとルプーの1986年ザルツブルク音楽祭のライブ

2014年09月27日 19時10分45秒 | モーツァルト
まさに「盛者必衰」でしょうか。数年の内にはダイエーの名が消滅するらしいですね。四半世紀前、1990年前後、神戸はダイエー一色に染まろうという状況を思えば、嘘のようですね。三宮は、どちらを向いてもダイエー、と言えば大袈裟かもしれないですが、市営地下鉄の主だった駅前にはダイエーあり、でした。イオンとなるそうですが、このイオンもジャスコから、サティなども吸収し、今やイオンのお店は至る所に。岡山駅前にも大型のお店ができるとか。すごいですねえ。

そんなことはさておき、今回はたくさん頂いたDATの録音からライブの音源です。これは一般には聴くことができないので、一人で喜んでいるってことなので、取り上げるのを迷ったのですが、まあお口汚しにってところで…(これって少し意味が違いましたねえ)。

今回取り上げるのは、ラドゥ・ルプーのピアノにリッカルド・ムーティ指揮のVPOによるモーツァルトのピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595。1986年7月27日ザルツブルグ祝祭大劇場でのライブであります。これは同年のザルツブルク音楽祭オープニング・コンサートで、1986年11月26日のNHKFMの放送を録音したものです。このコンサートは、この曲に続いて、ブルックナーの交響曲第6番がムーティとVPOで演奏され、これもDATにこの曲のあとに録音されていました。しかし、ルプーのモーツァルトの協奏曲は、CDでは12番と21番を聴くことができるのみで、27番が聴けようとは、でありますし、そしてムーティとVPOとの組合せとは…、であります。

この演奏で、まず思ったことは、ムーティとVPOの演奏についてでありました。ムーティという指揮者、以前にベートーヴェンの交響曲やアィーダを取り上げましたが、私はほとんど興味がなく(すんません)、今回VPOとの演奏を聴いて、けっこうびっくりしたんです。VPOが実にいい音で演奏しているのです。ムーティはVPOとの関係は深いんですね。1973年以降ほぼ毎年VPOを指揮し1993,97,00.004年の四度のニューイヤーコンサートでも指揮をとり、日本にも1975年にベーム来日に帯同し、その後99,05,08年と4回ともに来日を重ねているんです。現在最もVPOとの関連が深く、親密で良好な関係の指揮者と言えるんでしょうね。

そんなことからも、重ねて言いますが、VPOが実にいい。弦も管も艶やかでかつ伸びやかな音色で、さすがのVPOよなあ、と実感させてくれるのです。私は,ムーティはあまり聴かなかったのですが、VPOとはもっともよくあう指揮者なんでしょうかねえ。そして、ルプーのピアノは、声高な表情はまったくなく、落ち着いた風情が滲み出て、叙情的にモーツアルトのまさに夕焼けの世界を描いているのでした。そんなルプーのピアノと同化するように、ムーティはVPOを引っぱっていますね。ピアノと管弦楽の曲であることを忘れさせるように、ピアノとオケが一つになり、モーツァルトの世界が展開されます。曲が進む中で、あぁこれはピアノ協奏曲なんだな、ということにふと気づくのでした。それほど、両者はうまく合っていますし、モーツァルトの音楽の世界に埋もれてしまうのでありました。

第1楽章から、VPOの木管と弦の美しい響きの中、ルプーの落ち着いたピアノが展開される、VPOの音色は実に美しい。それに負けないルプーのピアノ、初めはそっけないような印象をもつが、進むうちに、その表情の深さが見える。もっとも素晴らしいのは、第2楽章でしょうか。モーツァルトの内面の世界が静的に描かれいるであります。ルプーのピアノはゆったりと一音一音を噛み締めるように進み、それにムーティのVPOが寄り添い楽器の違いを乗り越えて、サポートしているのです。なんとも、叙情的で最善の美の世界が展開され、時がたつのを拒むようであります。第3楽章、第2楽章の世界が引き継がれ、明るく楽しい中にも根底には悲しみを拭いきれないというこの楽章の特長がとく描かれています。ルプーのピアノの美しさが際立っております。

今回のDAT、前半はこのムーティ指揮の二曲ですが、後半はジュリーニとVPOで、ハイドンの交響曲第99番とブルックナーの交響曲第7番。1986年6月のライブが収められています。また紹介したいと思います。

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2014-09-27 21:37:22
ムーティとVPOの結びつきは良いんですね。先日、中古CDでシューマンの交響曲4曲を、この組み合わせで購入しました。今はなき、フィリップス・レーベルです。これも、中々良い演奏です。やはり、フィラデルフィアとの組み合わせより、フィリップス時代のムーティがベストです。
ルプーはLP時代、グリーグ、シューマンのピアノ協奏曲で初めてお目にかかりました。「千人に一人のリリシズム」というデビューでしたが、リリスズムもすっかり仙人風になってしまいましたね。録音が少ないのが困りますが、私が愛聴しているものに、ペライアとのモーツァルト、2台のピアノのための協奏曲があります。これが、実に良い。何かお互いの目や表情を見ながら、演奏しているように聞こえます。まあ、そうなんでしょうがね。私のカセット・コレクションの中に1987年にルプーが演奏したものがあり、モーツァルトのソナタ第8番、第10番、ロンドK511などがありました。更にショパンの第3番のソナタや、夜想曲がありました。確かショパンは録音していませんよね?FM放送は貴重でしたね。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2014-09-28 17:17:37
クレモナ 様、コメントありがとうございます。今回、ムーティとVPOの良さを再認識しましたので、モーツァルトの交響曲をと思って捜していたら、シューマンとブラームスの交響曲全集をセットになったBOXがありましたので、さっそく購入の計画を立てております。ルプーのショパンのピアノソナタはぜひ聴いてみたいですね。ルプーのショパンは、CDでは見たことないです。ルプーとショパンって合いそうな気がしますが、どうなんでしょう。また、ご教示ください。
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