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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

テレマンの「水上の音楽」

2022年01月23日 23時38分00秒 | テレマン
もうどれくらいの数となっても、驚かなくなりましたね。もちろんオミ株への感染です。若い人の場合は、もう感染の検査もしないようにする、とかまあほとんどただの風邪の扱いになりつつあるんでしょうかね。感染ピークもそれほど長く続かない、ということですので、3月くらいには、沈静化していることを期待したいですねえ。マリーンズ、選手の感染が報道されています。いよいよキャンプですが、クラスターが発生しないようにして欲しいです。しっかり予防ですね。

ということで、前回に引き続きテレマンです。過日、中古やさんでテレマンの「Wassermusik」があるのが目に止まりました。うん、これはヘンデルもぱちもんか、で気にとめなかったんですが、他のCDを見ているときに、あっ!これは、そうだそうだ、「ハンブルクの潮の満ち引き」だ、それを「水上の音楽」と言ってたよなあ、と気づいたのでありました。テレマンのけっこう有名な曲ですよ、たしかこれ。っていうことで買って帰りました。406円でした(笑)。

この曲は、1723年4月6日、ハンブルクの海軍鎮守府の設立百年祭が執り行われ、その祝宴での音楽です。序曲を筆頭に、サラバンド、ブーレ、ルール、ガヴォット ハーレクイネード、テンペト、メヌエット、ジーグ、カナリなどの10曲からなる、管弦楽組曲です。全曲で約25分ほどの曲であります。序曲が10分ほどで、それに続くサラバント以下は、1~2分の短い曲です。個々の楽章の特徴を示すのに、古代神話の神々が取り入れられていることも興味深いが、あまり音楽とは関係ないでしょうかねえ。とはいえ、序曲での海の様子が描写され、そのあとは神話の水の神々がいろんな動きをして、それが海の日常と非日常を引き起こし、そのために海軍鎮守府が必要なんだ、というまとめだそうです。なるほど、そんなことですか、と妙に納得であります。

そして、この曲の演奏ですが、どんな演奏があるのか、いまひとつ存じ上げません。古くはアウグスト・ヴェンツィンガーの演奏などから、最近のピリオド楽器によるものまで、いくつかは見ることができました。それで、私の買ったCDは、ラインハルト・ゲーベルとムジカ・アンティィクヮ・ケルンによる演奏です。1984年3月ハンブルクでの録音。ゲーベルなんて最近の人という印象がありましたが、これももう40年近い前の演奏になりますねえ。

やはり、このゲーベルの演奏は、彼らしい、またピリオド楽器による特徴がよく出ています。非常にまっすぐな弦の響きに、全体的にテンポは速めであり、ここぞというときの畳みかける迫力や求心力はたいそう刺激的です。とは言え、ゆったりめの曲では、しっとりとおちついた音色で歌い上げるところも聴きどころですね。モダン楽器のゆったりとしたテンポも悪くないが、このケーゲルの刺激的な演奏を聴くと、もう元には戻れないですよね。やはりMAKの弦は、非常に鋭角的であり、混じりっけのない合奏力は、遺憾なく威力発揮ですね。聴く方の心に突き刺さるようです。そして、この曲はいたるところでのリコーダーが活躍。この響きも実にみずみずしいもの。リコーダー協奏曲のようでもあります。

まず、序曲。海の静けさの重厚さ、そして存在感のある嵐、とても惹きつけられますね。サラバントではリコーダーと弦の合奏がゆったりと。ブーレでは一転して躍動感、ここもリコーダー大活躍。ルール。一転して短調。弦の憂いが響く。ガヴォット。前節に続いて短調。弦が切々と歌い上げる。ハーレクイネード。躍動感あふれる合奏。たいそう心地よい。テンペト。弦による波の躍動感。ピリオド楽器の鋭さがとてもいい。メヌエット。弦にリコーダー。中間部のリコーダーがいいです。そして、ジーグで潮の満干、そしてカナリでの水夫の踊り。非常に洗練された弦の音色が響き渡ります。

先の週末には、ついに東京は1万人を越え、全国でも5万人の感染者。まだまだ増えるよう。ステイホームは無意味という声も聞こえてきますが、しばらくは自粛しないと。いくら重症化しないといっても、感染すれば厄介ですからねえ。辛抱辛抱であります。
(Archiv F35A50042 1984年)

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