しかし、先週は寒かった。金曜日は、ついに神戸の自宅周辺も氷点下。-1でした。通勤途中の道路の温度計は-7。その後、-4あたりをうろうろして、-3になったと思いきや、勤務地は-5。8時前後は戸外にいることがほとんどなので、風もあったのでそれは寒い寒い。池も氷ができてました。廊下は冷蔵庫みたい。いつまで続くんでしょうか。これで雪でも降ろうもんなら…。でも、こんな状況は広い日本列島の中ではまだましなほうですね。申し訳なかったです。
そんな中、ほんとに久しぶりにカール・ベームのベートーヴェンの交響曲を聴きました。私の車のナビのHDDには、いくつかの曲を入れています。通常は、あまり音が良くないので、CDで聴いているのですが、生憎その日は忘れまして、HDDの曲を聴きました。そのときに、ベーム指揮VPOによる、ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調『英雄』作品55でありました。1972年9月10~18日、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音です。
このベームの全集は、その昔なかなか入手出来ませんでした。2003年のイタリア盤が入手できなくなって、中古さんでやっと国内盤を見つけた次第です。1970年4月から1972年9月にかけてウィーンで録音されたものですが、当時のベームはオーストリア音楽総監督とかVPOからは名誉指揮者という彼のための立派な称号をもらうほどの存在で、特にこの時期はVPOとは蜜月の関係で人気も抜群。この全集もそんな両者の満を持してのものだったと思います。
しかし、ベーム自身がそうなんですが、1981年に逝去されて、その人気は急速に衰えたそうです、日本ではまだましですが、欧米では見向きもされないとか…。そんなわけで、この全集も取り上げられる機会が少なくなったようですね。うーん、ベームフアンの私としては寂しい限りですねえ。去る者は日日に疎し、ですかねえ。そんな中で、この全集であります。
ベームの『英雄』は、1961年にBPOと録音したものや、1978年のバイエルン放響とのライブなどがあります。特に、BPOとの演奏は、壮年期のベームの力強い演奏として評判のいいものです。それに対して、VPOとのものは評価が高いとはいえないのです。私も同様に思っていましたが、最近久々に聴きましたが、これが実にいい。VPOを存分に鳴らし、ふっくらとした円満な表情が聴いていて、幸せな気持ちになるんです。豪快とか剛毅、凄絶か、そんなところはほとんどないのです。オケの美しい響きはVPOの真骨頂ですし、それをうまくまとめ聴かせどころも散りばめ、本当にスキの無い、偏差値の高い演奏なんです。そして、何度聴いても飽きないし、聴く度に演奏のよさを認識させてくれます。
第1楽章、冒頭から明るい音色。VPOの華やかな色彩によって、生き生きとした英雄が元気に語りかける。比較的落ち着いた演奏ですが、決めるところでは着実に決めています。そんなところは非常に嬉しい。第2楽章、静かに語りかけるような出だしから演奏に惹きつけられる。テンションの高さとか凄絶さはあまりないが、そんな物足りなさはまったく感じない。次第に熱を帯びてきながら、その中にむしろ人間的な暖かみや優しさを感じる。オケのそれぞれの美しい響きが交錯し、ぐいぐいと聴き手を引き込んでいくところはなかなか他では聴けませんね。第3楽章と第4楽章。私は近年この2つの楽章が大好きなんですが、この演奏もいいです。やはりVPOならではの各楽器の美しさに加えて、ベームの微に入り細に入るこころ配りによって、実に緻密な演奏になっています。
繰り返しますが、本当に寒いです。わが家の室温は、寒いときなどで14度。大変寒いなというときは13度。今日は後者です。年末にタイヤを交換したのですが、家にあるスタッドレスにしたらよかったな、と思ってしまう、昨今の寒さであります。
(DG POCG-90468/73 1998年)
そんな中、ほんとに久しぶりにカール・ベームのベートーヴェンの交響曲を聴きました。私の車のナビのHDDには、いくつかの曲を入れています。通常は、あまり音が良くないので、CDで聴いているのですが、生憎その日は忘れまして、HDDの曲を聴きました。そのときに、ベーム指揮VPOによる、ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調『英雄』作品55でありました。1972年9月10~18日、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音です。
このベームの全集は、その昔なかなか入手出来ませんでした。2003年のイタリア盤が入手できなくなって、中古さんでやっと国内盤を見つけた次第です。1970年4月から1972年9月にかけてウィーンで録音されたものですが、当時のベームはオーストリア音楽総監督とかVPOからは名誉指揮者という彼のための立派な称号をもらうほどの存在で、特にこの時期はVPOとは蜜月の関係で人気も抜群。この全集もそんな両者の満を持してのものだったと思います。
しかし、ベーム自身がそうなんですが、1981年に逝去されて、その人気は急速に衰えたそうです、日本ではまだましですが、欧米では見向きもされないとか…。そんなわけで、この全集も取り上げられる機会が少なくなったようですね。うーん、ベームフアンの私としては寂しい限りですねえ。去る者は日日に疎し、ですかねえ。そんな中で、この全集であります。
ベームの『英雄』は、1961年にBPOと録音したものや、1978年のバイエルン放響とのライブなどがあります。特に、BPOとの演奏は、壮年期のベームの力強い演奏として評判のいいものです。それに対して、VPOとのものは評価が高いとはいえないのです。私も同様に思っていましたが、最近久々に聴きましたが、これが実にいい。VPOを存分に鳴らし、ふっくらとした円満な表情が聴いていて、幸せな気持ちになるんです。豪快とか剛毅、凄絶か、そんなところはほとんどないのです。オケの美しい響きはVPOの真骨頂ですし、それをうまくまとめ聴かせどころも散りばめ、本当にスキの無い、偏差値の高い演奏なんです。そして、何度聴いても飽きないし、聴く度に演奏のよさを認識させてくれます。
第1楽章、冒頭から明るい音色。VPOの華やかな色彩によって、生き生きとした英雄が元気に語りかける。比較的落ち着いた演奏ですが、決めるところでは着実に決めています。そんなところは非常に嬉しい。第2楽章、静かに語りかけるような出だしから演奏に惹きつけられる。テンションの高さとか凄絶さはあまりないが、そんな物足りなさはまったく感じない。次第に熱を帯びてきながら、その中にむしろ人間的な暖かみや優しさを感じる。オケのそれぞれの美しい響きが交錯し、ぐいぐいと聴き手を引き込んでいくところはなかなか他では聴けませんね。第3楽章と第4楽章。私は近年この2つの楽章が大好きなんですが、この演奏もいいです。やはりVPOならではの各楽器の美しさに加えて、ベームの微に入り細に入るこころ配りによって、実に緻密な演奏になっています。
繰り返しますが、本当に寒いです。わが家の室温は、寒いときなどで14度。大変寒いなというときは13度。今日は後者です。年末にタイヤを交換したのですが、家にあるスタッドレスにしたらよかったな、と思ってしまう、昨今の寒さであります。
(DG POCG-90468/73 1998年)
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