「官僚離れ」の潮流がすさまじい、そうですね。国家公務員試験の志望は減り続け、10年以下で辞める人も百人以上。「長時間労働」「給与が低い」などが理由とか。よく教員不足が指摘されていますが、理由は同じですねえ。民間企業にどんどん優秀な人が流れる。うーん、やはり公務員世界は、旧態然としすぎているんでしょうかねえ。国家公務員も教員もどんどん志望者が減り…。これからの日本はどうなるんでしょうか。いつまでも滅私奉公の時代ではないですよねえ。
まあそんなこんなで、今回はブラームス。数ある室内楽曲の中から、ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34であります。この曲は、弦楽四重奏にピアノを加えたもの。ブラームスが30才の1864年に作曲されました。この編成になるまでには、いろんな改編を経ており、ブラームスらしい推敲のあとが知られています。全曲約40分前後の大曲でありますね。若い頃は、あまりいいとは思えなかった曲なんですが、年取ってくると、なんだか妙によくなってくるんですねえ。不思議です。
この曲の演奏としては、デムスとウィーンコンツェルトハウス、ルービンシュタインとガルネリ、ポリーニとアマデウスなどの名盤が知られていますが、ここはやはり、ルドルフ・ゼルキンとブダペストSQによる演奏であります。1963年11月の録音。おそらく30才代のころ、ブラームスの室内楽をよく聴いていたときがあり、そのあたりに買った記憶があります。ブダペストの4人の間に、ゼルキンさんが鎮座され、何ともいい雰囲気の写真のジャケットが印象残っています。
ピアノ五重奏曲って、シューマンがこの編成にしたとか。それ以前はシューベルトのますのようなコントラバスが加わるのが多かったそうですね。この編成のピアノ五重奏曲は、ブラームスの他には、シューマン、ドヴォルザーク、フランク、サン=サーンス、ショスタコーヴィチなどなどですかね。弦楽器の分厚い音色とピアノの対峙ですねえ。しかし、ブラームスは、ピアノの三重奏や四重奏なども書いていますから、さすがの室内楽の大家ですよねえ。
それはそれとして、ゼルキンとブダペストの演奏でありますが、この両者なかなか一筋縄ではいきません。ゼルキンのピアノが実に伸び伸びとした表情でたっぷり歌うと思えば、ブダペストとともに非常に妥協のないような剛毅で厳しさ一杯で妥協を許さないような演奏を繰り広げる。まあ、変幻自在のような両者なのであります。そのような表現が、この演奏を非常に奥深いものにしているようなのであります。聴けば聴くほど、そんな室内楽の凄さを存分に楽しませてくれます。またブダペストは、全般的に妥協を許さない厳しさが漂う。迫力満点の弦の響きが鳴り響きます。しかし、不思議なもので、実は今回久々にこの曲を聴いたのですが、以前にはそれほど意識しなかったよさが端々に感じられたのですが、演奏も同じで、以前は力が入っているなあとか、ピアノとバランスがなあ、とか思ったのですが、いやいやどうして、そのころには感じなかったものでありました。
第1楽章、ゆったりめのテンポでうねるような演奏が展開。じっくりと歌い上げて、ブラームスの音楽のよさが滲み出てくるよう。ゼルキンのピアノが闊達であります。第2楽章、打って変わって夢見るような穏やかで美しい音楽。ゼルキンのピアノが柔らかく実に美しい。それにブラペストの音色も穏やかも加わり、とても心地よいのでありました。第3楽章スケルツォ。生き生きとした、そして激しさも加わる。ブダペストの見事な合奏に、ゼルキンのピアノが加わる。凄味や豪快さに驚かされる。中間部もしっかりと歌い上げる。そして、終楽章。終楽章にふさわしい、とても気持ちが入った演奏。テンポの揺れる中、緻密な弦大胆なピアノ。これまでの楽章のいろんな課題を解決するような、緊張感に満ちた鮮やかな演奏で、耳を離せませんね
ブダペストSQの演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲などもよく聴くのですが、CDを再生すると、どうも弦の合奏が明瞭ではないんですよねえ。古い録音だから仕方ないのかなあと、いつも思っています。
