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テレマンのフルート四重奏曲

2022年03月06日 23時22分52秒 | テレマン
ロシアのウクライナ侵攻、先が見えませんね。その昔、日本の満州事変以降の中国侵略に対しての諸外国の対応は、まさに今回のロシアへのそれと同様だったんでしょうね。非難ごうごうと孤立化ですよ、まさに。でも、本当に民主主義の成熟って大事ですね。そもそも同じ人物が20年もの長きにわたって、大統領などの地位にあることからしておかしいですよね。ロシア国内でも抗議デモなど起こっているので、政変が起こることも願うものであります。

そんなことを思いつつ、今回もテレマン、8回連続となります。今回はリコーダーと弦楽器のための四重奏曲集です。演奏は、ラインハルト・ゲーベル指揮ムジカ・アンティクワ・ケルン。2004年5月の録音。2007年に解散したMAKの最後の録音です。リコーダーのためとなっていますが、フラウト・トラヴェルソとリコーダーによるもの、二種類があります。リコーダーは、モーリス・シュテーガーです。  

このCD、収められている曲は、すべて四重奏曲。①ト短調TWV43g4(通奏低音以外のソロ楽器 リコーダー、Vn,Va) ②ト長調TWV43G6(リコーダー,ob,Vn)、③ニ短調TWV43d3(トラヴェルソ,Vn,Vc)、④ト長調TWV43G11(トラヴェルソ,Vn,Vc)、⑤イ短調TWV43a3(リコーダー,Ob,Vn)、⑥ト短調TWV43G12(トラヴェルソ,2Vn)、⑦変ロ長調TWV43B2(2Vn,Va)、ト長調TWV43G10(トラヴェルソ、2Vn)。リコーダーとトラヴェルソの使い分けはどうなっているのか。⑦はリコーダーとトラヴェルソが使われておらず、ヴァイオリンとヴィオラなのはなぜか。このふたつの疑問は残ります。

しかし、テレマンですが、何度も言ってますが、最初聴いたときはイイ感じやな、と思うのですが、後でまったく残らない。何度も聴くのですが同じ。そんな状態が続いたあと、突然、曲のよさが実感できるようになるんですね。そうなるともうこっちのものであります。今回も最初はどうなるかと不安でしたが、なんとかこの曲のよさがわかって、たいそう嬉しかったのでありました。ほんと最初は苦行のようでありました(笑)。

それでこの四重奏、魅力は19世紀以降になるとほとんど聴かれなくなるリコーダーとトラヴェルソが用いられていることです。この2つの楽器は、ソナタなどでもよく聴くことができるのですが、その澄んだ響きはたいそう魅力的であります。特に、シュテーガーのリコーダー、明るく伸びやかな音色で、かつ表情が豊かでとてもいいです。そしてこれに絡む弦楽器も実に快活であります。トラヴェルソの方が細部の表現で優っているようですが、リコーダーのトラヴェルソでは聴けない暖かさが感じられます。

どの曲もたいそう聴きやすいです。まず①はト短調。典型的な三楽章形式。②はト長調の同型式。長調と短調の対比がしやすい。②はオーボエが加わり、リコーダーとの対比はいいです。③と④は、トラヴェルソによる教会ソナタ。ニ短調とト長調。トラヴェルソの響きが弦とうまくあっています。⑤はイ短調教会ソナタ。リコーダーにオーボエが加わります。ここでも、このふたつの楽器の組合せは伸びやかで私は好きです。⑥はヘ長調のトラヴェルソ。そして⑦。先述のとおりの2VnとVaによる変ロ長調。リコーダーをヴァイオリンが代行してるんでしょうか。久々に弦楽器だけも、よしですね。最後の⑧はト長調トラヴェルソ。最後までゲーベルとMAK、生き生きとしたテレマンを聴かせてくれます。

それにしても、ロシア。クラスター爆弾や燃料気化爆弾などを使っているとか。加えて核も使用する可能性も、とか言われていますねえ。止まるところがない状況にどんどん進んでいくのでしょうか。まさに正気の沙汰とは思えないです。困ったことです。
(Archiv 00289 477 5379 2005年 輸入盤)

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