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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

サンプソンによるヘンデルのカンタータ

2022年09月18日 23時45分11秒 | ヘンデル
先週の『探偵ナイトスクープ』。中1の娘が同級生の男と付き合っているのですが、両者ともマスクを外した顔を見たことないのが心配だ、という母親の依頼がありました。コロナ禍となってもう4年目。マスクが日常となって、私も勤務先で素顔を一度も見たことない人たくさんいますよね。マスクを外すのが普通になっても、みなさんマスクは外すのでしょうか。案外、イスラムのヒジャーブのようにマスクがなったりして…。そんな社会、私は嫌だなあ。

まあ、そんなことはそれとして…。今回は2ヶ月振りのヘンデルであります。ヘンデルの声楽曲としては、イギリスに渡ってからの歌劇やオラトリオがありますが、1706~1710年において、ヘンデルはイタリアに滞在します。その頃、多くのイタリア語のカンタータを作曲します。ヘンデル20才台の作品ですが、なんのなんのいい曲が多いです。などのことは前に、カンタータを取り上げたときに指摘したとおりですね。

それで今回は、キャロリン・サンプソンのソプラノと、ロバート・キング&キングズ・コンソートの演奏で、イタリアン・カンタータ集。『捨てられて~イタリアのヘンデル』であります。2018年3月9~12日イギリス、サフォーク、アルフトン・ニュー・モルティングでの録音。収録曲は、カンタータ『見捨てられたアルミーダ』 HWV.105、『炎の中で』HWV.170、『高貴な望みの子』HWV.113、『死に瀕するアグリッピーナ』HWV.110であります。

と言っても、私これらの曲についての資料をまったく持ち合わせていないのです。だから何の曲なのか。どんな内容なのか、まあまったくわかりません。これがレチタティーヴォで、これがアリア、それくらいは聴けばわかるのですがね。まあ、曲だけを聴いてもそれなりにいろんなことを思うので、それはそれでいいのですが…。でも、やっぱり曲の内容は、わかった方がいいですね。曲から『捨てられたアルミーダ』を連想するのは、なかなか辛いものがあります。

それでこのCDであります。やはりなんと言っても、キャサリン・サンプソンの歌唱は圧倒的にいいですねえ。まず、声量がたっぷり。余裕のある歌声で、とても安定感があります。ゆったりとしたテンポの曲でも、声は果てることなく、永遠に続くように歌われます。これは見事です。また、高音から低音まで、何の苦労もなく、しっかりと歌われます。それがまたまったく力むことなく、自然に出るんですね。聴く方が高音やら低音やら、まったく意識することなく歌い上げられるのです。そして、歌唱の表情も非常に豊かであります。歌の内容はまったくわかっていないのですが、感情的な表現も非常にわかりやすいのであります。そしてそして、サンプソンの声質はこれまた非常に美しいのです。これは天性のものでしょうが、表情が変わるたびに、微妙に変わるのです。これを聴くのもなかなかおもしろいですね。

そして、キング指揮のキングズコンソートの演奏も、これまた見事なんですね。20人に満たない編成なんですが、その個々の演奏が実に堅実であり、音色も美しい。明るい木管の響きと、落ち着き、深い表現が聴ける弦。通奏低音も充実しています。サンプソンをうまく伴奏しており、その演奏は、それぞれの曲をサンプソンの歌唱とともに、魅力的に表現しているのでありました。

4つの曲が収められていますが、レチタティーヴォとアリアの繰り返し。もっとも気を引くのが、HWV.105の2曲目の「Ahi Crudeie」。この曲は「Ombra mai fu」と非常によく似ている曲ですが、7分余りのゆったりとして奥行きの深い歌唱が心に染み込んできます。 その他に15余りのアリアがありますが、サンプソンの歌唱で実に飽きない佳曲の連続であります。いつまでも聴いていたいような気分になるのでありました。

しかし、このCD、なぜか自室のDENONのプレーヤーでは、エラーの連続で、ほとんど聴くことができません。なんででしょうかねえ。他のでは聴けるのですがね。取り立ててキズもないし、いろいろ試してみてもダメ。うーん、困ったことであります。
(VIVAT VIVAT 117 2018年 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2022-09-19 21:36:06
オンブラマイフは心が癒やされる曲ですね。さて、マスク着用の件は、仰有るとおりです。昔から知っている人はいいとして、新たな人は素顔が解らないまま、付き合っていますね。いつになったら、以前の状態に戻れるのでしょうか?
ところで、CDの再生ができないのは、やはりキズなのではないでしょうか。目で見て、沢山キズが入っているのに、再生に問題のないCDもありますが、細かなキズ(特に回転方向に沿った向きのキズ)が、あるのかも知れません。プレーヤーによっては、キズに敏感な機種と鈍感な機種?があります。というより、データ修復能力のようなものの違いがあります。一時的には、CDを細かなコンパウンドなどで磨いてみるのも対策の一つです。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2022-09-22 12:24:13
クレモナ 様、コメントありがとうございます。ヘンデルの歌曲、たくさんあるのですが、実に癒やされるような曲がいろいろとあって、聴き応えがありますね。なかなか曲名が入ってこないところが難点ですが…。CDのキズ、まさに自室のプレーヤーは、キズに敏感すぎるのではないかと思います。これまでも、けっこうそんなことの繰り返しなんですね。レコードのように繊細に扱うことも、CDといえども大事なのではないかと痛感します。また、ご教示ください。
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