前回、梅雨に入らないこと、指摘しましたが、遂に入ったようですね。入った途端の雨続き。豪雨災害だけは勘弁してもらいたいものです。
(SONY 25CD 5227 1990年)
まあそんなこんなで、今回はブラームス。数ある室内楽曲の中から、ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34であります。この曲は、弦楽四重奏にピアノを加えたもの。ブラームスが30才の1864年に作曲されました。この編成になるまでには、いろんな改編を経ており、ブラームスらしい推敲のあとが知られています。全曲約40分前後の大曲でありますね。若い頃は、あまりいいとは思えなかった曲なんですが、年取ってくると、なんだか妙によくなってくるんですねえ。不思議です。
この曲の演奏としては、デムスとウィーンコンツェルトハウス、ルービンシュタインとガルネリ、ポリーニとアマデウスなどの名盤が知られていますが、ここはやはり、ルドルフ・ゼルキンとブダペストSQによる演奏であります。1963年11月の録音。おそらく30才代のころ、ブラームスの室内楽をよく聴いていたときがあり、そのあたりに買った記憶があります。ブダペストの4人の間に、ゼルキンさんが鎮座され、何ともいい雰囲気の写真のジャケットが印象残っています。
ピアノ五重奏曲って、シューマンがこの編成にしたとか。それ以前はシューベルトのますのようなコントラバスが加わるのが多かったそうですね。この編成のピアノ五重奏曲は、ブラームスの他には、シューマン、ドヴォルザーク、フランク、サン=サーンス、ショスタコーヴィチなどなどですかね。弦楽器の分厚い音色とピアノの対峙ですねえ。しかし、ブラームスは、ピアノの三重奏や四重奏なども書いていますから、さすがの室内楽の大家ですよねえ。
それはそれとして、ゼルキンとブダペストの演奏でありますが、この両者なかなか一筋縄ではいきません。ゼルキンのピアノが実に伸び伸びとした表情でたっぷり歌うと思えば、ブダペストとともに非常に妥協のないような剛毅で厳しさ一杯で妥協を許さないような演奏を繰り広げる。まあ、変幻自在のような両者なのであります。そのような表現が、この演奏を非常に奥深いものにしているようなのであります。聴けば聴くほど、そんな室内楽の凄さを存分に楽しませてくれます。またブダペストは、全般的に妥協を許さない厳しさが漂う。迫力満点の弦の響きが鳴り響きます。しかし、不思議なもので、実は今回久々にこの曲を聴いたのですが、以前にはそれほど意識しなかったよさが端々に感じられたのですが、演奏も同じで、以前は力が入っているなあとか、ピアノとバランスがなあ、とか思ったのですが、いやいやどうして、そのころには感じなかったものでありました。
第1楽章、ゆったりめのテンポでうねるような演奏が展開。じっくりと歌い上げて、ブラームスの音楽のよさが滲み出てくるよう。ゼルキンのピアノが闊達であります。第2楽章、打って変わって夢見るような穏やかで美しい音楽。ゼルキンのピアノが柔らかく実に美しい。それにブラペストの音色も穏やかも加わり、とても心地よいのでありました。第3楽章スケルツォ。生き生きとした、そして激しさも加わる。ブダペストの見事な合奏に、ゼルキンのピアノが加わる。凄味や豪快さに驚かされる。中間部もしっかりと歌い上げる。そして、終楽章。終楽章にふさわしい、とても気持ちが入った演奏。テンポの揺れる中、緻密な弦大胆なピアノ。これまでの楽章のいろんな課題を解決するような、緊張感に満ちた鮮やかな演奏で、耳を離せませんね
ブダペストSQの演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲などもよく聴くのですが、CDを再生すると、どうも弦の合奏が明瞭ではないんですよねえ。古い録音だから仕方ないのかなあと、いつも思っています。
前回、梅雨に入らないこと、指摘しましたが、遂に入ったようですね。入った途端の雨続き。豪雨災害だけは勘弁してもらいたいものです。
(SONY 25CD 5227 1990年)
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