もう6月になってしまいました。なかなか日々の仕事に追われて、こちらへの目が向きません。3月までは、3日に一回のペースで更新をしておりましたが、4月になって、とんと進まず、週一の更新も滞る現状であります。自身の精神生活の乏しさを嘆く次第であります。
そんなわけで、今回もマーラーであります。マーラーと言えば、交響曲。確かにそれはそうなんですが、一方で、歌曲も魅力的であります。「若き日の歌」「さすらう若人の歌」「子供の不思議な角笛」「亡き子をしのぶ歌」、そして「リッケルトによる5つの歌」。どれもマーラーの色気がむんむんした歌曲です。これらの曲、男声で歌われることもありますが、女声の場合はメゾソプラノかアルトによる場合が多いです。ソプラノも魅力的な女声ですが、メゾやアルトも最近では有名な歌手がたくさん輩出されていますね。中でも、以前から何度も言及しております、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターであります。オッターのCDがボツボツ出始めた頃、マーラーの歌曲も聴きたいなあ、と思っていました。そうしていたところ、若き日の歌」以外が、いつの間にか録音されました。角笛はアバド、亡き子はブーレーズ、そして、さすらう若人とリッケルトはガーディナーのそれぞれ伴奏です。それらの中で、今回はリッケルトの歌曲集。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮と北ドイツ放送交響楽団。1993年1月のハンブルクでのライブであります。
このリッケルトの歌曲。私は仄かな香りを吸い込んだ。私の歌を覗き見しないで。 美しさゆえに愛するのなら。真夜中に。私はこの世に忘れられ。以上の5曲です。なかでも、全体でも20分ほどの曲の中で。後半の二曲はともに6~7分かかり、曲中の代表選手であります。まず、ガーディナーですが、1991年にヴァントの後任としてNDRの音楽監督になりましたときの録音。このガーディナーの演奏、これがたいそうな混じりっけのない、透き通った美しさにあふれています。それぞれの楽器が着実でしっかりとした演奏です。そんなオケの演奏に応じるかのような、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターの歌唱。まず、声はメゾにしては高いようで、それが艶っぽさを出しています。「香りを吸い込んだ」では、冒頭からなんとも表情のあふれる美しい歌唱。「私の歌を覗き見」では、一転軽快な動きに歌も呼応しています。「美しさゆえに」ではオッターの気持ちがよく前に出ていますね。そして核心の2曲。「真夜中に」は、少しテンポは速め。またあっさりと歌っているところもあるが、一瞬のすきもない歌声に曲の本質が現れているようです。また「私はこの世に忘れられ」、いい歌です。オッターはうまいですね。ここではゆったりとして、一言一言かみしめるような歌声がいいです。マーラーの体臭があふれる歌です。この独特の美しさがオッターにより実に再現されています。ただ、オッターの世界になってしまっているところもないわけではない、そんなことも感じます。そうはいっても、やはりいいですねえ。
今後、オッターには『大地の歌』をぜひ録音してもらいたいものであります。
(DG 439 928-2 1996年 輸入盤)
そんなわけで、今回もマーラーであります。マーラーと言えば、交響曲。確かにそれはそうなんですが、一方で、歌曲も魅力的であります。「若き日の歌」「さすらう若人の歌」「子供の不思議な角笛」「亡き子をしのぶ歌」、そして「リッケルトによる5つの歌」。どれもマーラーの色気がむんむんした歌曲です。これらの曲、男声で歌われることもありますが、女声の場合はメゾソプラノかアルトによる場合が多いです。ソプラノも魅力的な女声ですが、メゾやアルトも最近では有名な歌手がたくさん輩出されていますね。中でも、以前から何度も言及しております、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターであります。オッターのCDがボツボツ出始めた頃、マーラーの歌曲も聴きたいなあ、と思っていました。そうしていたところ、若き日の歌」以外が、いつの間にか録音されました。角笛はアバド、亡き子はブーレーズ、そして、さすらう若人とリッケルトはガーディナーのそれぞれ伴奏です。それらの中で、今回はリッケルトの歌曲集。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮と北ドイツ放送交響楽団。1993年1月のハンブルクでのライブであります。
このリッケルトの歌曲。私は仄かな香りを吸い込んだ。私の歌を覗き見しないで。 美しさゆえに愛するのなら。真夜中に。私はこの世に忘れられ。以上の5曲です。なかでも、全体でも20分ほどの曲の中で。後半の二曲はともに6~7分かかり、曲中の代表選手であります。まず、ガーディナーですが、1991年にヴァントの後任としてNDRの音楽監督になりましたときの録音。このガーディナーの演奏、これがたいそうな混じりっけのない、透き通った美しさにあふれています。それぞれの楽器が着実でしっかりとした演奏です。そんなオケの演奏に応じるかのような、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターの歌唱。まず、声はメゾにしては高いようで、それが艶っぽさを出しています。「香りを吸い込んだ」では、冒頭からなんとも表情のあふれる美しい歌唱。「私の歌を覗き見」では、一転軽快な動きに歌も呼応しています。「美しさゆえに」ではオッターの気持ちがよく前に出ていますね。そして核心の2曲。「真夜中に」は、少しテンポは速め。またあっさりと歌っているところもあるが、一瞬のすきもない歌声に曲の本質が現れているようです。また「私はこの世に忘れられ」、いい歌です。オッターはうまいですね。ここではゆったりとして、一言一言かみしめるような歌声がいいです。マーラーの体臭があふれる歌です。この独特の美しさがオッターにより実に再現されています。ただ、オッターの世界になってしまっているところもないわけではない、そんなことも感じます。そうはいっても、やはりいいですねえ。
今後、オッターには『大地の歌』をぜひ録音してもらいたいものであります。
(DG 439 928-2 1996年 輸入盤)
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