ということで、今回もヘンデルであります。先週末に時間潰しに、HARDOFFに寄りました。うちのガラクタも引き取ってもらえるかなあ、などと思いながら店内を物色しておりました。中古CDもあって、いいのないかな、と見ておりましたら、DHMのCDで『G.F.Handel』のものがありました。よく見てみると『Ombra Cara: Arias of George Frideric Handel』。ペジュン・メータによるヘンデルのアリア集でありました。460円。迷わず買いました。
このCDは、CTのメーアが、『ゴールのアマディージ』、『アグリッピーナ』、『リッカルド・プリーモ』、『エジプト王トロメーオ』、『オルランド』、『ロドリーゴ』、『ラダミスト』、『ロデリンダ』、『ソザルメ』か13曲のアリアを歌ったもの。ルネ・ヤーコプス指揮フライブルク・バロック・オーケストラのバックです。11,13曲目はローズマリー・ジョシュア(S)が加わります。2010年3月の録音。おまけのDVDも付いており、これは約15分のメイキングビデオであります。これもおトクでありました。
メータはCTなんですが、ふと思ったことは、私はこのCTってあまり聴いたことないなあ、ってこと。まあ、バロック以前の曲にしか登場しないですし、バッハの受難曲やカンタータでも歌っているんですが、それほどの印象はないですね。Mチャンスや米良さんくらいしか…、であります。このメータもほとんど存じ上げませんでしたね。ヘンデルの歌劇などは、それほど聴くわけではありませんでしたからね。意識しなければ、MSやAとそれほど違いがないですもんね。
まあ、そんな意識で聴いたのですが、このメータ、なかなかいいですよね。メータの歌声を聴くと、カストラートってこんなんだったんかなあ、と思わせることしきりであります。もっとも、歌っているアリアは、カストラートによるものばかりなので、それはそうなのですがね…。カウンターテナーの歴史は、カストラートのそれよりも長いのですが、カウンターテナーの存在感をしっかり伝えているようなメータの歌唱なのでありました。
そしてメータ、うまいですねえ。女声で歌うには聴けないような声に力や張りを感じます。高音から低音まで幅広く歌い上げる力はさすがです。、そして声は光輝くようで、実に魅力いっぱいであります。加えて、いろんな歌にもしっかりと対応できる柔軟性もありますねえ。力強く歌い上げるとことは無敵の強さを感じますし、落ち着いた歌では心を洗われるような清々しさも聞こえてきます。こぶしを聴かせるような節回しがあったり、コロラトゥーラも聴けたり、実にそんなことも楽しめるのでありました。
そんなわけで、このCDは実に楽しい。ヘンデルのアリアのよさが満喫できますね。『ゴールのアマディージ』第3幕「私は喜びを感じる」は輝かしい声で歌い上げる爽快さがいいですね。細かな技巧も満載、②『アグリッピーナ』のアリアは、一転して暗く強い情念を強く歌い上げます。そして⑦『オルランド』第二幕からと、⑨歌劇『ラダミスト』の「わが妻のいとしい霊よ」の二曲は、ともに10分近く長さですが、その中にメータのいろんなところが聴けるので、おもしろいし、楽しいし、中でも⑨は感動的でもあり、聴き入ってしまうのでありました。そして、⑪と⑬では、女声が加わりますが、この女声との対比もおもしろい。メータは確かに圧倒的な歌唱力で歌い上げます。しかし、私は女声大好きなので、やはり女声のほうが断然魅力的でいいなあ、痛感しました。まあ、女声と比較することもないのですが、女声でしか聴けないものって多いんだなあ、と思ったわけです。
しかし、マリーンズ、金曜日にホークスに勝ち、3位に1.5差となり、少し期待しましたが、土日と、まったくいいところなく連敗。やはり、ダメですねえ。とほほでありました。
(DHM HMC902077 2011年 輸入盤)
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