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バルビローリのマーラー・ライブ

2012年07月28日 23時04分18秒 | マーラー
梅雨が明けたかと思ったら、もう7月も終わりですねえ。電力も供給も足りてるようでなによりです。今日は、職場のものがタイに行くことになり、関空までお見送りに行きました。私は飛行機との相性はあまりよくなく、これまで幾度か関空には行ったことがあるのですが、今回もどうやって行こうかな、とけっこう悩みました、車で行くことも考えましたが、三宮からリムジンに乗りました。なかなかこれ快適ですね。爽やかに関空まで往復できました。でも、関空って津波が来たらやばいでしょうねえ。

さてさて、今回はマーラーの交響曲第7番『夜の歌』です。この曲、このブログでもけっこう言及しているのです。もしかしたら、それなりに好きな曲なのかもしれませんね。いろんな演奏があるのですが、この演奏がひょっとしたら、ある意味ベストとも言えるのではないかと密かに思っているのです。この演奏とは、ション・バルビローリ指揮BBCノーザン交響楽団とハレ管弦楽団によるもの。1960年10月20日のマンチェスターの自由貿易ホールでのライブ録音であります。

バルビローリのマーラーは、セッション録音のものが、5番・6番・9番があります。特にBPOとの第9番は、名盤の声の高いものです。これに対して、近年BBCやTestamentなどのレーベルから、いくつかのライブ録音が発売され、2・3・4・7・大地の歌と、8番以外は一応、バルビローりの演奏でマーラーが聴くことが可能になりました。そして、このライブ、なかなかこれはいい、と思う演奏なんです。ただ、モノラルが多く、今回の7番もモノラルで、といってもそれほど悪い音ではないのですが、やはりいい音の方がいいですねえ。

というわけで、バルビローリのマーラーです。少々ゆったりとしたテンポで、気迫に満ちた演奏。なよなよとせず、剛毅で力強い表情に満ちています。ここぞというところの爆発も凄まじい迫力であります。ライブゆえの熱気と演奏であり、それゆえに、大した緊張感をもって聴くことができます。加えて、それぞれのメロディがねっとりとした美しさを持って歌われます。マーラーの旋律をしっとりと慈しむように演奏しています。そんなわけで、この演奏では、マーラーの音楽が、心にしっとりと入って来て、その気迫と熱気に満ちた演奏ゆえに、その音楽が心に染み込んでいくのでした。加えて、マーラーの情念であるとか、いやらしさなどはあまり感じることがなく、そのあたりはさわやかに聴くことができるマーラーなのであります。この7番は、演奏によると、半ばで少々退屈してくるときもあるのですが、この演奏はそんなことは微塵も感じない、充実した演奏であります。

第1楽章、ゆったりとして一歩一歩踏みしめるような演奏で、いくつかのメロディが合わさって、ひとつの大きな音楽になっていく様を表現していくあたりは、非常に見事で説得力がある。心地よくない音もあるが、全体的に見ていくと浄化されていっている。そして最後のコーダのど迫力も爽快です。第2楽章Nachtmusik。心地よい低音の上に夜曲が展開される。カウベルも明確な音。各主題も明るい表情で展開される。第3楽章スケルツォ。不気味な音楽が展開される。それでもい音楽は明瞭で、暗さはそれほどでもない。第4楽章Nachtmusik、セレナード風。ホルンのクラリネット、そして弦でのテーマは。それほど暗くなく、ギターとマンドリンが効果的に用いられ、暗さよりも、強さを感じる。メロディは曲想にあった演奏でいいです。そして第5楽章、祝祭的な雰囲気が充満される。メロディは明確で、かつスケールが大きく力強く、祝祭的な様子は一層強く展開されていく。

タイに行った一行は、8月5日に帰国します。また関空に行くことになりますが、今回は車で行こうかな、とも思っております。
(BBC LEGENDS BBCL 4034-2 2000年)

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2 コメント

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Unknown (バルビ)
2012-07-30 05:05:22
今日はまた、素晴らしいCDの紹介をありがとうございます。バルビである我ながら、このCDは持っていませんでした。非常に興味があります。

7番は大好きな曲です。その昔、私はマーラーの曲はこの曲から入りました。何故かと言いますと、下手の横好きですがギターをやっていたからですね。ギターが入っているシンフォニーということで珍しくもあり、最初にこの曲を聴いてみたということです。

最初聴いた当時は、ギターの部分はポロン、ポロンで面白みはないのですが、曲全体はテーマも面白く、独創的で素晴らしい曲だと思いました。全音の音楽解説書をまっ先に視写したのもよい思い出です。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2012-07-31 21:09:00
バルビ 様、暑中お見舞い申し上げます。。コメント感謝です。この演奏、録音が今イチですが、演奏はほんとにいいです。バルビローリのライブ、実に熱い演奏が展開されます。このCDは、二枚組で、ブルックナーの9番が残りに収められております。こっちの方も、一聴の価値どころが、なかなかの演奏であります。またご教示ください。
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