台風10号が北日本に多くの被害をもたらしました。大雨による被害などは甚大で、一階の天井まで水に浸かった家など惨状が報道されるにつけ、台風の猛威をまざまざと見せつけられたのでした。西日本に住んでいる私に取っては、台風の直撃や上陸などは、日常茶飯事であり、夏から秋にかけての恒例行事でありますが、今回東北に上陸したのは、観測史上初めてということですので、東日本においては経験のあまりない被害だったんですね。改めて日本列島の多様さを感じました。とにかく、被害にあわれた皆様を心よりお見舞い申し上げます。
さて、夏も終わりに近づいた今日この頃ですが、私においては、バッハのカンタータを毎日聴いておるのでありました。やはり、このバッハのカンタータは、いつも言っておりますが、汲めども汲めども尽きない井戸のようで、その豊富で魅力満載の音楽には、もう言葉もありません。とまあしばらくご無沙汰のカンタータを聴くようになったのは、職場の音楽好きの同僚と音楽のお話をしていたとき、宗教音楽のことが話題になったことに起因します。こんな会話は重要ですね。
それで、今聴いている演奏は、フリッツ・ヴェルナーによるものです。少し前に、ヴェルナーによるカンタータのCDを買いました。20枚組で3500円ほどでした。これらの演奏は、1959年頃から1974年頃に行われたものです。他にも、マタイやヨハネ受難曲やロ短調ミサなどを収めた10枚組もあり、ヴェルナーのバッハ演奏は、このふたつの三十枚でほぼ聴くことができますね。しかし、このカンタータ20枚組が3000円少しとは、まあ安いですねえ。いい時代であります。
さて、その中から、カンタータ第51番『全地よ、神にむかいて歓呼せよ』 BWV.51です。1730年にライプツィヒで作曲された約20分ほどの曲です。全曲ソプラノ独唱によるもの。1.アリア、2.レチタティーヴォ、3.アリア、4.コラール、5.アリアという構成。フリッツ・ヴェルナー指揮ハイルブロン=プフォルツハイム室内管弦楽団・ハインリヒ・シュッツ合唱団による演奏です。ソプラノは、飯山恵巳子さんです。1961年8月、イルスフェルトでの録音。
ヴェルナーのカンタータ、実に優しいのです。どの曲を聴いても、心穏やかでリラックスできるのです。それゆえ、聴き続けても疲れないし、安心して聴くことができます。とはいえ、若干物足りないような気分になるときもありますが、これはこれで十二分に満足するのでした。カンタータを聴く楽しみは、いろんな器楽の名手も加わっていること。このカンタータは、第1曲と第5曲で独唱トランペットが活躍しますが、モーリス・アンドレによるトランペットであることも嬉しいですね。飯山さんのソプラノ、高音が少々苦しいところはありますが、清新な歌唱です。言葉が明瞭ではないところもありますが、このジャンルではそれほど気にならないのでした。
第1曲では、アンドレのトランペットが華々しく活躍。これに負けずと飯山さんのソプラノがいいです。第2曲は、ソプラノのレチタティーヴォと第3曲は、ソプラノのアリア。切々な抒情的な歌唱が展開され、バッハのソプラノによる歌唱の典型的な形が聴かれます。もう、終わって欲しくないような気分になるような、飯山さんの永遠の世界に誘うような、そんな歌唱が実に心に染み込みます。第4曲、一転して弦の心地よい音色が歌唱を後押しするように、軽快で天に昇華するような気分にさせられる。そして、第5曲のアリア「アレルヤ」。ここでもトランペットが活躍し、アンドレの演奏が実に鮮やかでありました。このようなソプラノオンリーのカンタータもいいですねえ。
また、台風12号が今度は西日本にやってきそうです。大きな被害がないことをいのるばかりであります。
(ERATO 2564647429 2013年 輸入盤)
さて、夏も終わりに近づいた今日この頃ですが、私においては、バッハのカンタータを毎日聴いておるのでありました。やはり、このバッハのカンタータは、いつも言っておりますが、汲めども汲めども尽きない井戸のようで、その豊富で魅力満載の音楽には、もう言葉もありません。とまあしばらくご無沙汰のカンタータを聴くようになったのは、職場の音楽好きの同僚と音楽のお話をしていたとき、宗教音楽のことが話題になったことに起因します。こんな会話は重要ですね。
それで、今聴いている演奏は、フリッツ・ヴェルナーによるものです。少し前に、ヴェルナーによるカンタータのCDを買いました。20枚組で3500円ほどでした。これらの演奏は、1959年頃から1974年頃に行われたものです。他にも、マタイやヨハネ受難曲やロ短調ミサなどを収めた10枚組もあり、ヴェルナーのバッハ演奏は、このふたつの三十枚でほぼ聴くことができますね。しかし、このカンタータ20枚組が3000円少しとは、まあ安いですねえ。いい時代であります。
さて、その中から、カンタータ第51番『全地よ、神にむかいて歓呼せよ』 BWV.51です。1730年にライプツィヒで作曲された約20分ほどの曲です。全曲ソプラノ独唱によるもの。1.アリア、2.レチタティーヴォ、3.アリア、4.コラール、5.アリアという構成。フリッツ・ヴェルナー指揮ハイルブロン=プフォルツハイム室内管弦楽団・ハインリヒ・シュッツ合唱団による演奏です。ソプラノは、飯山恵巳子さんです。1961年8月、イルスフェルトでの録音。
ヴェルナーのカンタータ、実に優しいのです。どの曲を聴いても、心穏やかでリラックスできるのです。それゆえ、聴き続けても疲れないし、安心して聴くことができます。とはいえ、若干物足りないような気分になるときもありますが、これはこれで十二分に満足するのでした。カンタータを聴く楽しみは、いろんな器楽の名手も加わっていること。このカンタータは、第1曲と第5曲で独唱トランペットが活躍しますが、モーリス・アンドレによるトランペットであることも嬉しいですね。飯山さんのソプラノ、高音が少々苦しいところはありますが、清新な歌唱です。言葉が明瞭ではないところもありますが、このジャンルではそれほど気にならないのでした。
第1曲では、アンドレのトランペットが華々しく活躍。これに負けずと飯山さんのソプラノがいいです。第2曲は、ソプラノのレチタティーヴォと第3曲は、ソプラノのアリア。切々な抒情的な歌唱が展開され、バッハのソプラノによる歌唱の典型的な形が聴かれます。もう、終わって欲しくないような気分になるような、飯山さんの永遠の世界に誘うような、そんな歌唱が実に心に染み込みます。第4曲、一転して弦の心地よい音色が歌唱を後押しするように、軽快で天に昇華するような気分にさせられる。そして、第5曲のアリア「アレルヤ」。ここでもトランペットが活躍し、アンドレの演奏が実に鮮やかでありました。このようなソプラノオンリーのカンタータもいいですねえ。
また、台風12号が今度は西日本にやってきそうです。大きな被害がないことをいのるばかりであります。
(ERATO 2564647429 2013年 輸入盤)
今年の台風は規模が何やら平年の1.5倍だそう。幸い新潟への直撃は免れていますが怖いですね。