この三連休、先週の土日はお仕事でしたので、久々のお休みです。金曜日は夜九時まで残業をしてましたら、7時半くらいに「不幸の電話」があり、また困った問題が起こっちゃいました。また連休明けに対応しなければなりませんね。一方で、南シナ海問題。中国の拡張政策もやっかいですね。 仲裁裁判判決が出ましたが、中国は強く反論。戦前の日本の満州侵略を思い出しましたし、将来的には真剣に沖縄の支配権も主張するのではないかと、思ってしまいマス。
まあ、それはさておき、今回はクナッパーツブッシュのワーグナーです。このクナのワーグナーの演奏、たくさん残っています。それは大変嬉しいのですが、ライブのモノラルが多く、音がよくないことが、たいそう残念なんです。ワーグナーの全曲でステレオで残っているのは、パルジファルやワルキューレの第1幕くらいでしょうか。それでも、1957年のバイロイトの指環などはけっこういい音ですよね、そうは言っても、やはりステレオの方がうれしいです。
そんな数少ないクナのステレオ録音からワーグナーの名演集。『神々の黄昏』からラインへ旅、葬送行進曲。『パルジファル』の「幼な子のあなたが…」、『ワルキューレ』のヴォータンの別れ、『トリスタン』の前奏曲と愛の死、であります。1956~59年に録音されたもの。オケはVPOであります。キルステン・フラグスタート、ジョージ・ロンドン、ビルギット・ニルソンが共演しています。
やはり、クナのワーグナーはすごいですねえ。まず、スケールが大きい。音の広がりが非常に広い。それで、それぞれの楽器が明瞭に響き、全体的に音が立体感を持って演奏が展開されるのです。また、それでいて細かい表情がいたるところで絶妙に歌い上げられるのです。この感覚は素晴らしいのであります。強弱・緩急の変化も実に巧妙に曲の核心を突くようなのです。そして、VPOがこれまた美音なんすねえ。このころのVPOは、実にいい。これも重要なことなんですね。
まず、「ラインへの旅」。実に滑らかな管弦の響きに、ジークフリートが旅立つ気持ち心情がよく表れています。生気あふれる音楽がとてもいいです。声楽が加わらないところが少々物足りませんが。「葬送行進曲」。楽劇の中で聴くのに比べると、衝撃度は低いですが、ゆったりとした大河のような流れの中でジークフリートの死の荘厳さが増幅されていきます。声高にではなく、冷静な中での悲劇が進んでいくのでした。「幼な子のあなたが…」は、フラグスタートの歌唱がステレオで聴けることがうれしいです。フラグスタートがクンドリを演じたことがあるかどうかはわかりませんが、ここでもゆったりとしたテンポで曲と歌唱が同化したような流れで、とうとうと曲が進む辺り、実に存在感があります。「ヴォータンの別れ」。ロンドンの少々硬めですが真摯な歌唱が心に染み込みます。クナの演奏は実に色彩感が豊かで、美しい。それが切々と語られ見事ですねえ。そして「トリスタン」。前奏曲では、VPOの純度の高い演奏が聴きものですね。これから展開される愛憎劇を静かに予見するようです。そして愛の死では、これまたニルソンの純度の高い歌唱が素晴らしい。ニルソンの歌唱はまったくストレスを感じないし、オケと一体化して曲の流れに違和感なく展開される凄さは、他では全くきくことは出来ませんね。この愛の死は、絶品です。しかし、これまでの曲はすべてステレオで聴けるのはこのCDだけなんですね。貴重ですねえ。
今日は、祇園祭の山鉾巡行でした。天気が良くなかったようですが…。でも、もうすぐ梅雨明け
。楽しみな夏であります。
(LONDON 230E51020 NEW VERY BEST CLASSIC)
まあ、それはさておき、今回はクナッパーツブッシュのワーグナーです。このクナのワーグナーの演奏、たくさん残っています。それは大変嬉しいのですが、ライブのモノラルが多く、音がよくないことが、たいそう残念なんです。ワーグナーの全曲でステレオで残っているのは、パルジファルやワルキューレの第1幕くらいでしょうか。それでも、1957年のバイロイトの指環などはけっこういい音ですよね、そうは言っても、やはりステレオの方がうれしいです。
そんな数少ないクナのステレオ録音からワーグナーの名演集。『神々の黄昏』からラインへ旅、葬送行進曲。『パルジファル』の「幼な子のあなたが…」、『ワルキューレ』のヴォータンの別れ、『トリスタン』の前奏曲と愛の死、であります。1956~59年に録音されたもの。オケはVPOであります。キルステン・フラグスタート、ジョージ・ロンドン、ビルギット・ニルソンが共演しています。
やはり、クナのワーグナーはすごいですねえ。まず、スケールが大きい。音の広がりが非常に広い。それで、それぞれの楽器が明瞭に響き、全体的に音が立体感を持って演奏が展開されるのです。また、それでいて細かい表情がいたるところで絶妙に歌い上げられるのです。この感覚は素晴らしいのであります。強弱・緩急の変化も実に巧妙に曲の核心を突くようなのです。そして、VPOがこれまた美音なんすねえ。このころのVPOは、実にいい。これも重要なことなんですね。
まず、「ラインへの旅」。実に滑らかな管弦の響きに、ジークフリートが旅立つ気持ち心情がよく表れています。生気あふれる音楽がとてもいいです。声楽が加わらないところが少々物足りませんが。「葬送行進曲」。楽劇の中で聴くのに比べると、衝撃度は低いですが、ゆったりとした大河のような流れの中でジークフリートの死の荘厳さが増幅されていきます。声高にではなく、冷静な中での悲劇が進んでいくのでした。「幼な子のあなたが…」は、フラグスタートの歌唱がステレオで聴けることがうれしいです。フラグスタートがクンドリを演じたことがあるかどうかはわかりませんが、ここでもゆったりとしたテンポで曲と歌唱が同化したような流れで、とうとうと曲が進む辺り、実に存在感があります。「ヴォータンの別れ」。ロンドンの少々硬めですが真摯な歌唱が心に染み込みます。クナの演奏は実に色彩感が豊かで、美しい。それが切々と語られ見事ですねえ。そして「トリスタン」。前奏曲では、VPOの純度の高い演奏が聴きものですね。これから展開される愛憎劇を静かに予見するようです。そして愛の死では、これまたニルソンの純度の高い歌唱が素晴らしい。ニルソンの歌唱はまったくストレスを感じないし、オケと一体化して曲の流れに違和感なく展開される凄さは、他では全くきくことは出来ませんね。この愛の死は、絶品です。しかし、これまでの曲はすべてステレオで聴けるのはこのCDだけなんですね。貴重ですねえ。
今日は、祇園祭の山鉾巡行でした。天気が良くなかったようですが…。でも、もうすぐ梅雨明け
。楽しみな夏であります。
(LONDON 230E51020 NEW VERY BEST CLASSIC)
暑いですね。エアコンに感謝です。
さて、このディスクはこれまでも度々意匠を変えて発売されてますね。
さっきから何度も聴いているのですがディスク冒頭「夜明け」の数音で、すーっと寝落ちしてしまい、深い森の中にいる夢を見ます。で、気が付くとプレイが終わっています(笑)。
それはさておき、このニルソンのイゾルデは聴いていて鳥肌が立ちますね。