この寒さなんとかなりませんかね。関東のような雪はほとんどないのですが、とにかく寒い。職場の廊下はもう冷蔵庫みたい。寒い寒いといって毎日過ごしています。自宅も寒い。でも、寒いのは気温が低いだけではありません、暖房をあまり使わないからなんです。自室には足温器しかありませんし、居間もファンヒーターはありますが、ほとんど使いません。ですので職場でも暖房は使っていません。自暴自得というものですが、とにかく暖房があまり好きではないんです。
ということで寒さは仕方ないとして、今回はシューベルトの交響曲第9番ハ長調『ザ・グレート』であります。ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮BPO。1953年9月15日ベルリンでのライブです。フルトヴェングラーのこの曲は、管見の限りでは5種類。①1942.12/6.7.8BPO定演ライブ、②1943.5/12VPOストックホルムライブ、③1951.12BPOイエス・キリスト教会で録音、④1953.8/30VPOザルツブルグ音楽祭、⑤1953.9/15BPO定期演奏会。この中で、最も実演のフルトヴェングラーの特徴が聴けるのは①であり、最も安定して優れた演奏は③と言われています。そして⑤については、音も悪く、表現も控え目と言われていました。
そんな中で、今回タワーさんでOTAKEN RECORDSの復刻盤、いわゆる板起こし盤が安く売っていたので買いました。これは独ブルトヴェングラー協会盤の未通盤からのもの。そして驚くべきことに、このレコードの録音がなんとステレオだったんです。もちろんブライトクランクの疑似ステですが、何らかの事情でこんな処理がされたのでしょう。⑤については、学生のころ買ったLPやDG盤やaudite盤も持っていました。それらはそれほど音が悪いとは思っていませんでした。
しかししかし、このブライントクランクの威力でしょうか、またこの原盤の凄さなんでしょうか。まったく音が違うのです。いやーこれにはびっくりしました。音も非常に鮮明であり、加えてステレオで音の広がりがまったく違うのですね。これだけの音の違いはなかなか尋常ではありませんね。やはり音の違いは、大きい。その演奏がまるで違うのであります。ノイスもほとんど気にならず、大音量になったときに音が多少の歪みがありますが、いやはや、こんないい音でフルトヴェングラーが聴けるとは、本当に驚きであります。
でも、音がいいと、これまでそんなには思わなかった演奏も、至極いいものと思ってしまうことがあるんですね。この演奏も正しくそうで、音がよくなったことで、実に堂々とした風格と迫力に満ちたフルトヴェングラーが聴けるのであります。これは活画期的なことと思います。そして演奏も①のように、感情の爆発と速いテンポで燃え上がるような迫力での演奏とは、少々異なり、テンポもゆったりで、全曲で約5分遅いです。しかし、その分スケールの大きな演奏であり、これこそが「ザ・グレート」というべきもの。テンポの揺れも非常に効果的に曲を盛り上げ、ここぞというときの豪快な一撃はここでもいいです。
第1楽章、ゆったりとして風格があり、けっして急がず堂々とした演奏で幕が上がる。そして次第に熱くなっている様子がわかる。さすがこの指揮者の演奏であり、生々しい音での演奏がこの迫力や熱さを一層我々に伝えてくれます。第2楽章、フルトヴェングラーの演奏がこれどの鮮明さで聴けることで、その演奏の持つ強烈な一撃や叙情性がこれまでなかったように鮮明に伝わってくるのです。またその対比も鮮やかであります。第3楽章スケルツォ。弦の生気あふれる響きが大変心地よい。そして中間部の美しい情景が心に染み込んできます。このふたつの演奏は表情が非常に豊かであり、いいなあと実感します。第4楽章、オケのまとまりも秀逸であり、それから迫力全開の演奏。もう心も体も揺り動かされる快感で一杯。まさにこれぞ魂のカタルシスであります。
でも寒いですねえ。本当に今年の冬は寒い。といっても、あと少しですよね。寒い寒いと言っているうちに暖かくなります。もう少しの辛抱であります。
(OTAKEN TKC-352 2013年)
