台風の影響でしょうか、少し涼しくなりました。今週は、何事もなければ神戸でお仕事に励み、週末に岡山に向かいます。なんとか、神戸で仕事を頑張れたらと思っていますが…。マリーンスは、本日オリックスに逆転負け。苦しくなりましたねえ。うーん。
私は、ワーグナーの歌劇『ローエングリン』が大好きでして、中古やさんなどで見つけると、ついつい買ってしまう習性があります。といっても、このオペラの全曲盤がぼこぼこ見つけられるということもなく、たまに見つけると、嬉しくて買ってしまいます。前回取り上げたケンペのベートーヴェンと同じときに、元町の中古やさんで『ローエングリン』を見つけまして、これは買わなければいけません、ということで、買ってしまいました。一緒にいた友人には「好きやなあ」と呆れられましたが…。
というところの『ローエングリン』とは、1990年のバイロイト音楽祭の録音です。これは、映画監督であるヴェルナー・ヘルツォーク演出のもので、1987年から1991年、1993年の6年間上演されたプロダクションです。指揮は、ペーター・シュナイダー。主な配役は、ポール・フライ(ローエングリン)シェリル・ステューダー(エルザ)ガブリエレ・シュナウト(オルトルート) エッケハルト・ヴラシハ(テルラムント)マンフレート・シェンク(ハインリヒ王)アイケ・ヴィルム・シュルテ(伝令)。この年のローエングリンは、DGからDVDが発売されており、このCDと同じ音源かどうかはわかりませんが、おそらくは音楽祭の上演に先立って録音・録画されたものでしょうね。今は亡きPHILIPSからバイロイト音楽祭の録音がリヒャルト・ワーグナー・エディションとして出ていましたが、そのシリーズのひとつです。
この舞台の様子は、かなり前にNHKBSで放送されたものを、ビデオに録画しましたので、見ることができるのですが、あまり魅力的な画像ではない印象がありました。霧のかかった沼地のようなところにたつ、未開人の酋長のようなハインリッヒ王や、白くきれいなエルザを憶えている程度で、今回も再び見ようという気にはなりませんでした。なかなか演出も難しいものですね。
で、今回のCDで、画像抜きで音声のみの『ローエングリン』を聴いたのですが、まず思ったのがやはりバイロイトの録音は、スタジオ録音の演奏とは一味違う、ということでしょうか。この演奏もライブではないと思いますが、そこに聴ける緊張感や引き締まった音楽は、やはり尋常ではないです。そして、この指揮のシュナイダーです。それほど目立った活躍を聴くことのできるわけではないのですが、この人バイロイトの常連ですよね。聞くところによると、バイロイトで『ローエングリン』を指揮すること44回に及ぶそうです。そんなこともあってか、このシュナイダーの指揮が、なかなか大したものなんですよ。いろんな場面場面での指揮振りには、大満足。例えば、前奏曲から、うまいです。聴き惚れてしまいました。そして、第一幕のエルザの登場のシーンまでの合唱と管弦楽の絡みもいいなあ、って聴いてました。の第二幕のエルザとオルトルートのやり取りで演奏は、実にいい。この両者をうまくサポートしています。そして引き続くエルザの大聖堂への入場も、生き生きとした木管がよく、情景が浮かぶようでした。
一方、歌手では、女声のエルザのスチューダーが言うことないです。この人の正に飛ぶ鳥を落とす勢いだったこの時期、実にきめの細かい、そしてうまいエルザを聴かせてくれます。アバド指揮のDVDとCDと合わせて三種類のエルザが聴けますが、この演奏がもっとも清新な魅力あぶれるように思います。そしてオルトルートのシュナウト、第二幕の歌唱はいいです。この二人の絡みは、元来好きなこともあって、他の演奏に引けを取りませんね。男声では、ハインリッヒ王のシェンクは、安定した王らしく好感がもてました。そして、ローエングリンのフライは、欲を言えば、今ひとつの若さがほしいですかねえ。ヴラシハのテルラムントもクセを感じますが、悪くはないです。全体的に、昨今のバイロイト音楽祭の演奏の中では、素晴らしい魅力にあふれるローエングリンだと思います。
ワーグナーについては、やはり聖地バイロイトの演奏は、一味も二味も違うなってことを痛感したCDでありました。
