GWまであとわずか!。先週末は、職場の歓送迎会がありました。最近、職場の飲み会には欠席することが多いのですが、今回は幹事だったので参加しました。加えて、司会までしなければならないことになり、落ち着かないことしきりでした。最後には、職場の親睦会の名を、前職場の会の名と間違えてしまい、失敗してしまいました。いやはやでありました。そして、日曜日。よく晴れて穏やかで、少々肌寒いですが、春爛漫であります。
その日曜日、なぜかリストの『前奏曲』を聴きたくなりまして、これはもうかなり長いこと聴いてない曲で、果たしてCDとして持っているかどうか確かでないのでした。それで、ごそごそと探してみましたが、フルトヴェングラーの『英雄』に併せて収められているばすだ、と思い出しました。というのも、LPではこの組みあわせであり、それはもう今から35年以上も前に買ったことをきちんと憶えているのでありました。その後、三宮の中古やさんでCD化されたものを以前に買ったのでした。そんなことで、『前奏曲』を聴こう!ということになったのであります。しかし、この曲の前には、『英雄』がでーんと鎮座さえておりまして、それを飛ばして聴こうかとも思ったのですが、誤って『英雄』が始まってしまいました。で、まあいいやと思って聴いていましたら、ついつい全曲を聴いてしまいました。うーん、この英雄は素晴らしいですねえ。ほんと、久しぶりに聴きましたが、ほんとに立派な演奏であります。
ということのフルトヴェングラーの『英雄』というのは、1952年11月26・27日、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音です。VPOとのものです。フルトヴェングラーの『英雄』は、ライブ録音などを中心に10種類くらいのものが残されていますが、その中で、この録音は唯一のスタジオ正規録音盤であります。それゆえEMIから出ており、擬似ステのものも含めて、入手し安かったものです。私も、その昔疑似ステのLPを買いまして、愛聴しておりました。
この演奏は、例えば1944年のライブなどと比べれば、おとなしく、フルトヴェングラー特有の熱く燃えた演奏ではありません。それゆえ印象度は低いかも知れません。しかし、数あるこの曲の演奏の中で、これこそが最上のものと言って過言ではないと確信します。まず、それぞれの楽章の主題の演奏、実に重厚であり、風格があります。しっかりその旋律が耳に残り、説得力があります。また、テンポはゆっくりめなのですが、その演奏の緩急のバランスは素晴らしい限りです。そして、ライブほどの盛り上がりがありませんが、曲が進むにつれての緊張感の高まりと高揚感はさすがであります。第1楽章、冒頭の2発は鮮明で鮮やかです。VPOの鮮明な合奏も素晴らしく、曲が進むにつれての盛り上がりは、慣れ親しんだこの曲に新鮮な印象を与えてくれます。第2楽章、葬送行進曲。これほど葬送行進曲らしいものもないのではないかと思われる演奏。すべてのところがギリギリで止まっています。木管の響きが美しい。VPOの演奏が、素晴らしい。弦の美しい響きはさすがのVPOです。またオーボエやホルンの音色もこの上ないものであります。ゆったりとしたテンポで慈しむような演奏。第3楽章、緊張感あふれるスケルツオ。トリオのホルンがいいです。音の歯切れがよく、安定したダイナミックな演奏が心地よい。 そして第4楽章。この楽章の演奏は好きです。一縷の漏れもないとでも言いましょうか。指揮者のオケへの曲つくりの意図と統率が極めて行き届いております。そこから醸し出される音楽はいいですねえ。
このCDは、モノラル録音ですが、それほど聴きづらいものではありません。VPOの美音もよく聴き取れますね。やはり、フルトヴェングラーでありました。
(EMI TOCE-59005 art series 2002年)
その日曜日、なぜかリストの『前奏曲』を聴きたくなりまして、これはもうかなり長いこと聴いてない曲で、果たしてCDとして持っているかどうか確かでないのでした。それで、ごそごそと探してみましたが、フルトヴェングラーの『英雄』に併せて収められているばすだ、と思い出しました。というのも、LPではこの組みあわせであり、それはもう今から35年以上も前に買ったことをきちんと憶えているのでありました。その後、三宮の中古やさんでCD化されたものを以前に買ったのでした。そんなことで、『前奏曲』を聴こう!ということになったのであります。しかし、この曲の前には、『英雄』がでーんと鎮座さえておりまして、それを飛ばして聴こうかとも思ったのですが、誤って『英雄』が始まってしまいました。で、まあいいやと思って聴いていましたら、ついつい全曲を聴いてしまいました。うーん、この英雄は素晴らしいですねえ。ほんと、久しぶりに聴きましたが、ほんとに立派な演奏であります。
ということのフルトヴェングラーの『英雄』というのは、1952年11月26・27日、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音です。VPOとのものです。フルトヴェングラーの『英雄』は、ライブ録音などを中心に10種類くらいのものが残されていますが、その中で、この録音は唯一のスタジオ正規録音盤であります。それゆえEMIから出ており、擬似ステのものも含めて、入手し安かったものです。私も、その昔疑似ステのLPを買いまして、愛聴しておりました。
この演奏は、例えば1944年のライブなどと比べれば、おとなしく、フルトヴェングラー特有の熱く燃えた演奏ではありません。それゆえ印象度は低いかも知れません。しかし、数あるこの曲の演奏の中で、これこそが最上のものと言って過言ではないと確信します。まず、それぞれの楽章の主題の演奏、実に重厚であり、風格があります。しっかりその旋律が耳に残り、説得力があります。また、テンポはゆっくりめなのですが、その演奏の緩急のバランスは素晴らしい限りです。そして、ライブほどの盛り上がりがありませんが、曲が進むにつれての緊張感の高まりと高揚感はさすがであります。第1楽章、冒頭の2発は鮮明で鮮やかです。VPOの鮮明な合奏も素晴らしく、曲が進むにつれての盛り上がりは、慣れ親しんだこの曲に新鮮な印象を与えてくれます。第2楽章、葬送行進曲。これほど葬送行進曲らしいものもないのではないかと思われる演奏。すべてのところがギリギリで止まっています。木管の響きが美しい。VPOの演奏が、素晴らしい。弦の美しい響きはさすがのVPOです。またオーボエやホルンの音色もこの上ないものであります。ゆったりとしたテンポで慈しむような演奏。第3楽章、緊張感あふれるスケルツオ。トリオのホルンがいいです。音の歯切れがよく、安定したダイナミックな演奏が心地よい。 そして第4楽章。この楽章の演奏は好きです。一縷の漏れもないとでも言いましょうか。指揮者のオケへの曲つくりの意図と統率が極めて行き届いております。そこから醸し出される音楽はいいですねえ。
このCDは、モノラル録音ですが、それほど聴きづらいものではありません。VPOの美音もよく聴き取れますね。やはり、フルトヴェングラーでありました。
(EMI TOCE-59005 art series 2002年)
僕も最近、この演奏を改めて聴いて、ノックアウトされました。ウィーン・フィルは今でも相当個性的な音を出すオケだと思いますが、この頃の録音を聴くと、全く別のオケのようです。
フルヴェンを崇拝しているティーレマンが一生懸命追いかけていますが、この録音に比肩する演奏を残す事は難しいでしょうね。
フルトヴェングラーの英雄は10種類もあるんですね。う~ん、どっぷり浸かって見たいような・・・