過日、天皇即位の儀式の一つの「剣璽等承継の儀」には、女性皇族は参列しないと報道されていました。理由は皇位継承の資格がないからだとか。思うに、皇室の伝統と言っていることに、古来からのものか、明治以降のことか、というと、どうも後者の方が多いのではないかという気がします。女性天皇を認めないこともそうですよね。ホントにこれでいいのでしょうかね。天皇家は男子が極端に少なく、将来断絶しかねない状況。 明治以降の伝統である男性天皇に固執する方々、自分で自分の首を絞めることになりませんか、
まあ、そんな政治的なことはさておき、今回もベートーヴェンの初期の作品です。チェロ・ソナタ第1番ヘ長調作品5-1です。ベートーヴェンは、5曲のソナタをはじめとして、変奏曲もふくめ多くのチェロのための曲を残しています。この曲は、1796年にウィーンからボヘミア地方とプロイセンに旅行したベートーヴェンが、ベルリンにてプロイセン国王のフリードリヒ・ヴィルヘルム2世の宮廷で御前演奏を行いました。この国王は、チェロをたしなむ愛好家であり、自らの楽団にはチェロの名手のジャン=ルイ・ヂュポールを招いていました。このヂュポールの演奏を念頭において、この作品5の二曲のソナタを作曲し、御前で披露したのでした。
さて、この曲の演奏ですが、一般的にはロストロポーヴィチとリヒテル、フルニエとケンプの演奏がまず挙げられることと思います。ただ、前者は私は持っていないのでした。それで今回は、夭折の天才チェロ奏者、ジャクリーヌ・デュ・プレとダニエル・バレンボイムによる1970年のエディンバラ音楽祭でのライブ録音です。1970年8月25,26日、エディンバラのアッシャー・ホールでの演奏であります。
デュ・プレが活躍していた時期は、ちょうど私は音楽を聴き始めた頃でした。雑誌などでは、彼女はアイドルと言えば言いすぎでしょうが、美人で若いスターでしたね。もう十年程前にEMIから彼女の全集が17枚組で発売され、購入しました。これから、という時期での難病でしたから、多くの録音は残されていませんが、まさに珠玉の演奏であります。ベートーヴェンのチェロソナタもコヴァセヴィッチとの3・5番と、このバレンボイムとの全曲ライブが残されています。
やはり、夫婦での演奏は格別のものなんでしょうかね。なんとなく独特の空気を感じます。ハレンボイムとの共演は、指揮者のとくはそうでもないのですが、ピアノでのものはどれもそんなところが好きですね。以前には、バレンボイムのピアノのゆるさを指摘したこともありましたが、今回は、バレンボイムの優しさとしておきたいい気持ちです。1966年に結婚され、1971年に発病されたので、ふたりは幸せの絶頂期だったんでしょうねえ。
この曲は、第1楽章に約3分ほどのアダージョ・ソステヌートの序奏があり、その後アレグロの主部に入ります。まず冒頭のヂュ・プレのチェロを優しく包み込むようなピアノ。やはりヂュ・プレの厳しさに比べるとピアノは…、かなあ。でも、主部に入ると、ともに伸びやかで、軽快な主題を幸せ感、一杯で歌い上げます。この曲、ベートーヴェンの若さあふれる明るさあが好きなんですが、バレンボイムのピアノはそう言ったところを謳歌しているようです。しかしヂュ・プレにおいては、そんな甘いことではなく、いろんな表情を現しながら、厳しさや妥協のなさの峻厳さを感じさせながらのチェロであります。そんなヂュ・プレに引き込まれるようにピアノも頑張りを見せますね。第2楽章ロンド。楽器の輝かしい響きが一杯の楽章。ここでもヂュ・プレのチェロは一心不乱に突き進んでいく。ピアノも頑張る。両者の幸福感が感じさせるような演奏でもありました。
今週の水曜日は、娘の誕生日になります。去年は日本酒を贈りましたが、今年は少々悩んでおります。何がいいかなあ。
(EMI 5041672 2007年 輸入盤 THE COMPLETE EMI RECORDINGS)
まあ、そんな政治的なことはさておき、今回もベートーヴェンの初期の作品です。チェロ・ソナタ第1番ヘ長調作品5-1です。ベートーヴェンは、5曲のソナタをはじめとして、変奏曲もふくめ多くのチェロのための曲を残しています。この曲は、1796年にウィーンからボヘミア地方とプロイセンに旅行したベートーヴェンが、ベルリンにてプロイセン国王のフリードリヒ・ヴィルヘルム2世の宮廷で御前演奏を行いました。この国王は、チェロをたしなむ愛好家であり、自らの楽団にはチェロの名手のジャン=ルイ・ヂュポールを招いていました。このヂュポールの演奏を念頭において、この作品5の二曲のソナタを作曲し、御前で披露したのでした。
さて、この曲の演奏ですが、一般的にはロストロポーヴィチとリヒテル、フルニエとケンプの演奏がまず挙げられることと思います。ただ、前者は私は持っていないのでした。それで今回は、夭折の天才チェロ奏者、ジャクリーヌ・デュ・プレとダニエル・バレンボイムによる1970年のエディンバラ音楽祭でのライブ録音です。1970年8月25,26日、エディンバラのアッシャー・ホールでの演奏であります。
デュ・プレが活躍していた時期は、ちょうど私は音楽を聴き始めた頃でした。雑誌などでは、彼女はアイドルと言えば言いすぎでしょうが、美人で若いスターでしたね。もう十年程前にEMIから彼女の全集が17枚組で発売され、購入しました。これから、という時期での難病でしたから、多くの録音は残されていませんが、まさに珠玉の演奏であります。ベートーヴェンのチェロソナタもコヴァセヴィッチとの3・5番と、このバレンボイムとの全曲ライブが残されています。
やはり、夫婦での演奏は格別のものなんでしょうかね。なんとなく独特の空気を感じます。ハレンボイムとの共演は、指揮者のとくはそうでもないのですが、ピアノでのものはどれもそんなところが好きですね。以前には、バレンボイムのピアノのゆるさを指摘したこともありましたが、今回は、バレンボイムの優しさとしておきたいい気持ちです。1966年に結婚され、1971年に発病されたので、ふたりは幸せの絶頂期だったんでしょうねえ。
この曲は、第1楽章に約3分ほどのアダージョ・ソステヌートの序奏があり、その後アレグロの主部に入ります。まず冒頭のヂュ・プレのチェロを優しく包み込むようなピアノ。やはりヂュ・プレの厳しさに比べるとピアノは…、かなあ。でも、主部に入ると、ともに伸びやかで、軽快な主題を幸せ感、一杯で歌い上げます。この曲、ベートーヴェンの若さあふれる明るさあが好きなんですが、バレンボイムのピアノはそう言ったところを謳歌しているようです。しかしヂュ・プレにおいては、そんな甘いことではなく、いろんな表情を現しながら、厳しさや妥協のなさの峻厳さを感じさせながらのチェロであります。そんなヂュ・プレに引き込まれるようにピアノも頑張りを見せますね。第2楽章ロンド。楽器の輝かしい響きが一杯の楽章。ここでもヂュ・プレのチェロは一心不乱に突き進んでいく。ピアノも頑張る。両者の幸福感が感じさせるような演奏でもありました。
今週の水曜日は、娘の誕生日になります。去年は日本酒を贈りましたが、今年は少々悩んでおります。何がいいかなあ。
(EMI 5041672 2007年 輸入盤 THE COMPLETE EMI RECORDINGS)
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