(PHILIPS 434 602-2 1992年 輸入盤)
私は、ワーグナーの歌劇『ローエングリン』が大好きでして、中古やさんなどで見つけると、ついつい買ってしまう習性があります。といっても、このオペラの全曲盤がぼこぼこ見つけられるということもなく、たまに見つけると、嬉しくて買ってしまいます。前回取り上げたケンペのベートーヴェンと同じときに、元町の中古やさんで『ローエングリン』を見つけまして、これは買わなければいけません、ということで、買ってしまいました。一緒にいた友人には「好きやなあ」と呆れられましたが…。
というところの『ローエングリン』とは、1990年のバイロイト音楽祭の録音です。これは、映画監督であるヴェルナー・ヘルツォーク演出のもので、1987年から1991年、1993年の6年間上演されたプロダクションです。指揮は、ペーター・シュナイダー。主な配役は、ポール・フライ(ローエングリン)シェリル・ステューダー(エルザ)ガブリエレ・シュナウト(オルトルート) エッケハルト・ヴラシハ(テルラムント)マンフレート・シェンク(ハインリヒ王)アイケ・ヴィルム・シュルテ(伝令)。この年のローエングリンは、DGからDVDが発売されており、このCDと同じ音源かどうかはわかりませんが、おそらくは音楽祭の上演に先立って録音・録画されたものでしょうね。今は亡きPHILIPSからバイロイト音楽祭の録音がリヒャルト・ワーグナー・エディションとして出ていましたが、そのシリーズのひとつです。
この舞台の様子は、かなり前にNHKBSで放送されたものを、ビデオに録画しましたので、見ることができるのですが、あまり魅力的な画像ではない印象がありました。霧のかかった沼地のようなところにたつ、未開人の酋長のようなハインリッヒ王や、白くきれいなエルザを憶えている程度で、今回も再び見ようという気にはなりませんでした。なかなか演出も難しいものですね。
で、今回のCDで、画像抜きで音声のみの『ローエングリン』を聴いたのですが、まず思ったのがやはりバイロイトの録音は、スタジオ録音の演奏とは一味違う、ということでしょうか。この演奏もライブではないと思いますが、そこに聴ける緊張感や引き締まった音楽は、やはり尋常ではないです。そして、この指揮のシュナイダーです。それほど目立った活躍を聴くことのできるわけではないのですが、この人バイロイトの常連ですよね。聞くところによると、バイロイトで『ローエングリン』を指揮すること44回に及ぶそうです。そんなこともあってか、このシュナイダーの指揮が、なかなか大したものなんですよ。いろんな場面場面での指揮振りには、大満足。例えば、前奏曲から、うまいです。聴き惚れてしまいました。そして、第一幕のエルザの登場のシーンまでの合唱と管弦楽の絡みもいいなあ、って聴いてました。の第二幕のエルザとオルトルートのやり取りで演奏は、実にいい。この両者をうまくサポートしています。そして引き続くエルザの大聖堂への入場も、生き生きとした木管がよく、情景が浮かぶようでした。
一方、歌手では、女声のエルザのスチューダーが言うことないです。この人の正に飛ぶ鳥を落とす勢いだったこの時期、実にきめの細かい、そしてうまいエルザを聴かせてくれます。アバド指揮のDVDとCDと合わせて三種類のエルザが聴けますが、この演奏がもっとも清新な魅力あぶれるように思います。そしてオルトルートのシュナウト、第二幕の歌唱はいいです。この二人の絡みは、元来好きなこともあって、他の演奏に引けを取りませんね。男声では、ハインリッヒ王のシェンクは、安定した王らしく好感がもてました。そして、ローエングリンのフライは、欲を言えば、今ひとつの若さがほしいですかねえ。ヴラシハのテルラムントもクセを感じますが、悪くはないです。全体的に、昨今のバイロイト音楽祭の演奏の中では、素晴らしい魅力にあふれるローエングリンだと思います。
ワーグナーについては、やはり聖地バイロイトの演奏は、一味も二味も違うなってことを痛感したCDでありました。
(PHILIPS 434 602-2 1992年 輸入盤)
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