ということで寒さは仕方ないとして、今回はシューベルトの交響曲第9番ハ長調『ザ・グレート』であります。ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮BPO。1953年9月15日ベルリンでのライブです。フルトヴェングラーのこの曲は、管見の限りでは5種類。①1942.12/6.7.8BPO定演ライブ、②1943.5/12VPOストックホルムライブ、③1951.12BPOイエス・キリスト教会で録音、④1953.8/30VPOザルツブルグ音楽祭、⑤1953.9/15BPO定期演奏会。この中で、最も実演のフルトヴェングラーの特徴が聴けるのは①であり、最も安定して優れた演奏は③と言われています。そして⑤については、音も悪く、表現も控え目と言われていました。
そんな中で、今回タワーさんでOTAKEN RECORDSの復刻盤、いわゆる板起こし盤が安く売っていたので買いました。これは独ブルトヴェングラー協会盤の未通盤からのもの。そして驚くべきことに、このレコードの録音がなんとステレオだったんです。もちろんブライトクランクの疑似ステですが、何らかの事情でこんな処理がされたのでしょう。⑤については、学生のころ買ったLPやDG盤やaudite盤も持っていました。それらはそれほど音が悪いとは思っていませんでした。
しかししかし、このブライントクランクの威力でしょうか、またこの原盤の凄さなんでしょうか。まったく音が違うのです。いやーこれにはびっくりしました。音も非常に鮮明であり、加えてステレオで音の広がりがまったく違うのですね。これだけの音の違いはなかなか尋常ではありませんね。やはり音の違いは、大きい。その演奏がまるで違うのであります。ノイスもほとんど気にならず、大音量になったときに音が多少の歪みがありますが、いやはや、こんないい音でフルトヴェングラーが聴けるとは、本当に驚きであります。
でも、音がいいと、これまでそんなには思わなかった演奏も、至極いいものと思ってしまうことがあるんですね。この演奏も正しくそうで、音がよくなったことで、実に堂々とした風格と迫力に満ちたフルトヴェングラーが聴けるのであります。これは活画期的なことと思います。そして演奏も①のように、感情の爆発と速いテンポで燃え上がるような迫力での演奏とは、少々異なり、テンポもゆったりで、全曲で約5分遅いです。しかし、その分スケールの大きな演奏であり、これこそが「ザ・グレート」というべきもの。テンポの揺れも非常に効果的に曲を盛り上げ、ここぞというときの豪快な一撃はここでもいいです。
第1楽章、ゆったりとして風格があり、けっして急がず堂々とした演奏で幕が上がる。そして次第に熱くなっている様子がわかる。さすがこの指揮者の演奏であり、生々しい音での演奏がこの迫力や熱さを一層我々に伝えてくれます。第2楽章、フルトヴェングラーの演奏がこれどの鮮明さで聴けることで、その演奏の持つ強烈な一撃や叙情性がこれまでなかったように鮮明に伝わってくるのです。またその対比も鮮やかであります。第3楽章スケルツォ。弦の生気あふれる響きが大変心地よい。そして中間部の美しい情景が心に染み込んできます。このふたつの演奏は表情が非常に豊かであり、いいなあと実感します。第4楽章、オケのまとまりも秀逸であり、それから迫力全開の演奏。もう心も体も揺り動かされる快感で一杯。まさにこれぞ魂のカタルシスであります。
でも寒いですねえ。本当に今年の冬は寒い。といっても、あと少しですよね。寒い寒いと言っているうちに暖かくなります。もう少しの辛抱であります。
(OTAKEN TKC-352 2013年)
昨年、メモリーズのトスカニーニステレオ録音を買いました。ヴェルディレクイエムが迫力満点でした。悲愴、ロッシーニ、ワーグナーがセットになった盤でした。
フルトヴェングラーのステレオ録音がないのは本当残念です。巨匠がもっと健康で長生きして、ステレオ録音技術がもっと早く、せめて5年早く完成していたらと思います。思っても仕方ないですが。
今日も、ものすごい勢いで積もってます。
ファンヒーターはほぼつけっぱなし。灯油の消費量もハンパないです。困りました。